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SpotifyとChernin Entertainmentがポッドキャストのテレビ番組化・映画化に向け優先交渉権契約を締結

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まもなくより多くのSpotify(スポティファイ)ポッドキャストがテレビ番組化・映画化されることになるだろう。米国時間9月24日、Spotifyは、ストリーミング音楽のプロバイダーであり、映画やテレビ番組の制作会社でもあるChernin Entertainment(チャーニンエンターテイメント)と複数年契約を結んだことを発表した。この契約により、合計数千時間のコンテンツに相当する250を超すオリジナルポッドキャストシリーズを収めたライブラリから、Chernin Entertainmentが映画化・テレビ番組化に相応しいコンテンツを特定できるようになる。

両社はすでに、Spotifyが所有するGimlet Media(ギムレットメディア)を通し、連続殺人犯Edward Wayne Edwards(エドワード・ウェイン・エドワーズ)に関するポッドキャストシリーズ「The Clearing」の映像化に向けた取り組みをPineapple Street Media(パイナップルストリートメディア)と共に共同で進めていた。これらの取り組みは今後も引き続き行われるが、今回の契約によりChernin Entertainmentは、世界中から寄せられた数多くのポッドキャストを収めたSpotifyのライブラリにアクセスできるようになる。

Image Credits: Spotify screenshot via TechCrunch

Chernin Entertainmentは現在、「フォードvsフェラーリ」 、「The Planet of the Apes/猿の惑星」トリロジー、「グレイテスト・ショーマン」、「ドリーム」などの映画のほか、「New Girl ~ ダサかわ女子と三銃士」やApple TV+の 「See」、「真相 ~Truth Be Told~」といったテレビ番組の制作でも知られている。同社は、20th Century Fox(20世紀フォックス)との優先交渉権契約を締結することを望んでいたものの、Disney(ディズニー)がFoxの長編映画部門を買収したためこれをなし得なかったが、今春、Netflix(ネットフリックス)との優先交渉権契約を締結した

こうした契約や業界での他の変化により、Chernin Entertainmentは映画、テレビ、その他のデジタルビデオ化が可能な新たなIP(知的財産)を求め、歩み出すこととなった。

一方、ポッドキャストの成長により、オーディオプログラミングは映画やテレビといった他のメディアへの置き換えが可能なオリジナルコンテンツの有望なソースとなっている。このポッドキャスト市場は、SpotifyがGimletThe Ringer(ザ・リンガー)といったポッドキャスト制作会社や、より多くの人がクリエイターになることを可能にするAnchor(アンカー)といったポッドキャスト作成ツールの買収を通し、多額の投資を行ってきた市場である。

「オーディオは、エンターテイメントビジネスにおいて最も急成長中のメディアです。Spotifyは今日、数千時間にもおよぶ250以上のオリジナルコンテンツを収めた、世界最大の手つかずのIPライブラリの1つを所有しています。そして、このライブラリには日々作品が追加され続けているのです」とChernin Entertainment会長兼CEOのPeter Chernin(ピーター・チャーニン)氏は語る。「このコンテンツの宝庫に加え、さらに新たなストーリーが加速度的に追加されており、これにより、魅力的なストーリーや知的財産をスクリーンコンテンツへと置き換える巨大な機会がもたらされます」

SpotifyがTechCrunchに語ったところによると、この契約には、いくつのポッドキャストを映像化するかについての明確な数の取り決めは含まれていないが、Spotifyではかなりの数になると見込んでいる。収益配分の詳細など、契約の具体的条件も公開されていないが、この契約では、Chernin Entertainmentが映像化を見送ったプログラムについては、Spotifyが他の制作会社と映像化を進めることを禁止する条件は含まれていない。またマーケティングやプロモーションへの取り組みについても具体的な取り決めはなされておらず、Spotifyによると、これらについては、プロジェクトごとに処理することになるという。

Spotifyの250にのぼるオリジナル番組を収めたライブラリ、そして数週間後、数カ月後に継続的にリリースされるコンテンツそのものが、依然としてこの契約の中心である。しかし、Spotifyによると、両社がそのグループの枠を超え、映像化に共に取り組むシナリオもあるとのことである。

その目的は、どういった種類のプログラムが映画やテレビ番組へうまく置き換えられるかを発見することである。Spotifyはこの点について、Spotifyの多彩なコンテンツ、データ分析能力、クリエイターからのアクセスが同社に有利に働くと考えていると語った。

Spotifyのオリジナルポッドキャストライブラリには現在、さまざまなジャンルの人気番組が収められおり、これがこの契約の一番の資産である。さらにSpotifyは、先に開発した分析専用ツールにより、その番組の視聴状況を確認するデータを活用することができるようになる。

例えば、Spotifyは現在Spotify for Podcasters(スポティファイ・フォー・ポッドキャスターズ)を通して、ポッドキャスターが自らの番組の視聴状況を確認したり、他の匿名化された視聴者データを追跡できるようにしている。今後、同社はこのデータを使用して、映像化が成功しそうなものを特定できるようになる。Spotifyは複数の制作会社を所有しているため、より大規模な映像化に適したビジョンを持つクリエイターを特定する作業を支援することも可能だ。

Spotifyのポッドキャストコンテンツが映画化またはテレビ番組化されるのはこれが初めてではない。同社は現在Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)向けの「ホームカミング」の映像化や、HBO Max(HBOマックス)向けの「The Two Princes」、Prime Video向けの「The Horror of Dolores Roach」といった今後のプロジェクトを含め、様々な制作段階のプロジェクトを12件抱えている。

SpotifyとChernin Entertainmentは、本日発表された契約を契機として進められることになる最初のプロジェクトについて何ら発表を行ってはいないが、通常の企画と制作のタイムラインを踏まえると、そうしたコンテンツがお目見えするのは、最も早くて2021年になるだろう。

「Spotifyでは、オーディオの驚異的な成長が世界で最も才能に溢れたクリエイターたちを今後も魅了し、ポッドキャストがオリジナルIPの最高の到達点になることを確信しています。当社が引き続きコンテンツに対する志を拡大させて行く中、チャーニン氏や彼の優秀なチームと手を組むこととになったことに期待を膨らませています。当社がこれらのストーリーをさまざまなメディアを通し世界中の視聴者に配信して行くにあたり、Chernin Entertainmentは完璧なパートナーと言えます。私たちは、ソース素材としてのポッドキャスト新時代の到来を共に告げようとしています」とSpotifyのコンテンツおよび広告事業責任者のDawn Ostroff(ドーン・オストロフ)氏は語った。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Spotify エンターテインメント ポッドキャスト

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(翻訳:Dragonfly)