macOS Big Surレビュー、Appleは主要OS統一へ向けさらに一歩踏み出した

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Appleのデスクトップソフトウェアアップデート11.0は、未来のMacの基礎を築く

ついにその日が来た。永遠に待ちぼうけを食らわされるかと思わせた、macOSの最新バージョンBig Sur(ビッグ・サー)が、やっと到着したのだ。想像上の産物ではなかったのだ。確かにいまさら時間についてあれこれ言うのは無意味だが、WWDCでの発表から米国時間11月12日のリリースまで、実に5カ月近くの長い時間がかかった。

間違いなく、それにはたくさんの理由がある。なにより2020年は、できるだけ丁寧に扱うべき特別な年だった。またこれは、デスクトップオペレーティングシステムにとって、かなり大きな年次アップデートでもあった。そして、もちろんこれは、この14年間に行われた、Apple(アップル)のハードウェアに対する最大の変更である新しいArmベースのMacのために、公式に開発されたmacOSの最初のバージョンなのだ。

私は6月以降、開発者や少数の怖いもの知らずたちと肩を並べて、私の所有するマシンの1台でこのオペレーティングシステムのベータ版を利用してきた。私たちがヒーローだとはいわないが、そうではないともいわない。結局のところ、それは自分で口にすべきことではないだろう。

今回のアップデートでは、数多くのデザイン上のアップデートがもたらされているが、その多くが、macOSとiOSの間の境界線をぼかすという長年の流れに沿ったものだ。この先Apple Siliconが次世代のMacを牽引するにつれて、その流れはますます強まるだろう。少なくともその流れは、ずっと以前にアップルのソフトウェアデザインのポールポジションを取ったiOSの観点からは理に適ったものだ。iOSは、最終的にはデスクトップへ導入された多くの機能を、まず最初に実装してきた。

画像クレジット:Brian Heater

変更の多くは微妙なものだ。メニューバーの背がより高くより半透明になり、背景も変更され、システムの明暗モードが切り替わる際に変化する。FinderのDockが画面の下部から少し上に浮かぶようになり、メニューには少し余裕の場所が差し込まれた。ウィンドウにも多少の余裕が生まれ、メールやカレンダーなどの自社製アプリには新しいシンボルが散らばっている。

画像クレジット:Brian Heater

アイコンの形状は、よりiOS風のスクワーコー(squircle、スクエア+サークルからの造語で、角の丸まった正方形のこと)デザインに変化したし、全体に微妙な変更が加えられている、例えば「メール」のアイコンには、ほとんど見えないテキストでアップル本社の住所である「Apple Park, California 95014」が書き込まれている。他の多くの変更と同様に、ここでの要点は、Big Sur全体とアップルのエコシステム全体に一種のスタイルとしての一貫性を提供することだ。

画像クレジット:Brian Heater

しかし、Finderに対する最も直接的で明らかな変更は、コントロールセンターの追加だ。この機能は、iOS / iPadOsから直接借用されたもので、シンプルでクリーンで半透明な一時ウィンドウを画面の右上に表示する。個々のコントロールパネルは、メニューバーに直接ドラッグアンドドロップすることができる。Touch Barと一緒に導入されたコントロールセンター機能のようなものを思い出させるが、何よりも大きなボタンやスライダーは、画面に手を触れるようにと誘いかけてくる。こうなるとアップルが、Apple Siliconを内蔵した未来のタッチスクリーン式Macの基盤を築き始めている、という想像を振り払うことは本当に難しい。

画像クレジット:Brian Heater

嘘はいわないが、私は「通知センター」をきちんと使ったことはない。アップルがいくつか前のアップデートから、通知センターをデスクトップに持ち込もうと考えた理由は理解できるが、とにかくモバイルのようには一元化されていなかった。それは私の普段のワークフローにもフィットしなかった。アップルはこの機能を調整し続けていて、今回はかなり大がかりな改修となった。残りの多くのアップデート同様に、それはアップルeがスペースをどのように使用するかにかかっている。

今回のアップデートで(専用のボタンではなく)メニューバーの日付と時刻をクリックすることで通知センターにアクセスできるようになった。ここで最も魅力的な2つの変更は、通知とウィジェットがグループ化されたことだ。ここでもiOSからの借用が行われていて、通知がグループごとに積み重ねられるようになった。積み重ねられた通知をタップすると、下に向かって展開される。左肩に表示された「×(バツ)」をクリックして通知を消すこともできる 。……だがやはり、もしスワイプして消すことができれば、もっと満足できるだろう。また、通知項目と対話する機能も注目できる。通知の中から、直接メッセージに返信したり、ポッドキャストを聴くことができる。ワークフローの一部としてそうした機能をすでに使用している人にとっては、これは素晴らしい機能追加だ。

画像クレジット:Brian Heater

システムはまた、新しいウィジェットを通知と同じ列に追加して、最新バージョンのiOSのやり方に寄せている。現在、このウィジェットには、カレンダー、天気、ポッドキャストなどのApple製アプリと、App Storeを介して利用可能な追加のウィジェットが含まれる。ウィジェットの追加と削除、およびサイズ変更を行うことができる。十分な余地のある画面では、他のアプリケーションで作業している間、開いたまま固定するために、それらを最上位にピン留めしておくことができれば便利だろう。

サウンドも、全体的にアップデートされている。新しく録音された起動チャイムと同様に、変更はほとんど微妙なものだ。より顕著な変化は、ファイルの移動を行うときなどに感じることができる。すてきなハミングサウンドだ、これはこれまでの、冷たいバネのような音よりも快適だ。以下の動画には、私にはまとめる時間がなかったサウンドのすてきな一覧がまとめられている。

アップル製アプリには、いくつかの重要なアップデートが加えられている。Safari(サファリ)のアップデートはその中でも、ウェルカムページをはじめとして、最大のものだ。バックグラウンド画像は、自分のライブラリにあるものや、アップルが事前に選択した写真を使って設定することができる。もう少しダイナミックなものがあると良いのだが。例えば、事前に手作業で選んでおいた画像やAIを使ってライブラリから選んだ最高の画像を順番に切り替えてくれるとか。まあとはいえ今回の実装は良くできているし、タブをオープンしたときに馴染みのあるものが目に入るのは好ましい(私の場合、私のアパートに家賃も払わずに住んでいるウサギの画像だ)。

画像クレジット:Brian Heater

さらに、ホームページのカスタマイズとして、お気に入り、頻繁に訪問するサイト、リーディングリスト、さらにはSafari がブロックしたトラッカーの数などがわかるプライバシーレポートなどを表示することができる。プライバシーレポートをクリックすることで、ブロックされた特定のトラッカーの詳細プロファイルや、トラッキングを行っているサイトが表示される。どうやら私のコンピュータからSafariを使って訪れたサイトの80%はトラッカーを使っているようだ、うげっ。

Safariに組み込まれた翻訳機能は、Chrome(クローム)に対抗するための素晴らしい一歩だ。翻訳サービスの分野ではGoogle(グーグル)が長年のリーダーを務めてきていた。アップルのブラウザであるSafariは、モバイルでは大きな市場シェアを持っている(iOSのデフォルトのブラウザであることが大きな理由だ)が、デスクトップ市場の調査では、シェアは8〜10%のどこかに落ち着くことが多い。とはいえ、現在、翻訳機能はベータ版であり、翻訳されるのは英語、スペイン語、簡体字中国語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、ブラジルポルトガル語などに限られている。もちろんアップルがそのリストを更新し続けることは間違いない。

画像クレジット:Brian Heater

私が高く評価したいのは、タブの上にマウスを置くと表示される、ウェブサイトのプレビューだ。これは、タブを使いすぎる傾向のある私たちにとって、素晴らしい追加機能だ。いまでは多くの、いやほとんどの人がそうした傾向を持っているのではないかと思う。またアップルは、タブにサイトのファビコンも追加した。これもまた、サイトをすばやく識別する役に立つはずだ。

画像クレジット:Brian Heater

内部の改良も同時に行われ、サイトのレンダリングが速くなり、電力利用効率も向上した。アップルは、Safariを使えば、FirefoxやChromeと比べて、ストリーミングビデオの再生時に、バッテリー寿命を最大3時間程度伸ばせるはずだという。これはとても大きな違いだと思うし、間違いなくアップル製ソフトウェアを使用する利点はあるだろう。たとえ同社がいまでもデスクトップ市場のシェアを広げるための、急坂を登っている最中であるとしても。「マップ」は、アップルがグーグルを相手にかなり厳しい競争を強いられているものだ。最新データでは、Googleマップは67%前後の市場シェアを握っている。アップルからの提供は、明らかに遅いスタートだったが、同社はグーグルに追いつくためにかなり必死の努力を重ねており、そして現在ではいくつかの点ではグーグルを上回るようになった。

画像クレジット:Brian Heater

もちろん、そうしたアップデートの多くは、パンデミックが起こっていないときならもっとチェックしやすいものだ。まあしばらくの間は、360度ルックアラウンド機能(アップル謹製のGoogleストリートビュー対抗機能)のようなもので、代わりに楽しむのが良いだろう。機能は比較的限られているものの、屋内マップも使える。空港や屋内ショッピングモールなどの一部のスポットで、その機能をチェックすることができる。その他の主な追加には、充電ステージ経由の移動を計画できる電気自動車ルート案内、サイクリングルート案内、主要都市の渋滞地域に関するマップなどがある。

画像クレジット:Brian Heater

「メッセージ」へのアップデートのいくつかは、ここで言及する必要があるだろう。その多くは、iOSの最新バージョンでも導入されたものだ(OS間で同等性が実現されることは稀だったが、おそらく今後はより一般的になるだろう)。今回の場合、なぜアップルがこうしたものを一度にロールアウトしたかったのかは明らかだ。

このアップデートにより、デスクトップ全体でのメッセージの堅牢性が向上した。追加された機能には、ミー文字エディタやスタンプ、紙吹雪やレーザーなどのメッセージ効果、改善された写真選択機能などがある。会話はアプリの上に固定でき、グループチャットは改善されて、グループ写真、特定のメッセージへのインライン返信、@マークでユーザーに通知する機能などが含まれるようになった。それはSlackの代替ではないし、そうなろうともしていない。

ベータが数カ月続いて、Big Surはついにみんなの手に届いた。アプリやシステムへの重要なアップグレードが目立つが、アップルの視点から見てさらに重要な点は、Armを搭載したMacの最初の基礎を築き、同社の主要な2つのオペレーティングシステム間の統一に向けてその行進を続けているということだ。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:ApplemacOSレビュー

画像クレジット:Brian Heater

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(翻訳:sako)