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組み込み融資の独スタートアップ「Banxware」がシード資金5.1億円調達

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エンベデッドファイナンス(組み込み型金融)とは、すでに汎用ソリューションとAPIでシステムを構築している顧客に融資機能を提供する仕組みであり、まったく新しいコンセプトというわけではない。実際、POSクレジットはシリコンバレーのベンチャーキャピタル / メディア会社であるAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)が大騒ぎするずっと前から存在したコンセプトだ。しかし、クラウド技術に加えて山ほどのフィンテックや「サービスとしてのバンキング」スタートアップが出現したことによって、組み込み型金融のトレンドは間違いなく加速している。

そこに最近参加したのが、ドイツ・ベルリン拠点のBanxwareで、中小企業向けローンやマーケットプレイス、決済プロバイダーなどとの提携というかたちで組み込み型金融を提供している。2020年12月に開業し、シード資金400万ユーロ(約5億1000万円)を調達したことを2月2日に発表した。

ラウンドをリードしたのはForce Over MassとVR Venturesで、ほかにHTGFおよびバンキング、決済、Eコマースの個人投資家が参加した。

Banxwareはこの資金を、同社の組み込みホワイトレーベル融資サービスの開発と成長、およびチーム拡大のために使うという。融資に加えて、近くカードベースの商品やその他の金融サービスも提供する予定だ。

Banxwareの技術とインフラを使えば、どんな会社でも中小企業向けに融資その他のバンキングサービスを提供できるようになる。つまりは、銀行(貸し手)とデジタルプラットフォームと売り手を繋ぐ役目を果たすということだ。銀行は手の届きにくい中小企業ユーザーと繋がる機会を得られる。プラットフォーム、たとえばオンラインマーケットプレイスなら自社の中核製品に加えて金融商品のアップセリング(より高額な商品を売る)が可能になる。そして売り手は運転資金をすばやく手にすることがきる。

「中小企業は必要なときに資金を得ることが難しく、設立3年以内の会社や信用履歴のない会社は特にそうです」と共同ファウンダーでCEOのJens Röhrborn(イェンス・ラーボルン)氏が説明した。「しかも融資申請、つまり融資の決定と支払いまでには数週間かかるのがほとんどです」。

「デジタルプラットフォームを使って商品の販売やデジタル支払いの処理を行う売り手は益々増えています。プラットフォームから提供される売り手の最近の履歴データを使うことで、私たちは会社の将来の売上を見込んで融資することができるのです」。

これまでにBanxwareは、AML(アンチ・マネーロンダリング)とKYC(顧客を知ること)の規則を遵守した即時融資ツールと、プラットフォームの履歴データに加えて口座情報プロバイダーや外部スコアリングサービスなどのサードパーティーから得たデータを分析するスコアリングエンジンを作ってきた。

「融資に関して私たちは、直接融資するバランスシートレンダーと、事前に融資条件と融資判断基準を合意した上で当社が代わって融資判断をする融資サービスの両方を取り扱っています」とラーボルン氏はいう。「売り手は融資の返済を、プラットフォームが将来の売上から一定の割合を差し引くかたちで行います」。

ラーボルン氏は自社の即時融資ツールについて、「まだ始まったばかり」であり、Banxwareは今後も組み込み型金融サービスを拡張し、海外にも進出するつもりだと語った。

ちなみこのドイツのフィンテックは現在、同社プラットフォーム経由で処理された融資ごとの一時手数料と、1回限りのカスタマイズ費用を受け取っている。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Banxware資金調達

画像クレジット:Banxware

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(文:Steve O’Hear、翻訳:Nob Takahashi / facebook