Hi Marley(企業・サービス)

保険業界向けコミュニケーションツールのHi Marleyが約27億円調達

次の記事

コードレスデータベースのAirtableがシリーズEで約290億円調達、評価額は約6300億円に

もしあなたが保険会社に保険金を請求しなければならなかったことがあるなら、それが楽しいものではないことを知っているはずだ。往々にして電話をかけてオペレーターにつながるまで延々と待たされる。そしてもし自動車保険や住宅保険の保険金を請求しなければならなかったことがあるなら、保険会社やさまざまなベンダーと行ったり来たりのやり取りにかなり時間をとられることを知っているはずだ。

Hi Marley(ハイ・マーリー)は保険契約者とテキストで「シームレス」にコミュニケーションを取る方法を保険会社に提供することで、保険業界のコミュニケーションを近代化することを目指しているボストン拠点のスタートアップだ。同社はSMSプラットフォームを拡大すべく、2500万ドル(約27億円)のシリーズBラウンドをクローズした。

Hi Marleyはそのコミュニケーションチャンネルにクルマの修理やレンタルの企業など他のベンダーも含めている。目標は、保険会社が保険請求をより早く処理できるようサポートするのに加えて、保険契約者を満足させ、他の保険会社に乗り換えないようにすることだ。

CEOで共同創業者のMike Greene(マイク・グリーン)氏によると、同社サービスはアプリのプラットフォームであり、APIでもあり、そして保険会社に「重要な知見を提供するために」GuidewireやDuckといった他の基幹システムを統合している高機能なレイヤーでもある。同社のウェブサイトによると、Hi Marleyのメッセージソリューションは「保険エクスペリエンスに関わる全員を1つのリアルタイム会話で同時につなげる」一方で、保険請求や引き受け、保険契約者サービスやり取りに関するコミュニケーションを合理化することだ。

需要はある。新型コロナウイルスのパンデミックによって多くの人がデジタルに移行せざるを得なくなり、新たなコミュニケーション方法に対する消費者の需要はさらに高まった。2020年Hi Marleyのプラットフォームを活用した保険会社の数は倍になり、ユーザーベースは4倍になったとグリーン氏は話した。現在はAmerican Family、MetLife、Auto-Owners、Erie、MAPFREなどを含む顧客企業40社超と協業している。

「水平展開のチャットソリューションと異なり、当社は保険会社とそのエコシステムパートナーのために全体をカバーするコミュニケーションレイヤーに取り組んでいます」とグリーン氏はTechCrunchに語った。

同氏はこの業界に馴染みがないわけではなく、保険分野で何年も働いた。以前Futurity Groupを共同創業して率い、同社はP&C保険のパフォーマンスのモニターと改善にフォーカスしているソフトウェアとサービスの会社AONに買収された

Emergence CapitalがシリーズBラウンドをリードし、Hi Marleyが2017年以来調達した額は計4170万ドル(約45億5000万円)になった。既存投資家のUnderscore、True Ventures、Bain Capital Ventures、GreenspringもシリーズBに参加し、新規投資家としてBrewer Laneが加わった。

Emergence Capitalの創業者でゼネラルパートナーのGordon Ritter(ゴードン・リッター)氏は、同社が「しばらくの間」保険分野で次のアイコン的産業クラウド企業を探すのに注力してきたと述べた。同氏はHi Marleyの役員にもなった。

「(同氏が2013年に成功的なIPOに導いた企業)Veevaは同じ方法でCRMから、製薬会社を動かす追加のソフトウェアソリューションへと拡大し、我々は引き続き産業全体を動かすことができる特定の分野に特化したソリューションを構築しているスタートアップに積極的です」とリッター氏は話した。

歴史的に保険は必要悪とみなされてきて、純粋に安全とセキュリティのために購入されると同氏は付け加えた。そして今日の環境では「古い」コミュニケーション戦略を使っている保険会社はパフォーマンスが落ち込むと同氏は考えている。

「まさかのときに保険会社とやり取りする体験が、不快というわけではなくても理想的なものではなかった、ということに多くの人が賛成するでしょう」とリッター氏は語った。同氏の家族は保険分野の出身だ。「しかしマイクは無関心やネガティブな評判をひっくり返したいと考えています。マイクは保険を愛すべきものにしようと懸命になっています。最終顧客に便益をもたらすための保険会社とエコシステムの間の新しいコミュニケーションファブリックが必要とされています」。

Hi Marleyは今後、調達した資金を新機能の構築やプラットフォームの拡大、(当然のことながら)新規採用などに使う計画だ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Hi Marley資金調達保険

画像クレジット:JGI/Jamie Gill / Getty Images

原文へ

(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi