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三次元オブジェクト検索エンジンPhysnaは現実世界を検索対象にするグーグルを目指す

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1999年6月、Sequoia Capital(セコイアキャピタル)とKleiner Perkins(クライナー・パーキンス)は、Google(グーグル)という新しい検索エンジンを開発するアーリーステージの企業に2500万ドル(約26億円)を投資し、オンライン上の知識の整理と共有の方法に革命をもたらした。

Sequoia Capitalは現在、異なる種類の検索エンジンに新たな賭けをしている。消費者向けスマートフォンへの3次元センシング技術の導入が、空間コンピューティングに革命を起こそうとしている。

少なくともそれは、Sequoia CapitalのShaun Maguire(ショーン・マグワイア)氏がオハイオ州コロンバスを拠点とするスタートアップであるPhysna(フィズナ)に対して行った投資だ。

マグワイア氏とSequoiaはDrive Capital(ドライブキャピタル)とともに、同社への2000万ドル(約21億円)の投資をリードした。Drive Capitalは、Mark Kvamme(マーク・クバンメ)氏とChris Olsen(クリス・オルセン)氏という2人のSequoiaの元パートナーが創業したオハイオ州コロンバスを拠点とするベンチャーキャピタルだ。

「数学の未解決問題の1つに3次元検索の方法があります。他の似たような3次元オブジェクトを与える指標をどう定義するのか。これは数学において長い歴史があります」とマグワイア氏はいう。「Physnaの創業者Paul Powers(ポール・パワーズ)氏に最初に会ったとき、彼はすでにさまざまな3次元オブジェクトを比較するための非常に斬新な距離指標を考え出していました。距離指標が1つの場合は、距離が離れている他のオブジェクトを見つけることができます。その根底にある彼の考え方は信じられないほど創造的です。現代数学という言語の中に置いてみれば、実際に機能する非常に高度なアイデアがたくさん含まれているわけです」。

パワーズ氏のアイデアとPhysnaのテクノロジーは長い間待ち望まれていた。

弁護士としてキャリアを積んだが本質的には起業家であるパワーズ氏は、かつて知的財産専門の弁護士としての仕事を通じて3次元検索の問題に出会った。

パワーズ氏が知的財産法を選択したのは、テクノロジーと法律の交差点で働ける最も興味深い分野であり、シリアルアントレプレナーとなる同氏が次にどんな会社を立ち上げるとしても良い基盤となると考えたためだ。弁護士として実務に携わっていたときにパワーズ氏は大きな問題にぶつかった。ソフトウェアやサービスに関する知的財産の盗難は容易に捕捉できたが、製品や部品の実物が企業秘密として盗まれたときにそれを特定するのは困難だった。「2Dの知的財産の盗難はいつも見つけることができました」とパワーズ氏は語る。「しかし、3次元の知財の盗難を捉えるのは難しかった」

パワーズ氏は2015年の創業から2019年まで、共同創業者で最高技術責任者のGlenn Warner Jr.(グレン・ワーナー・Jr)氏と協力して製品開発に取り組んだ。当初の製品は製品設計を盗難から保護することを目的としていた。悲しいことに、Physnaが3次元検索エンジンへの変換を発表する準備をしているちょうどその時、ワーナー氏は亡くなった。

パワーズ氏は、Google Cloudの最高技術責任者兼テクニカルディレクターを務めた後2020年にPhysnaに加わったDennis DeMeyere(デニス・デメイヤー)氏の助けを借りて、同社とその経営陣を再建した。

「転職したとき、機内に預けた2つのバッグとともに飛行機に飛び乗りました。家具つきの家を借りられるようになるまでホテルに住んでいました」とデメイヤー氏は2020年にProtocolに語った

オルセン氏とクバンメ氏が持つシリコンバレーのコネクションのおかげで、他の大物もシンシナティを拠点とする同社に引きつけられた。その中には、GitHubの最高技術責任者であるJason Warner(ジェイソン・ワーナー)氏もいる。ワーナー氏は、Drive Capitalの共同創業者であるクバンメ氏と一緒に、同社の取締役会に議席を持っている。

Physnaでクバンメ氏、マグワイア氏、ワーナー氏はGitHubとGoogleを組み合わせたものを構想している。特に2020年、同社の消費者向けサイトであるThangsが立ち上げられた後はそうだ。

このサイトでは、ユーザーは説明を与えたり、モデルや画像をアップロードしたりすることにより3次元オブジェクトを検索できる。ProtocolのMike Murphy(マイク・マーフィー)氏が指摘したように、Thingiverse、Yeggi、または3Dプリント愛好家が使用するその他のサイトに少し似ている。このサイトでは、各モデルのコラボレーションの歴史と部品をユーザーに表示することができる(オブジェクトが異なる場合)。

つまりGitHubとGoogleの組み合わせだ。また、ユーザーはプロファイルを設定して、独自のモデルを保存したり、パブリックモデルに共同でコメントしたりできる。

マグワイア氏がPhysnaについて目を引かれたのは、ユーザーを無料サイトに引き寄せる方法だ。「毎日何万人もの人々がそれを使用していました」と同氏はいう。これは、多くの成功した企業が製品を販売するために試みるフリーミアムやプロの消費者ハイブリッドアプローチのレプリカだ。「彼らは無料版を持っていて、人々はそれをいつも使い、愛しています。何かを構築するにあたって基盤とすることができます」とマグワイア氏は述べた。

そしてマグワイア氏は、空間コンピューティングの波は誰もが想像するよりも早く訪れると考えている。「新しいiPhoneにはLiDARが搭載されています。これはLiDAR付きの3Dスキャナーが付属する最初の消費者向けデバイスです。3次元が爆発的に広まりそうです」。

Physnaは最終的に、3次元オブジェクトのテクノロジーハブになる可能性がある。ユーザーはそこで、3次元オブジェクトをスマートフォンでスキャンし、仮想オブジェクト、または3Dプリント用ファイルに変換できるものとして、再現のための表現モデルを持つことができる。

パワーズ氏によると、何百もの企業が現在、テクノロジーの応用方法に関してさまざまな要望を携えて同社にアプローチしている。

「新機能の1つは、何かの写真を撮り、それが何なのか、どこでへ行くのかを示すだけではありません。それがアセンブリの一部であってもです。私たちは花瓶を割り、その破片を使って、各々の破片がどのように元に戻るかを示すことができます」とパワーズ氏は述べた。

パワーズ氏によると、同社のソフトウェアの一般的な契約は、企業顧客向けに2万5000~5万ドル(約260~520万円)の範囲だが、Physnaの製品を動かすソフトウェアは単なる1つのアプリケーションではない。

「単なるプロダクトではありません。基礎的なテクノロジーです」とパワーズ氏はいう。「物理的なものとデジタル的なものの間にはギャップがあります」。

SequoiaとDrive Capitalにとって、Physnaのソフトウェアはそのギャップを埋めるテクノロジーだ。

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画像クレジット:AkaratPhasura / Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi)