Bullpen Capitalが遠隔地の過小評価を受けているスタートアップへの資金提供に向け1億3000万ドルを調達

次の記事

任天堂の新型RCマリオカートがすごく楽しそう

今年創立10周年を迎えるBullpen Capital(ブルペン・キャピタル)は、サンフランシスコに拠点を起く、ポストシード投資と呼ばれる投資に力を入れているベンチャーファンドである。共同創設者であるPaul Martino(ポール・マルティノ)氏によると、同社は既に500万ドル(約5億3000万円)を調達し、かつ「1000万ドル(約10億6000万円)の資金を調達する準備は整っていないものの、さらに500万ドル(5億3000万円)を得られれば大いに能力を発揮しそうな」スタートアップに資金提供を行っている。このBullpen Capitalがキャピタルコミットメントにおいて1億3000万ドル(約137億3000万円)に上る5回目の資金調達を完了した。

また同社には、新たなジェネラルパートナーとしてAnn Lai(アン・ライ)氏が加わった。ハーバード大学で工学博士号を取得した彼女は、かつてBinary Capital(バイナリ・キャピタル)(現在は閉業している)に在籍し、そこで創設者と地理的観点の両方から、より多様なスタートアップを取り込むことに関するテーゼを打ち立てたのだが、この考え方は、Bullpen Capitalが最も力を注いでいることでもある。

今週始めに行ったマルティノ氏とライ氏に対する電話取材の中で、彼らは、スタートアップのHemster(ヘムスター)を挙げながら、Bullpen Capitalとライ氏がそれぞれスタートアップにどういった考えを持っているか、またライ氏が約1年前にヘムスターの話をBullpen Capitalへ持ち込んだ直後に、同社が彼女を新たなGPとして迎え入れようと決めた理由を説明した。

ヘムスターは、たまたま「初めて起業する」「女性(Allison Lee)」が、「単独で」設立した。ベンチャーキャピタル業界では従来、これは三重に不利な条件とされている。

ヘムスターが行っていること(オンデマンドによる仕立てサービス)も、必ずしもベンチャー的観点から魅力のあるものには見えない。ライ氏のプレゼンテーションに対する彼の最初の反応は、「なぜ我々がこの会社に投資をしなければならないのか?」であったとマルティノ氏は認めた。

しかし、彼女には(最終的にはBullpen Capitalもライ氏の見方に同調したのだが)、ヘムスターがオフラインからオンラインショッピングへの継続的な移行をつかむための好位置につけている企業であるということがわかっていた。オンラインショッピングでは、あらゆる種類のテクノロジーを用いて、顧客により良いフィット感を保証するために体型を数値化しようとしてきた経緯がある。しかしヘムスターは、顧客と彼らの好むサイズデータを構築することを通し、デジタルリテールの世界で個人がどこででも使えるポータブルIDを開発できる可能性を持っていた。

同社はAlo Yoga(アロー ヨガ)やFarfetch(ファーフェッチ)と共に既にその技術を検証している。仮にすべてが順調にいけば、ヘムスターはゆくゆくは主要リテーラーのパートナーになるだろう。また「サイズ調整を行って気に入ったフィット感が見つかれば、リテーラーに関係なく、同じフィット感を再現できるのです」とライ氏は述べた。

Bullpen Capitalは、Eric Wiesen(エリック・ウィエセン)氏やDuncan Davidson(ダンカン・ダビッドソン)氏の2名のGPも運営に加わっているのだが、他の投資家により見過ごされているスタートアップの提案に耳を傾け、それを積極的に推進していくという立場をとっている。

今週初めに行われた会談の中で、マルティノ氏は、Nigel(ナイジェル・エクレス)氏とLesley Eccles(レスリー・エクレス)氏夫妻が共同で設立した、スコットランド、エディンバラに拠点を置くゲーム会社、FanDuel(ファンデュエル)を挙げた。「どのファンドもこの会社を過小評価していました」とマルティノ氏。「同社の地理的位置もチーム組成も好条件とは言えませんでした。私たちが共同で投資するファンドとして接触した企業のうち、何社が『カテゴリー的に、夫婦からなるチームへの投資は、100%ありえない』と言ったかしれません」。

ファンデュエルはFlutter Entertainment(フラッター・エンターテインメント)に改名し、評価額は最終的に10億ドル(約1055億円)に達し、その後アイランド、ダブリンに拠点を置くブックメーカーのPaddy Power Betfair(パディ・パワー・ベットフェア)にその半額で売却された。 ファンデュエルのエグジットはマルティノ氏の指摘を裏付けるものだが、この話の結末はハッピーエンドではなかったことを伝える必要がある。今年はじめ、ファンデュエルの創設者は、プライベートエクイティ投資会社のKKRおよびShamrock Capital(シャムロック・キャピタル)を相手取り、この売却後、彼らがファンデュエルの創設者、初期の従業員、および初期の資金提供者を、スポーツゲームサイトにおける権益から締め出したとして訴訟を起こした

Bullpen Capitalの型破りな姿勢を示す最近の投資としては、アイルランドに拠点を置くコスメティッククリニックチェーンで、現在米国へ進出中のSisu Cosmeticsへの投資が挙げられる。創立2周年を迎えようとしている同社は、Greycroft(グレイクロフト)およびBullpen CapitalがリードするシリーズA資金調達で、今週初め550万ドル(約5億8000万円)を調達したと発表した。

同社が提供する資金はすべて額面が似通っており、ざっと25のスタートアップを支援している。同社の資金提供は通常、400万ドルから600万ドル(約4億2000万円から6億3000万円)規模のラウンドに200万ドルから400万ドル(約2億1000万円から4億2000万円)が投資されるが、マルティノ氏は同社の新しい資金提供も同様だと見込んでいると語った。

ライ氏は、バイナリにおいては、女性求職者は顔写真を提出しなければならないなど、ハラスメントの社風があるとしてバイナリの共同創設者に対する訴訟を起こしていたが、この訴訟は今年始めに解決に至った。彼女は今回の資金提供では全体の4分の1の小切手を発行する立場となる。

やや有名なこの訴訟について、なにかコメントはあるかと尋ねたところ、彼女は、この訴訟は彼女の中では随分前に済んだことだと述べた。

関連記事:ベンチャーキャピタリストの「リーン」資金モデル
カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:資金調達 Bullpen Capital

[原文へ]

(翻訳:Dragonfly)