「住‌宅‌ロー‌ン‌選‌び」‌の‌常‌識‌を‌変‌え‌る‌モ‌ゲ‌チェッ‌ク‌が‌6.3‌億‌円‌を‌調‌達‌

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「家を買う」という経験は、ほとんどの人にとって人生の一大イベントだ。それに付随する住宅ローンは、その後数十年の自分の人生に影響を与えかねない。この「重要な選択」をサポートするサービスが、今年さらに勢いを増しそうだ。

「住宅ローンマッチングサービス」を提供するMFSは、新生企業投資をはじめとする5社からの第三者割当増資と、三井住友銀行からの融資を合わせ、総額6億3000万円の資金調達を実施した。同社はこれまでにも、YJキャピタルなどから資金調達を実施しており、累計調達額は約17億円になったと発表した。

MFSが運営する「モゲチェック」は、ユーザーに最適な住宅ローンを案内するオンラインサービスだ。「最適な住宅ローン」とは、ただ表面金利が低いものではない。同社が「No.1金利」と称する、ローンに付帯する団体信用生命保険のメリットを加味した、実質金利が最も低いローンである。つまり、ユーザーにとって最も経済的にメリットがある住宅ローンをピックアップして、モゲチェックが提案してくれるというわけだ。

仲介サービスといえば「紹介手数料が高い商品が優先されるのでは」と思われがちだが、同社によるとローン推奨のベースとなるロジックは定量的にも明快で、恣意的な判断が入り込む余地はない。「中立性」が担保されているからこそ、ユーザーは安心してサービスを利用しているという。

注目すべきは、モゲチェックが「ユーザーが借りられる金融機関」を薦めてくれるという点だ。住宅ローン選びは、ただ条件が良いものに申し込めばいいという単純なものではない。自身の属性や条件を鑑み、「審査に通る」金融機関に申し込む必要がある。モゲチェックは、同社が過去に扱った約4000件の審査データと、12項目のユーザー情報をもとに、金融機関ごとの「融資承認確率」を推定。ユーザーにとって審査が通る可能性が高い金融機関を案内し、スムーズに借入ができるようにサポートを行うのだ。

同サービスは無料で利用できるため、心理的ハードルも低い。同社によると、住宅ローンの新規・借り換え申し込み数は毎月約1000名にのぼる。サービス開始から約6年で、これまで4万8000名を超えるユーザーが利用したという。

モゲチェックを運営するMFS設立のきっかけは、CEOの中山田明氏の「日本の住宅ローン選びに対する違和感」だった。米国では、不動産会社や銀行とは別に、住宅購入者に対してローンの紹介などをする「住宅ローンマッチング産業」が存在する。しかし、日本ではそのようなサービスがなく、住宅購入者は不慣れな金融知識の中、不動産会社の営業担当者の紹介に頼るか、自分で住宅ローンを見つけなくてはならないのが通常だ。

同氏は「現在、多くの人が自分にとってベストな住宅ローンが選べていない状況が起きています。 このような状況を打破し、住宅ローンを必要とするすべての人が、最も有利な証券で借り入れ・借り換えができる世界を実現するために、株式会社MFSを設立しました」と想いを語る。

設立当初、同社のビジネスモデルは顧客の住宅ローン借り換えにともなう成功報酬型だった。例えば、300万円分のローン削減に成功したら、その1割の30万円を手数料として貰い受ける。この時につちかったノウハウや審査データが、現在の大きな付加価値になっているものの、決して安くはない手数料ゆえ大規模な集客は難しかったという。

転機は2020年初頭だった。各銀行がネット経由での集客に力を入れるようになるなか、オンライン広告代理店を経由し間接的に広告料を得ることで、ユーザーへ無料でサービスを提供開始。モゲチェックは現在の強力なビジネスモデルへと変革を遂げた。

「今年はアクセルを踏む年になりそうだ」と中山田氏はいう。単純な住宅ローン金利の比較サイトは複数存在する一方で、モゲチェックのように、融資承認確率を試算して顧客に最適な住宅ローンを案内するサービスは、市場ではユニークな存在だ。今回調達した資金を元にマーケティングを推進し、潜在ユーザーへの認知度向上を目指す。明確な競合が存在しないなか、需要を一気に取り込める可能性もある。

また、人工知能に精通するエンジニアの採用にも力を入れる。サービスのキモとなる融資承認確率の試算ベースを人工知能へと置き換えることで、申し込みから住宅ローン提案までのプロセス自動化を目指すという。

「十人十色」といえども、住宅ローンを適当に選ぶ人はいないだろう。中立的な立場でユーザーに最適な選択肢を与えるモゲチェックは、日本の住宅ローン選びの常識を変える存在になるかもしれない。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:住宅MFS