現金払いの住宅ローン融資を提供するUpEquityが約26億円を株式と負債で調達

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オースティンを拠点とするUpEquity(アップエクイティ)は、消費者に資する住宅ローン業界を目指し、事業を拡大するために2500万ドル(約26億円)を株式と負債で調達した。

最高経営責任者のTim Herman(ティム・ハーマン)氏は、2兆ドル(約210兆円)の米住宅市場で同氏が非効率だと思うものを機会として利用するために住宅ローン会社を設立した。

ハーマン氏によると、既存の金融サービス会社や不動産テクノロジー会社は、市場の非効率性の原因ではなく、症状に対処しているという。

同社は「無料」で現金を提供するが、住宅購入者に対して実行するローンの2.5%を請求する。住宅購入者がオファーを行う際に必要な現金を、銀行から住宅ローンを借りる通常の手続きの前に提供する。その後、住宅所有者はUpEquityに直接支払いを行い、住宅ローンを返済する。

「当社の現金オファーは保証のように機能します。エスクロー期間中の住宅ローンの利用を可能にします」とハーマン氏は述べた。

米国海軍兵学校の卒業生で戦闘機のパイロットだったハーマン氏は、不動産が同氏とその家族に開かれた真の富の創造への唯一の道だと考えた。長い年月がかかっていたし、利用可能な投資資金も不足していた。

ハーマン氏は海軍を経てハーバードビジネススクールに行き、共同創業者となったLouis Wilson(ルイ・ウィルソン)氏に出会った。2人がUpEquityを始めたのは、ボストンでビジネススクールに在籍していたときだ。

その後、住宅市場は活況を呈し、規制環境が比較的緩和されたため、オースティンに移転した。

最終的に顧客へ売り込んだのは、全額現金でオファーを行う能力だ。これにより、住宅購入をクロージングする可能性が劇的に向上する。ハーマン氏によると、住宅は米国人の約90%にとって買う余裕のないぜいたく品だ。住宅の売り手にとってマイナス面はない。買い手が住宅購入に至らない場合、UpEquityが住宅を所有する。

同社がこれまでに行った300件の取引のうち、失敗したのは2件のみだ。

UpEquityのような企業が、融資を始めるために750万ドル(約7億9000万円)のベンチャー資金(株式)と1750万ドル(約18億4000万円)のベンチャーデット(負債)を調達できたのはそういうわけだ。

今回のAラウンドはNext Coast Venturesがリードした。UpEquityは資金をプロダクトの開発に使用すると述べた。開発により、同社の販売チャネルとして機能する不動産業者がクローズするまでの期間を10日短縮できるという。

「当社の目標は、最終的に消費者に資する住宅ローン業界とすることです」とハーマン氏は述べた。「この資金調達は、消費者、不動産業者、ベンチャー投資家が、個人の目標達成のためだけでなく、アメリカンドリームを達成するために住宅購入プロセスから摩擦を取り除くことが持つ力を理解していることの表れです」

これまで同社はテキサス州からコロラド州、フロリダ州、カリフォルニア州に事業を拡大しており、2020年には1億ドル(約105億円)の住宅ローンを組成した。

「限られた供給と厳しい競争に直面しながら不動産が進化し続ける中、UpEquityは不動産テックの成長をリードします」とNext Coast VenturesのマネージングディレクターであるThomas Ball(トーマス・ボール)氏は述べた。「ほとんどのイノベーションはフロントエンドに注力してきましたが、これまで、借り手が申込書を提出した後に起こるプロセスを加速しようとした人は誰もいませんでした。UpEquityにはチーム、才能、テクノロジーがあります。それらにより単に成功するだけでなく、住宅ローン市場のリーダーとして台頭し革新を進めます」。

カテゴリー:フィンテック
タグ:UpEquity資金調達不動産

画像クレジット:Jorg Greuel )/ Getty Images

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi