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ロケットスタートアップAstraがSPAC経由でNASDAQに上場の予定、ステルスから現れて1年

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2020年12月にアラスカからのテスト打ち上げで宇宙空間に到達したばかりのロケット打ち上げスタートアップAstra(アストラ)が、Holicityという特別目的買収会社(SPAC)との合併を通じNASDAQに上場することになった。最近のSPAC熱はすでに宇宙ビジネスセクターにまでおよんでおり、Virgin Galacticがこの新しい波に乗って上場した企業の1つであることを見ると、宇宙船打ち上げについては前例があるが、NASDAQに上場するのはAstraが初めてとなる。

取引の条件は、Holicityが信託で保有する3億ドル(約315億円)と、BlackRockが運用するファンドからのPIPE(パブリック・エクイティへの私募投資)による2億ドル(約210億円)の注入を合わせて、Astraに5億ドル(約525億円)の現金がもたらされることが予想される。この取引によりAstraのプロフォーマ評価額は約21億ドル(約2205億円)となるが、これは同社の評価額から、SPAC合併によってもたらされる5億ドル(約525億円)の現金を差し引いたもの。Astraは、2021年第2四半期までに合併を完了し、その後はティッカーシンボル「ASTR」で取引される予定だ。

Astraはカリフォルニア州アラメダの施設で、小型の軌道上ペイロードを運ぶために設計された独自のロケットを製造している。これまでのところ、アラスカ州コディアックにロケットを輸送して飛行を実施しているが、実際の宇宙港施設ではほんの一握りのスタッフがロケットの搭載と打ち上げを担当した。チームの大部分は、カリフォルニアにあるミッションコントロール施設から遠隔操作で飛行を監督した。同社のモデルは、比較的安価なロケットを高い供給能力で生産することに重点を置いており、ニーズに応じてほぼどこでも出荷・打ち上げが可能だという。

2020年12月のテストが成功したことで、Astraは、打ち上げモデルの構築と反復型開発の作業に何年もかけて取り組んできた成果を得ることができた。同社はもともと、衛星を迅速に打ち上げることを目指し、DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency、米国防高等研究計画局)が資金提供して実施した技術開発レースを追求していたが、そのレースは賞金の該当者が出ることなく期限切れになってしまった。12月に行われたテストの成功により、Astraのモデルの実行可能性は証明されたが、実際にペイロードを届けるための軌道速度を達成するにはわずかに足りなかった。同社によると、これは比較的簡単に解決できる問題であり、ソフトウェアの微調整で完全に管理できるとのことで、今年の夏には最初の商業衛星を納品する予定だという。

Astraは、最終的には2025年までにペイロードを毎日のように打ち上げることを目標としている。SPACのニュースにともなうブログ記事の中で、Astraの創業者兼CEOのChris Kemp(クリス・ケンプ)氏は「宇宙サービスのプラットフォームを構築する」ことにも取り組んでいきたいと述べており、現在のロケット事業の域を超えた野心を示唆している。

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カテゴリー:宇宙
タグ:Astra新規上場SPAC

画像クレジット:Astra / John Kraus

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)