「ギグワーカーは個人事業主」の是非を問うカリフォルニア州住民投票で賛成多数

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カリフォルニア州の住民立法案「Proposition(プロポジション) 22」を支持してきたUber(ウーバー)、Lyft(リフト)、Instacart(インスタカート)、DoorDash(ドアダッシュ)は目的を達成しつつある。ギグワーカーは個人事業主という分類を継続させる住民立法案は承認される見通しとなった。AP通信が途中経過として開票率67%で賛成多数を報じた。

この記事公開時点で、投票者の58.2%(630万人超)がProp 22に賛成し、41.5%(約450万人)が反対した。

住民立法案は最低賃金の少なくとも120%の収入、業務中の1マイルあたり30セントの経費支払い、医療費、業務中の事故に対する労災保険、差別・セクハラからの保護、そして自動車事故および賠償責任保険を保証する見込みだ。そうした収入保証や経費支払いはドライバーが仕事に従事している間だけに適用され、乗車やデリバリーの合間は考慮されないことは記すに値するだろう。

Prop 22の提案者は、投票者の57%が賛成した米国時間11月3日夜時点で勝利を宣言した。UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は電子メールでこのニュースをドライバーに知らせた。

「今回の投票でドライバーや配達員は、望んでいたあるいは維持したいと考えていたフレキシビリティや独立性を失うことなく、福利厚生や保護へのアクセスといった多くの人が熱望していたものを手に入れます」とコスロシャヒ氏はメールに記している。「あなたたちのようなドライバーの多くが声を上げて意見を述べ、そうした声に州内の投票者が耳を傾けました。個人事業の未来は、より確固たるものになります」。

Uberは今後数週間以内に、労働災害保険やヘルスケア助成といった新たな保障をどのように申し込むか、ドライバーに詳細を知らせると述べた。一方、Prop 22反対者は敗北をしぶしぶ認めた。

「我々は今夜の結果に落胆しています。今回のキャンペーンの成功が嘘や恐怖の利用によるものだからです」とGig Workers Collectiveはブログへの投稿に書いている。「企業は投票を買収できるべきではありません。しかし我々はまだ目的に専念し、戦いを継続します」。

Gig Workers Risingもまた、戦いは終わっていないと述べた。

「この争いは、ギグワーカーが権利や福利厚生、あって然るべき威厳ある労働条件を手にするための戦いを継続する手法に他なりません」とGig Workers Risingは声明文で述べた。

Prop 22は主にUber、Lyft、DoorDash、Postmatesが支持していた。先週DoorDashは「Yes on 22(Prop 22に賛成)」キャンペーンに追加で375万ドル(約4億円)を注ぎ込んだ。11月2日には、Uberも追加で100万ドル(約1億円)を出した。そうした資金の注入もあってYes on 22が集めた総額は約2億500万ドル(約214億円)になる。これによりProp 22は1999年以来、カリフォルニア州で行われた住民投票で最も費用をかけたものとなった。

一方、主なProp 22反対者はService Employees International Union(サービス従業員国際労働組合)、United Food & Commercial Workers(全米食品卸業労働組合)、International Brotherhood of Teamsters(全米トラック運転手組合員労働組合)などだ。

「企業が自前の労働法を書くことを許す危険な前例となります」とギグワーカーでGig Workers Collectiveの組織メンバーであるVanessa Bain(ヴァネッサ・ベイン)氏はつい最近TechCrunchにこう語っていた。「この法案では労働者の不利益で企業が一方的に利益を得ることになります」。

Prop 22は、ギグワーカー州法AB-5に反対する動きだ。AB-5はUber、Lyft、DoorDashといったギグエコノミー企業が労働者を独立請負業者として扱うことを難しくするものだ。

AB-5は、雇用主にABCテストを適用することでギグエコノミー労働者が最低賃金、労災保障、その他の福利厚生を受けられるようにするのをサポートしている。ABCテストによると、雇用する企業が合法的に労働者を独立請負業者として分類するには、労働者が雇用側の管理や指示から自由で、対象となる企業の事業以外の業務を行い、定期的に独立が確立された業務あるいは同様の業務に従事していることを証明する必要がある。

目下、UberとLyftは、カリフォルニア州司法長官であるXavier Becerra(ザビエル・べセラ)氏、そしてロサンゼルス、サンディエゴ、サンフランシスコの法律顧問がAB-5をめぐって2020年5月に起こした訴訟で争っている。べセラ氏らは、UberとLyftが労働者を誤って独立請負業者として分類することで違法な競争上の優位を得ている、と主張した。その後6月に原告はUberとLyftにドライバー再分類を強制することを求めて裁判所に差し止め命令を要望した。

8月に裁判所は差し止め命令を出した。UberとLyftは控訴したが、控訴裁判所は先月下級裁判所の判断を認めた。だが、判決は裁判所が伝達を出した後、30日間延期されることになった。一方、UberとLyftはその前に控訴を検討していると話していた。

この件では、UberとLyftはドライバーを従業員として再分類することによって取り返しのつかない害を被ることになると主張してきた。2020年10月の判決で、裁判官は会社が「法を破ることを禁じられることで、重大または取り返しのつかない害を被ることにはならず」、各企業の経済的負担は「取り返しのつかない害のレベルにまではいかない」と述べている。

しかし現在、Prop 22が承認される見通しとなり、この訴訟は法的根拠が揺らいでいる。また、Uberは他の州でも同様の法案を追求すると述べていることも記すに値するだろう。

カリフォルニア州の州務長官は太平洋時間午後8時に州内58郡の投票結果を段階的に発表し始めた。しかし最終的な投票結果は11月4日夜あるいは11月5日にはわからないだろう。これは部分的にはカリフォルニアが11月3日までの消印の不在者投票を受け付けるためだ。一方、郡選管は12月1日までに最終結果を出すことになっている。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:ギグワーカーカリフォルニア

画像クレジット:Photo by JOSH EDELSON/AFP via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi