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創業2年アップルとグーグルで活躍したチップ開発者のNUVIAをQualcommが約1460億円で買収

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素晴らしいことはといえば?2年でユニコーンになることだ。もっと良いことは?2年以内にユニコーンステータスのままイグジットすることだ。

Qualcomm(クアルコム)は米国1月13日、高性能コンピューティングのスタートアップNUVIA(ヌビア)を、運転資金と負債の一部を除いて14億ドル(約1460億円)で買収すると発表した。

TechCrunchは、NUVIAが2019年後半の創業時にシリーズAで5300万ドル(約55億円)を調達し、また数カ月前にMithril(ミスリル)からシリーズBで2億4000万ドル(約250億円)を調達した際に詳細に紹介した。同社はApple(アップル)の多くのスターチップエンジニアのアイデアで生まれた。エンジニアらはコンピューティングの巨人のAシリーズのチップに取り組んだ。そのチップがAppleのiPhoneとiPadを強力にした。

Appleの新しいMシリーズチップはその目がくらむようなエネルギー効率とパフォーマンスの点でほぼ革新的と言えるような組み合わせだ。NUVIAの創業者は、高性能を実現し、それをデータセンターにも反映しつつ、パワーエンベロープを管理した経験を活用したいと考えていた。データセンターが機能するために必要な電力の規模が非常に大きく、クラウドでのAIアプリケーションの需要に応じて必要な電力も増加していることから、NUVIAがそのケーキを手に入れて食べることができる、つまり、クラウドコンピューティングの電力とコストを削減しながら高い性能を実現できるとと期待されていた。

Qualcommのプレスリリースによると、NUVIAのテクノロジーはQualcommのチップのラインナップに組み込まれる予定だ。5Gに焦点を合わせたSnapdragonチップを中心にQualcommが統合を主導する。NUVIAの創業者と従業員はQualcommに合流する模様だ。取引は米国の規制当局の承認を得る必要がある。

NUVIAは次世代シリコンスタートアップの新星の中で最も魅力的な企業の1つだったが、創業者の1人と有名な元AppleエンジニアのGerald Williams III(ジェラルド・ウィリアムズ3世)氏、そして同氏の元雇用主との間の法廷闘争に巻き込まれた。Appleは2019年、ウィリアムズ氏に対し民事訴訟を起こし(カリフォルニア州サンタクララ上級裁判所、19-cv-352866)、Appleとの契約上の義務に違反して以前の同僚をNUVIAへ勧誘しようとしたと主張した。ウィリアムズ氏は自身の動議で反撃し、それ以来両者は証拠開示の手続き中だ。2020年12月に最新の動きがあり、訴訟が進む中、Appleとウィリアムズ氏は特定の文書を互いに引き渡すよう要求した。

その訴訟のタイミングがNUVIAの迅速なイグジットにどう影響したか、またQualcommとサプライヤーとしてのAppleとの非常に深い関係がより迅速な和解に寄与するのかどうかは不明だ。TechCrunchはNUVIAの広報担当者にコメントを求めている。

訴訟はNUVIAにかかる暗雲だったが、最終的な結果としては、約2年間でベンチャーキャピタルから3億ドル(約310億円)をわずかに下回る金額を調達した、14億ドル(約1460億円)の価値を持つユニコーンのイグジットとなった。Mithrilにとっては短期間での方向転換になるため、おそらくそれほど興奮しているわけではないと思われるが、Capricorn Investment Group、Dell Technologies Capital(DTC)、Mayfield、WRVI Capitalなどの初期からの投資家の投下資本からのリターンはもっと良いはずだ。そしてもちろん、創業者のリターンはさらに良いものに違いない。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:NUVIAQualcommApple買収

画像クレジット:Artystarty / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi