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収穫した農産物の保管・販売サービスと資金を農家に提供するインド拠点のAryaが約21.8億円調達

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インドの農家が生産した農産物のうち、大規模な市場に届くのは約3分の1に過ぎない。それらの農産物を生産している人々は、ポストハーベスト(収穫後)サービスを活用することができるが、それ以外のすべての農家はその恩恵を受けられていない。

このポストハーベストサービスの欠落を埋めるため、農家、食品加工業者、取引業者、金融機関など、すべての利害関係者と協力して活動を続けているインドのノイダを拠点とするスタートアップが、新たな資金を確保した。

創業7年のAryaは米国時間12月15日、シリーズBの資金調達ラウンドで2100万ドル(約21億8000万円)を調達したと発表した。このラウンドは、新興市場のフィンテックに特化したベンチャー企業であるQuona Capital(クオナ・キャピタル)が主導し、従来から投資しているLGT Lightstone AspadaとOmnivoreも参加。一方、Aryaによれば、複数の名前が明かされていない貸金業者もこのスタートアップに追加のデットファイナンス(負債による資金調達)を提供しているという。

現在インドでは、ほぼすべてのポストハーベストの措置が、インド北部ラジャスタン州のコタや首都ニューデリーのアザドプル・マンディなどの主要な農業センターを中心に行われていると、Aryaの共同設立者であり最高経営責任者のPrasanna Rao(プラサナ・ラオ)氏は、TechCrunchによるインタビューで説明した。

この不均等な集中は、国内の何百万もの農家から、農産物を効率的に保管・販売するための合理的な選択肢や、キャッシュフローを維持するための資金調達の選択肢を奪っている、と同氏は述べている。

「私たちの信念は、現在十分なサービスを受けられていない市場の3分の2に対応すべきだということです。たとえばコーターのマンディ(市場)には、半径1km圏内に35の銀行支店があります。しかし、コーターから70~80km離れた場所に行くと、これが本当に減少します」と、以前は銀行で働いていたラオ氏はいう。

Aryaは前述の課題をすべて解決する。インドの20の州で1500以上の倉庫のネットワークを運営しており、そこでは総額10億ドル(約1040億円)以上の産物が保管されている。このネットワークにより、農家は自分たちの農場に近い場所に農産物を保管することができ、農産物の損失や大規模市場のような莫大な不動産コストを回避できる。融資面においては、Aryaは農家に3650万ドル(約38億円)以上の資金を提供しており、その協力銀行は9500万ドル(約99億円)以上を提供している。

「Aryaは、インドの農家という広大で十分なサービスを受けていない市場に対処しています。その半数は、これまでポストハーベストのための資金をほとんど得ることができませんでした」と、クオナ・キャピタルの共同設立者であるGanesh Rengaswamy(ガネーシュ・レンガスワミー)氏は声明の中で述べている。「小規模農家に金融を組み込んだフルサービスのデジタルプラットフォームと差別化された効率性を提供するAryaのユニークなアプローチは、インドの農業の未来を牽引するものと我々は確信しています」。

2020年初めにニューデリーが世界で最も厳しいロックダウンを実施(未訳記事)した際には、このスタートアップの提供するものが、新型コロナウイルス感染拡大の中、さらに有用であることが証明された。ロックダウンはサプライチェーンネットワークを破壊し、農産物の価格は20%以上も下落した。

この状況に対処するため、Aryaは独自のデジタルマーケットプレイス「a2zgodaam.com」を通じて、農家の青果物組織(FPO)とバイヤーを結びつけた。「即時流動性の必要から、これらの倉庫収入に対する借入れ需要が増加した。Aryaの信用ポートフォリオは前年比3倍に跳ね上がった」と、インドのAccelの共同創業者であるPrashanth Prakash(プラシャーント・プラカシュ)氏とOmnivoreの共同経営者であるMark Kahn(マーク・カーン)氏は先週の業界レポートで述べている(Seed To Scale記事)。

ラオ氏によると、Aryaはインド全土に倉庫ネットワークを拡大していくとともに、新たな資本を投入してそのフィンテックプラットフォームを「大々的に」拡大していく予定だという。さらにこのスタートアップは、未組織の倉庫を集約するa2zgodaam.comを活用し、金融機関や保険会社を独自に組み合わせ、農家が必要に応じて直接これらの倉庫を介して販売できるようにすることで、その成長を促進させる計画だ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Aryaインド農業資金調達

画像クレジット:Sanjit Das / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)