インド政府がWhatsAppに「深刻な懸念」を表明、新たなプライバシーポリシーの撤回を求める

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インドはWhatsApp(ワッツアップ)に対し、プライバシーポリシーの変更を撤回するよう求めており、この南アジアの国をユーザー数で最大の市場とするFacebook(フェイスブック)傘下のサービスにとって、新たな頭痛の種となっている。

WhatsApp責任者のWill Cathcart(ウィル・カスカート)氏に送った電子メールで、インドの通信IT省は、このアプリに近々適用されるデータ共有ポリシーの更新が「インド国民の選択と自律性への影響に関する重大な懸念を提起する【略】従って、提出された変更を撤回するように求めます」と述べた。

同省はさらに、Facebookや他の商業企業とのデータ共有契約の明確化をWhatsAppに求めており、EUのユーザーは新しいプライバシーポリシーから免除されるのにインドのユーザーは遵守する以外選択の余地がない理由を尋ねている。

「このような差別的な扱いはインドのユーザーの利益を害するものであり、政府は深刻な懸念を抱いています」と、同省はメールで述べており、そのコピーをTechCrunchは入手している。さらに「インド政府は国民の利益が損なわれないようにする主権者としての責任を負っており、それゆえこの手紙で提起された懸念事項に対応するようWhatsAppに求めます」と続いている。

WhatsAppは、2020年1月初めのアプリ内アラートを通じて、ユーザーに電話番号や位置情報などの個人データを、Facebookと共有することをアプリに許可する新しい条件の規約に同意するよう求めていた。

ユーザーがサービスの使用を継続したいと希望する場合、当初は2月8日より新しい規則を遵守する必要があるとされていた。

「この『オール・オア・ナッシング』アプローチは、インドのユーザーから意味のある選択を奪うものです。このアプローチは、WhatsAppの社会的意義を利用してユーザーに契約を強要するもので、情報プライバシーや情報セキュリティに関するユーザーの利益を侵害する可能性があります」と、同省はメールで述べている。

2021年1月13日、ニューデリーの屋台で新聞に掲載されたWhatsAppの広告が目に入る(画像クレジット:SAJJAD HUSSAIN/AFP via Getty Images)

WhatsAppからの通知は、ユーザーの間で多くの混乱と、いくつかのケースでは怒りと不満を促した。そのユーザーの多くは、最近の数週間でTelegram(テレグラム)やSignal(シグナル)などの代替となるメッセージングアプリを検討している。

WhatsAppの広報担当者は、1月19日の声明で次のように述べている。「この更新はFacebookと共有するデータを拡大するわけではないことを、私たちは強調したい。私たちの目的は、企業が顧客にサービスを提供し成長できるように、企業に結びつけるために利用できる新しいオプションと透明性を提供することです。WhatsAppは常に個人のメッセージを端から端まで暗号化で保護しているため、WhatsAppもFacebookも見ることができません。我々は誤報に対処するために努力しており、どんな質問にも答えられるようにしています」。

Facebookが2014年に190億ドル(約1兆9700億円)で買収したWhatsAppは、2016年からこのソーシャルの巨人であるFacebookと、ユーザーに関するいくつかの限定的な情報を共有している。そして一時期は、ユーザーがこれをオプトアウトすることを許可していた。先週の反発に対応して、世界中で20億人以上のユーザーにサービスを提供しているこのFacebook傘下のアプリは、計画されていたポリシーの施行を2021年5月15日に延期すると発表した。

さらにWhatsAppは先週、4億5000万人以上のユーザーを抱えるインドのいくつかの新聞に一面広告を掲載し、変更点を説明したり、いくつかの噂を否定したりした。

ニューデリーもまた、WhatsAppが2020年に発表したこのアップデートのタイミングに失望したことを明らかにした。同省は、ユーザーのデータが世界とどのように共有されるかを監視することを目的とした、歴史的意義のあるプライバシー法案である個人データ保護法案の見直しを行っていると述べた。

「インドのユーザーにとってこのような重大な変更をこのタイミングで行うことは、馬よりも荷車を先に走らせるようなものです。個人データ保護法案は『目的制限』の原則に強く従っているため、この法案が法律になった場合、このような変更はWhatsAppにとって重大な実行上の課題をもたらす可能性があります」と、同省は書簡で述べている。

1月19日にインドの通信IT・法相のRavi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカール・プラサド)氏はまた、Facebookに声を大にして助言を送った。「WhatsAppであれ、Facebookであれ、どんなデジタルプラットフォームであれ、インドでビジネスを行うことは自由ですが、そこで働くインド人の権利を侵害しない方法で行ってください」。

WhatsAppであれ、Facebookであれ、どんなデジタルプラットフォームであれ、インドでビジネスを行うことは自由ですが、そこで働くインド人の権利を侵害しない方法で行われるべきです。個人的なコミュニケーションの尊厳は維持されなければなりません。

関連記事:ユーザーの反発を受けWhatsAppがプライバシー規約の施行を3カ月延期

カテゴリー:ネットサービス
タグ:WhatsAppインドプライバシー

画像クレジット:Nasir Kachroo / NurPhoto / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)