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chaintopeが佐賀市ごみ発電の環境価値をブロックチェーンで記録・電子証書化するシステムを開発

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暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年1月10日~1月16日の情報から。

chaintopeみやまパワーHDは1月12日、佐賀県佐賀市における「地域循環共生圏」構想の一環として、佐賀市内でのエネルギーなどの地域内循環を可視化し、ごみ発電電力の地産地消による環境価値を電子証書化するシステムを試作し、「地域循環共生圏」の具体化可能性の検証作業を行うことを発表した

2050年脱炭素社会の実現を推進する佐賀市は、2010年に環境都市宣言を行い「地域循環共生圏」を推進。「資源循環」「炭素循環」「人の循環」「経済循環」をキーワードに、地域の資源や可能性について再考・有効活用しながら環境・経済・社会を改善し、資源を融通し合うネットワークをつくろうと、市民と共に取り組んでいる。

みやまパワーHDとchaintopeは、このような地域循環共生圏内での価値の循環を、ブロックチェーン技術により可視化し、さらに多くの市民の行動変容を促し、脱炭素と地域経済活性化につながることを期待し、同検証作業の実施を行っていく。

chaintopeが佐賀市ごみ発電の環境価値をブロックチェーンで記録・電子証書化するシステムを開発

佐賀市は、ごみ処理を佐賀市清掃工場に集約し、清掃工場で生み出されるごみ発電による電気(再生可能エネルギー)の量を増やした。ごみ発電による再生可能エネルギーは、市内の公共施設に供給できるようになっており、「電力の地産地消」を行っている。ちなみに清掃工場で生み出される電力量は平成30年度実績で3203万kWh/年、そのうちの1568万kWh/年が佐賀市内の小中学校および公共施設112カ所にて利用され、1700万kWh/年は他に売却されたという実績をあげている。

また、同清掃工場は、ごみを焼却した際に発生する排ガスから二酸化炭素(CO2)のみを分離回収する設備を設置。回収したCO2を利活用する日本初CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)プラントという。CO2を野菜や藻類培養に利用する「炭素循環」も行っている。

再生可能エネルギーの発電・利用実績をブロックチェーンに記録し、電力が地産地消された証明として「資源循環証書」を発行

しかし、こうした活動によって生まれた環境価値は、誰が見ても正しいと認められる形で公開することが難しいのが課題という。そこで、Chaintopeが開発したブロックチェーン「Tapyrus」(タピルス)を用いて、誰もがその真正性を確認できる電子証書として公開する取り組みを開始する。環境価値を電子証書として公開することで、環境価値取引などの新しいビジネスの創造や、将来は地域通貨との連携による地域経済活性化につながることも見込まれるとしている。

chaintopeが佐賀市ごみ発電の環境価値をブロックチェーンで記録・電子証書化するシステムを開発
同取り組みは、第1段階として、佐賀市清掃工場でのCO2排出削減量の見える化、価値化から開始する。具体的には、清掃工場による再生可能エネルギー発電実績と公共施設での再生可能エネルギー電気供給サービス利用実績をブロックチェーンに記録し、佐賀市内にて電力が地産地消された証明として「資源循環証書」を発行する実証実験を行っていく。

またChaintopeは、資源循環証書の実証実験を足がかりに、将来的には、地域循環共生圏づくりにおける「炭素循環」「人の循環」「経済循環」の取り組みについてもTapyrusを利用した地域通貨の仕組みなどを使い、持続可能なまちづくりへの貢献を目指す。

「J-クレジット制度」との連携も視野

さらに、国家の新たな成長戦略として位置づけられたエネルギー・環境分野における「J-クレジット制度」との連携も視野に入れていく。J-クレジット制度は、再生可能エネルギー設備や省エネルギー機器の導入などによる、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。同制度により創出されたクレジットは、低炭素社会実行計画の目標達成やカーボンオフセットなど、様々な用途に活用できる。

エンタープライズ向けブロックチェーン「Tapyrus」(タピルス)

今回の取り組みで活用するブロックチェーンTapyrusは、Chaintopeが独自に研究開発をしてきたエンタープライズ向けブロックチェーンおよび、最先端のブロックチェーン関連技術を統合的に利用できるシステム開発プラットフォーム。同社はTapyrusをオープンソースとして提供しており、ソースコードはGitHubで公開している。

Tapyrusは、誰でもネットワークに参加でき自由に分散台帳を閲覧できる透明性を持つパブリックチェーンでありながら、複数法人で共同運営するコンソーシアムの方針に合わせて、新しい記録を分散台帳に書き込む際のルールを設計できる。また、開発者はTapyrusプラットフォームの各種サービス(特許技術を含む)を利用し、ブロックチェーンの複雑な要素技術を意識することなく、安全かつ高信頼のアプリケーションを開発できるという。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:オープンソース / Open Source(用語)環境問題(用語)再生可能エネルギー(用語)J-クレジット
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