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ポッドキャスト制作のZencastrがビデオ機能のベータ版を全ユーザーに公開、約4.8億円の調達も発表

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ポッドキャスト制作サービスのZencastrは2014年後半に創業したスタートアップで、ソルトレイクシティを拠点としている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大にともなって以前は対面だったポッドキャスト制作がオンラインになり、Zencastrは多くのポッドキャスト制作者にとってある種のライフラインになっている。Zencastrの名前はあまり知られていないが、同社によれば世界で80万〜120万の番組がアクティブであると推計されることから、全ポッドキャストのおよそ6%でZencastrが使われているという。

筆者が個人的にポッドキャスト制作者に話を聞いた範囲では、そのほとんど全員がZoomやSkypeなどのビデオチャットプログラムよりも専門的なソリューションを提供するZencastrを試用した経験がある。ZoomやSkypeを自分のニーズに合わせて何とか使いこなす制作者もいるが、Zencastrのソリューションは高品質のオーディオをローカルとクラウドの両方に保存できる点が特に優れている。

2020年6月の時点でZencastrはビデオ機能をテストしていた。ビデオは登場が長く待たれている機能だ。筆者はコロナ禍で自分の番組をオンラインで録画するようになり、Zoomに乗り換えた。感染拡大から1年あまり経って多くの人が言っているように、ビデオチャットは対面でのやり取りの代わりにはならないがピンチのときには役に立つ。少なくとも声だけのやりとりでは不可能な次元で対話ができる。

これまでビデオ機能はクローズドベータとして提供されてきた。米国時間2月16日にベータが全ユーザーに公開され、すでに提供されている高品質サウンドとともにHDビデオを収録できるようになった。筆者は自分のポッドキャストでこの機能をいろいろと試した結果、Zoomなどのサービスほどわかりやすくはないが柔軟にカスタマイズできることがわかった。HDビデオのファイルがあるので、編集して短い番組にしたり単純に画面を分割したりすることができる。ライブチャット、フットノート、サウンドボードもあり、基本的にはリアルタイムで番組を編集することを目指しているようだ。

Zencastrはビデオ機能を広く提供することと同時に、シードラウンドで460万ドル(約4億8000万円)を調達したことも発表した。これは同社のサービス開始以来初の大きな資金調達だ。

創業者でCEOのJosh Nielsen(ジョシュ・ニールセン)氏はTechCrunchに対し、Zencastrはこれまで「自己資金で独自にやってきた、ポッドキャスティング界では草の根のような企業でした。現在は多くの人がポッドキャスティングに興味を持つようになり、我々のような企業がクリエイターの考えを代弁し続けていくことが重要だと感じています。これが我々のノーススターです」と述べた。

ポッドキャスティングへの関心が高まり、それにともなってZencastrの利用は増えている。同社によれば、新型コロナウイルス感染拡大以降、ポッドキャスティングの時間はおよそ147%増加しているという。同社のシードラウンドを主導したのはユタ州を拠点とするKickstartで、他にFlipagramの幹部だったBrian Dilley(ブライアン・ディリー)氏とFarhad Mohit(ファハド・モヒト)氏や、SkullcandyのCEOだったJeremy Andrus(ジェレミー・アンドラス)氏などが参加した。

ニールセン氏は「我が社は小規模にスタートし、リソースも多くはありませんでした。しかし我々は常に利益を上げ、成長し続けてきました。それは現在も続いていますが、資金を調達してこの成長をさらに加速します。これはリブランドでもあり、プラットフォームの信頼性と安定性の面でも前進します」と述べた。

安定性は、筆者がこれまでに話をしたZencastrユーザーの多くが指摘していた問題だった。このニュースに先立ってZencastrをしばらく使ってみたところ、SkypeやZoomなどポッドキャスト専用以外のサービスでは経験したことのないオーディオ遅延などの問題が確かに発生した。この世の終わりというほどではないが、インタビューではリズムを崩してしまいかねない問題だ。ビデオプレゼンテーションもあまり洗練されていないが、クローズドベータではやむを得ない。

同社は調達した資金でこうした問題を解決し、人材も雇用する予定だ。

共同創業者でCPOのAdrian Lopez(アドリアン・ロペス)氏はTechCrunchに対し「この資金調達ラウンドを実施した主な理由の1つが従業員の数です。我々はコロナ禍以前から分散して働いていました。世界中の11カ国に従業員がいます。これは極めて意図的な判断でした。分散した形態にすることで、その人がどこにいるかに関係なく最高の人材に働いてもらえると考えています」と説明した。

Zencastrのプロデュースで同社のこれまでのストーリーをたどるポッドキャストシリーズの「デジタルノマド」も発表された。ただし同社はオリジナルコンテンツのプロデュースにこれから力を入れていくわけではないと述べている。

ロペス氏は「ポッドキャスティングは、人々をつなぐメディアであると強く確信しています。我々はそのために会社を設立しました。完全に分散している会社なので従業員はどこにいてもよく、このメディアを通じてつながることができます。その物語をこれから伝えていきたいと思います」と語った。

このカテゴリーではSquadCastRiverside.fmなどとの競争が厳しくなっている。Zencastrはここ1年で堅調に成長してきたが、新型コロナウイルスのワクチンが十分に供給され、安心して対面で番組を収録できるようになれば、成長にかげりが見えてくるかもしれない。

ロペス氏は「物事や人々が元に戻れば若干の縮小はあると見ています。しかしポッドキャスティングに対する関心の高まりはそれをはるかに上回っているので、縮小は帳消しになると思います。コロナ禍より前に始まった関心の高まりはコロナ禍収束後にも続くでしょう」と述べた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Zencastrポッドキャストビデオポッドキャスト資金調達

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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)