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KDDIグループがブロックチェーン活用のP2P電力取引の事業成立要因を検証開始

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暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2020年11月29日~12月5日の情報から。

KDDIグループのエナリスauフィナンシャルホールディングスauペイメントディーカレットの4社は12月4日、次世代電力システムにおけるP2P電力取引プラットフォームの社会実装を目指し、P2P取引事業が成立する要因を検証する共同実証事業を開始した

同実証実験は、東京都が実施する「令和2年度 次世代電力システムにおけるP2P電力取引プラットフォーム構築実証事業」に採択されたエナリスとマルイファシリティーズ、戸田建設の共同プロジェクトの一環として行う。「スマート東京」の実現に貢献していくという。

今回の実証では、エナリスの「ブロックチェーン上で電力取引を管理するプラットフォーム」でトラッキングした電力取引結果を基に、ディーカレットの「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を利用し環境価値トークンの発行・管理を行う。これにより、P2P電力取引スキームにおける将来的なトークン活用実用化に向けた課題を洗い出していく。実施期間は、2020年11月20日~2021年2月末。

実施内容

  • エナリスが卒FITプロシューマー(生産消費者)から環境価値が含まれた電力を調達し、真に再エネ価値を求めるRE100企業へ電力とともに環境価値を供給。卒FITとは、FIT(固定価格買取制度)による電力の買取期間が満了した太陽光発電のこと。プロシューマーは、「プロデューサー」(producer。生産者)と「コンシューマー」(consumer。消費者)を組み合わせた造語
  • auフィナンシャルホールディングスの子会社かつ資金移動業登録業者であるauペイメントが、実証事業用の環境価値トークンを発行し、発行されたトークンをエナリスがRE100企業に配布
  • RE100企業は、卒FITプロシューマーから譲渡された再生可能エネルギーの環境価値に対する謝礼として、環境価値トークンを譲渡
  • 実証事業終了後、卒FITプロシューマーは提供した環境価値の謝礼として受け取るauペイメント発行のau PAY残高を決済に利用できる
  • ディーカレットは自社で構築した「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を活用し、環境価値トークンの発行、流通、償却を行う

検証内容

  • 環境価値に対するトークンでの謝礼譲渡:「卒FIT電力に含まれる環境価値」および「太陽光発電自家消費分の環境価値」への謝礼支払手段としてのトークン活用の課題を洗い出す
  • 現行制度に基づいたP2P電力取引の検証:エナリスの持つ小売電気事業に関する豊富なノウハウを活かして現行の電気事業法に準拠した形態でP2P取引を行い、業務上・制度上の課題を検証
  • 非FIT電源とRE100企業需要家が実際に取引に参加する実証:手軽に集められるFIT電源を利用せず、非FIT電源(卒FITプロシューマー)から環境価値が付与された電力を調達し、真に再エネ価値を求めるRE100企業へ供給するスキームの検証

エナリスは、2017年から新しいエネルギーシステムの構築を目指し、ブロックチェーンを使った実証事業に取り組んでいる。2019年にはセキュアかつオープンに電力取引を行うブロックチェーンプラットフォームを開発し、電力のトラッキングを可能にした。さらにエリナスは、同プラットフォームと分散電源エネルギーマネジメントシステム(DERMS)を統合し、分散電源の制御と余剰電力の取引ができる仕組みの構築に取り組んできた。

国内においては、これまでもP2P電力取引に関する実証事業が実施されてきたが、「小売電気事業者」が想定されていないため、現行制度においては実現は難しいとされていた。エナリスの実証実験では、P2P電力取引による小売電気事業者側のメリットを検証し、現在の電気事業法下で実現可能な電力と環境価値のP2P取引システムを構築していくという。

「令和2年度 次世代電力システムにおけるP2P電力取引プラットフォーム構築実証事業」に採択された実証事業では、「RE100」に加盟する丸井グループの小売電気事業者マルイファシリティーズと、同じくRE100に加盟する戸田建設と共同で実施。電源トラッキングやP2P取引の契約・記録などを行うP2P電力取引プラットフォームには、実際にエナリスのブロックチェーンプラットフォームを活用している。RE100は、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる国際イニシアチブを指す。

エナリスは同取り組みにて、国によって制定された再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)の買取期間が2019年に終了したことにより発生した太陽光発電による大量の余剰電力、いわゆる卒FITプロシューマーから環境価値が含まれた電力を調達し、真に再エネ価値を求めるRE100企業へ電力とともに環境価値を供給する。

一方のKDDI、auフィナンシャルグループは、スマホ・セントリック(中心)な決済・金融体験を提供する「スマートマネー構想」の実現に向けて、ディーカレットに出資するなどフィンテックを活用する研究を推進。今回は「デジタル通貨ビジネスの推進および新たな顧客体験価値の創出」に関する取り組みの一環として実証事業に取り組む。

同実証実験においてauフィナンシャルホールディングスの子会社かつ資金移動業登録業者であるauペイメントは、実証事業用の環境価値トークンを発行し、それをエナリスがRE100企業に配布する。RE100企業は、卒FITプロシューマーから譲渡された再生可能エネルギーの環境価値に対する謝礼として環境価値トークンを譲渡していく。

実証事業終了後、卒FITプロシューマーは環境価値の謝礼をとして受け取るauペイメント発行のau PAY残高を決済利用できる。

これらの環境価値トークンの発行・流通・償却については、ディーカレットが自社構築する「ブロックチェーン上でデジタル通貨を発行・管理するプラットフォーム」を使用する。

今回検証する内容は、環境価値に対するトークンでの謝礼譲渡において「卒FIT電力に含まれる環境価値」および「太陽光発電自家消費分の環境価値」への謝礼支払手段における課題を洗い出すこと。また、現行制度に基づいたP2P電力取引の検証として、現行の電気事業法に準拠した形態でP2P取引を行い、業務上・制度上の課題について検証するとともに、加えてRE100企業が実際に卒FITプロシューマーから環境価値が付与された電力を調達する電力供給スキームを検証していく。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:auフィナンシャルホールディングスau PAYauペイメントエナリス再生可能エネルギー(用語)ディーカレット