子供向けのインタラクティブで教育的なビデオライブラリのTappityが1.4億円を調達

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現代の子どもたちが、興味を持っている新しいトピックについて学びたいと思ったときに目を向けるのは、YouTube(ユーチューブ)であることが多い。しかし、子供たちが出会うYouTube上の個別教育コンテンツの品質には、当たり外れがある。130万ドル(約1億4000万円)のシードファンディングを受けた、デジタル教育スタートアップのTappity(タピティ)は、そこに代替手段を提供することを目指している。そのビデオライブラリは、子供が楽しめるインタラクティブなアニメーションビデオを提供していて、コンテンツ自体も最新の教育基準に沿うものになっていいる。

創業2年の同スタートアップを共同で起業したのは、CEOのChad Swenson(チャド・スウェンソン)氏、兄弟でCTOのTanner Swenson(タナー・スウェンソン)氏、そしてCPOのLawrence Tran(ローレンス・トラン)氏の3人だ。

Tappity創業者たち(画像クレジット:Tappity)

(チャド・)スウェンソン氏によれば、Tappityのアイデアはインタラクティブな学習体験をデザインすることへの自身の関心から生まれたという。この関心は8年前に、高校生が進化について学習するためのインタラクティブコンテンツの制作につながった。それからの数年間、彼はこの領域でさまざまなコンセプトの実験を始めたものの、ベンチャー規模のものを計画したことはなかった。

しかし、やがてスウェンソン氏は、次世代科学スタンダード(NGSS)に基づいてコンテンツを開発する可能性に気づいたという。NGSSは、米国の複数の州が参加するコンソーシアムによって開発されたK-12(高校生まで)の科学コンテンツ基準で、現在全米での採用が拡大している。

「多くの親がYouTubeに代わるより健全な選択肢を探していました」とスウェンソン氏はいう。「私はそれが、もっと大きなものになると信じるようになったのです」。

また、子供たちが一般的に興味を持つ科学トピックは宇宙、恐竜、地質学といった、NGSSが教えようとしていることに沿ったものであることが多いことにも気がついた。

「Amazon(アマゾン)の上で子供たちに最も人気の高い本を見ただけで、おおきな気づきを得ることができました」とスウェンソン氏は付け加える。こうした書籍の大部分がSTEM(科学、技術、工学、数学)関連の題材に焦点を当てたものなのだという。

スウェンソン氏はフィンテックのスタートアップBill.com(ビル・コム)のコンサルティングをしていた時に、共同創業者となるローレンス・トラン氏と出会い、彼と弟のタナー・スウェンソン氏を説得してスタートアップの取り組みを始めた。

数年の間にTappityは、インタラクティブで教育的なビデオコンテンツを簡単かつ効率的に制作するためのツールを開発してきた。現在では、数千本のビデオで構成される、4歳から10歳までの子供向けの200以上の科学レッスンを用意している。

ビデオクリップ自体は事前に録画されたものだが、子供たちには画面上のキャラクターと1対1の対話をしているような感覚を与えることができる。たとえばアプリの中の先生が何かを作っていてドライバーが必要となったときに、子供たちは先生の求めに従って、アプリ内でそれを手渡すことができる。だが同時に、子供たちにはそれ以外の楽しいオプションも与えられている。たとえばドライバーではなくテープを渡したり、ピザを投げつけたり。そうしたことに対して、先生は反応してくれる。アプリの中の先生は、たとえばアプリ上で描いたものに反応するなど、他のやり方でも子供たちと関わることができる。

画像クレジット:Tappity

現在、Tappityの先生を務める「ヘイリー・ザ・サイエンス・ギャル」ことHaley McHugh(ヘイリー・マッキュー)氏は、10年以上の経験を持つ子供向けエンターテイメントの専門家で、宇宙、生命科学、地球科学、物理科学などのトピックにまたがるレッスンを指導している。

ビデオレッスンに加えて、子供たちはアクティビティの完了を促すアプリ内ポイントシステムに参加している。また、アプリは保護者向けのフォローアップメールも提供していて、親たちは子供たちが何を学んでいるのかを追跡して、さらに子供たちの興味をかきたてることができる。

新型コロナウイルスの大流行と、バーチャルスクーリングによる視聴疲れを考慮して、Tappityはいくつかのレッスンにオフライン活動を取り入れるようにした。たとえば紙とペンを使ったお絵かきなどだ。また日曜日には、Tappityは親子で一緒にできるより多くのアクティビティを提供する。たとえばクッキーを焼いて、古代の大陸や火山を作ったりといった活動だ。

Tappityでは2021年末までに1000時間以上、再来年末までには4000時間以上の動画コンテンツを作り出せると見込んでいると、スウェンソン氏はいう。

3人のチームがスタートアップアクセラレーターのY Combinator(Yコンビネーター)に応募したとき、月平均9ドル(約930円)程度のアプリ内サブスクリプションのおかげでTappityはわずかながらでも利益を出していた。現在同社は、5000人以上の有料顧客と2万人以上のウィークリーアクティブユーザーを抱えており、これまでに修了されたレッスンの数はのべ3000万回におよぶ。

今回同社はY Combinator、Mystery Science(ミステリー・サイエンス)創業者のKeith Schacht(キース・シャハト)氏、Toca Boca(トカ・ボカ)創業者のBjörn Jeffery(ビョルン・ジェフェリー)氏、Brighter Capital(ブライター・キャピタル)のYun-Fang Juan(ユンファン・ジュアン)氏、元Spotify CTOのAndreas Ehn(アンドレアス・アーン)らから130万ドル(約1億4000万円)のシード資金を調達した。

近い将来、Tappityはチームを拡大し、現在iOSでしか利用できないそのレッスンを、ウェブで利用可能にする予定だ。長期的な同社の目標は、インタラクティブな教育コンテンツの大規模なライブラリを作成することだ。

新型コロナウィルス感染症の大流行により、VCはより多くのエデュテックスタートアップに投資するようになった(未訳記事)が、ポストコロナの世界におけるそうしたビジネスの継続性はまだ未知数だ。Tappityが、多くの遠隔学習システムや学校向けにデザインされたスタートアップと異なる点は、同社が学校システムへの販売に焦点を当てていない点だ。

「先生たちは、それを自主的に採用してきました。私たちは現在、それを学校に無料で提供しています」とスウェンソン氏は説明する。「でも、私たちが重視するのは親御さんとお子さんのニーズですので、学校向けには特別なリソースを割いてはいません。ニーズがかなり違いますので」と彼はいう。

TappityのアプリはiOSで利用可能で、サブスクリプションなしでも使える無料コンテンツもいくつか含まれている。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Tappity資金調達

画像クレジット:Tappity

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(翻訳:sako)