AI利用の動画ベース求人プラットフォームmyInterviewがシード資金5.2億円調達に成功

次の記事

2021年こそ5Gがスマホ販売を救う年になる

履歴書の処理は求職者にとっても、採用企業にとっても面倒な仕事だ。特に現在の採用環境では困難が大きい。ソーシャルメディアにはすでに動画は無数にあるが、求人分野でまだほとんど使われていない。しかし動画なら、テキストベースでは十分に表現できない応募者の個性がはっきりわかる。オーストラリアのシドニーを拠点とするmyInterviewは、動画をリクルートビジネスの必須な部分に変えたいと考えており、ユーザーが質問に回答していくだけでいわばバーチャル面接ができるようなプラットフォームを開発した。採用担当者はオプションとしてmyInterview Intelligenceも利用できる。これは機械学習ベースのツールで多数の応募者から最終候補リストを自動的に作成する。

myInterviewはイスラエルとオーストラリアにオフィスを置くスタートアップで、イスラエルのアーリーステージベンチャーキャピタルであるAlephがリードしたシードラウンドで500万ドル(約5億2000万円)を調達した。今回のラウンドには既存投資家のEntrée Capital、SeedIL Venturesも参加した。myInterviewはこの2社とLinkedInの東南アジア、オーストラリア、ニュージーランド事業の元トップだったCliff Rosenberg(クリフ・ローゼンバーグ)氏から160万ドル(約1億7000万円)のプレシード資金を調達している。

myInterviewはすでに米国と英国を中心にオンラインスーパーマーケットのOcado、小売業のB&M、P&OFerriesなどを含め2000社以上で利用されている。またFacebook(フェイスブック)のCareer Connectionsとも連携し、英国最大の求人検索サイトであるreed.co.ukと戦略的パートナーシップを結んでいいる。これまでに200万人以上の求職者がmyInterviewを使用しているが、同社の目標は数千万人規模だという。

今回の資金はプロダクト、セールス、開発チームの拡大するために利用されるという。

Guy Abelsohn(ガイ・アベルソン)氏とBen Gillman(ベン・ギルマン)氏は就職活動をしている際に、履歴書を目立たせることが非常に難しいことに気づいた。これがきったけとなって両氏は2016年にMyInterviewを創立した。当初、myInterviewは、企業の既存の採用システムに統合できる各種ツールを提供していたが、2019年初めに独自の動画履歴書プラットフォームを立ち上げた。これは新型コロナウイルスによってパンデミックが発生するかなり前のことだった。ギルマン氏はTechCrunchの取材に対してこう述べている。

すでに2019年から2020年の初めにかけてすでに好調にユーザーを集めていたので、我々成功は新型コロナが主たる原因ではないと考えます。しかし採用側企業にはパンデミックは大きな影響がありました。我々のユーザー企業には新しいテクノロジーを利用して採用プロセスの効率化を図る必要が生じました。myInterviewは、多数の応募者に対してソーシャルディスタンスを保ちながら効果的、効率的な面接を行うために動画を全面的に取り入れました。

ギルマン氏によればmyInterviewの動画プラットフォームはどんな職種の採用にも適しているというが、数百人から数千人も応募者が殺到する初級職の募集で利用されることが多い。

myInterviewを使用するために、企業はプラットフォーム上にポータルを設定する。ここには求職者に動画で回答を求める質問のリストと応募にあたっての諸注意を記述する。求職者は、動画履歴書の送信する前に、応答を再生し、気に入らなければ再度撮影することができる。送信されるたファイルには採用担当者が各種の基準でソート可能なタグが自動的付与される。

採用プロセスに動画の統合を試みているスタートアップで最近資金を調達した会社にはVCV.AIJobUFOWilloがある。

myInterviewがライバルと競争する上での武器の1つはmyInterview Intelligenceだ。採用担当者はmyInterview Intelligenceを使用してキーワードとフレーズで検索ができる。また応募者の応答動画の音声から口調の分析も可能だ。

スクリーンショット:myInterview Intelligence

MyInterviewのAIツールは、パーソナリティの研究で広く利用されている「ビッグ5」というフレームワークに基づいている。「ビッグ5」ないし「性格の五因子モデル」は採用プロセスで長年使われてきた。myInterviewは検査様式に回答を記入させる代わりに、動画を解析したスクリプトに基づいてプロセスを自動化する。

myInterviewによれば、職場文化との適合性に重点を置いた機械学習により最終候補者リストを自動的に作成することで、採用担当者は時間的余裕を得ることができ、従来の方法では見落とされがちだった適格者を発見するのに役立つという。ギルマン氏によると、同社のプラットフォームは、行動心理学者と協力し、多様な動画データセットを使用してアルゴリズムをトレーニングすることで採用プロセスに混入しがちなバイアスを最小化させようとしている (AIを使用して採用における各種のバイアスを克服する試みとしては、最近資金調達に成功させたRippleMatchなどがある)。

あらゆる関係についていえるが、特定の企業文化に適合する性格がどんなものであるか明確に定義するのは難しい場合が多い。myInterviewのデベロッパーにはプログラマーだけでなく行動心理学者、機械学習エンジニアが含まれており、優れたチームを構成する要素がなんであるか解読しようとしているという。ギルマン氏はこう説明する。

複雑な階層構造を持つ大企業に向いた求職者もいれば、家族的な自由な空気の小規模な企業でうまくいく求職者もいます。これらははっきりした結果をもたらす要素です。我々は求職者と雇用企業の双方にメリットのあるプラットフォームの実現を目指しています。

関連記事
コロナ禍で落ち込むテック業界求人マーケットの現状と今後の行方
AIが就職面接で表情を読み取るロボット採用がやってくる
ビデオによる採用面接サービスのWilloが需要増を受け3400万円調達

カテゴリー:HRテック
タグ:myInterview人材採用機械学習

画像クレジット:FreshSplash / Getty Images

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook