ノルウェーのチャレンジャーバンク「Lunar」がシリーズCで約50億円を調達、BNPL(信用販売)に進出へ

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ノルウェーのチャレンジャーバンクで、個人資産管理アプリ(PFM)としてスタートした後、2019年に一般銀行ライセンスを取得したLunarが、シリーズCラウンドで既存投資家から4000万ユーロ(約50億円)を調達した。

今回の資金注入は、2020年4月に発表された2000万ユーロ(約25億円)のシリーズBラウンドに続き、Lunarの有料Proサブスクリプション(欧州の複数のチャンジャーバンクがすでに実施している)や消費者ローン、8月に開始したビジネス向け口座などを支えるものだ。

ビジネス向け口座はすぐに成功したようで、当地には(英国と同様に)個人事業主にとって使い勝手のよい銀行口座に対する抑圧された需要があった証拠だろう。デンマークに進出してからわずか数カ月後、同国で新たに登録された個人事業主の50%以上が同サービスに口座を開設したとLunar Businessはいう。

私はLunarについて、ユーサーの平均カード利用金額が1100ユーロ(約13万6000円)と、EU平均の212ユーロ(約2万6000円)を大きく上回り、ユーザー愛着度が「業界最高」とされているとも聞いている。現在Lunarにはデンマーク、スウェーデン、ノルウェーを合わせて5000口座のビジネスユーザーと20万口座の個人ユーザーがいる。

一方、最も注目すべきなのは、同社初の消費者向け金融商品の提供を開始した後、Lunarは 「buy now, pay later(BNPL。「今すぐ購入支払いは後」。信用販売)」市場への参入を見据えていることだ。これは、会社価値106億5000万ドル(約1兆1167億円)のKlarnaや、つい最近上場した米国のAffirmの領域に進出することを意味している。BNPL分野にはPayPalという巨人もいる。

LunarのファウンダーでCEOのKen Villum Klausen(ケン・ヴィルム・クラウセン)氏は、ノルウェー銀行市場の「矛盾状態」が、同社がBNPLに進出する理由だという。「ここは世界で最も利益を上げやすい銀行環境ですが、最も防御がかたい市場でもあり、外部からの競合がほとんどありません」と同氏はいった。「つまり、個人事業主である銀行顧客はすべての金融商品を取引銀行から購入する、という意味です」。

これはLunarのBNPL商品が「post-purchase(ポストパーチェス、購買後)」商品として作られていて、Lunarはユーザーが何かを買った後に声をかける仕組み(Curveのプランドクレジット商品と似ている)であることと関連している。例えば新しいテレビを買おうとすると、アプリはユーザーに分割支払したいかどうか尋ねる。「ユーザーはこのために売り主と契約する必要がなく、実店舗でもeコマースでもあらゆる取引に利用できます」とクラウセン氏は説明する。

「私たちはKlarnaを直接の競合と考えていません、彼らはノルウェーの決済システムに所属していないからです」と同氏は付け加えた。「つまり、請求書の支払いや、給与の受け取り、日々の銀行取引などに利用することはできません。Klarnaはスウェーデンでは巨大ですが、デンマーク、ノルウェー、フィンランドでは比較的小規模なのです」。

Lunarはこれまでに合計1億400万ユーロ(約130億円)を、Seed Capital、Greyhound Capital、Socii Capital、Chr. Augustinus Fabrikkerらの投資家から調達している。同チャンジャーバンクはデンマークのオーフス、コペンハーゲン、スウェーデンのストックホルム、ノルウェーのオスロに拠点を持ち、180名以上の従業員がいる。2021年前半にはフィンランドでバンキングアプリを公開する計画だ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Lunar資金調達ノルウェー

画像クレジット:Lunar

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook