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KKRがアジアの消費と都市化をターゲットにアジア太平洋地域最大級となる1.7兆円のファンドを組成

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KKRが、アジア太平洋地域を含む新規および既存のグローバル投資家からの強い支持を受けて、当初の目標額を上回る150億ドル(約1兆6569億円)のアジア向けプライベートエクイティファンドの組成を行った。

今回のファンドは、KKRが4年前にAsian Fund IIIを93億ドル(約1兆円)で組成して以来のことで、このニューヨークを拠点とするオルタナティブアセットマネジメントの巨人がアジアに関心を持ち続けていることを示している。またKKR Asian Fund IV は、アジア太平洋地域に特化した最大級のプライベートエクイティファンドとなった。

KKR自身は、同ファームとその従業員のコミットメントを通して、他の投資家と並びFund IVに約13億ドル(約1436億円)を投入する。新ファンドでは、企業のカーブアウト、スピンオフ、統合などとともに、消費や都市化のトレンドに向けての投資機会を探していく。

KKRは、16年前にアジア太平洋地域に進出して以来、プライベートエクイティ、インフラ、不動産、クレジットなどの多面的なアプローチで、この地域に積極的に投資してきた。現在、同地域で300億ドル(約3兆3138億円)の資産を運用している。

同ファームは新型コロナ禍でも活躍してきたが、その一方で、パンデミックはオンライン活動への移行を加速させ、健康に対する危機の中でも、粘り強い力を発揮したハイテク企業を浮かび上がらせてきた。また、2020年の市場の混乱により、評価額が魅力的になり、企業は新たな資本源を求めるようにもなった。全体としてみれば、これらの力は「KKRのような柔軟な資本提供者にとって、ますます興味深い機会を提供しているのです」と、同社広報担当者であるAnita Davis(アニタ・デービス)氏はTechCrunchに語っている。

パンデミック以降、KKRはアジアで複数の戦略を展開し、約70億ドル(約7732億円)を投入してきた。

KKRはアジア全域で案件を探しているものの、各市場は経済状況に応じた違うかたちの機会を提供している。消費のアップグレードに関しては、KKRは中国、東南アジア、インドなどの新興市場の企業を探しているとデービス氏はいう。これに対して、日本、韓国、オーストラリアなどの先進国では、ROE(株主資本利益率)を重視した継続的なガバナンス改革により、コングロマリットからのカーブアウトや多国籍企業からのスピンオフを進めていると、デービス氏は付け加えた。

具体的には、KKRのアジアにおけるプライベートエクイティポートフォリオは、11カ国の約60社の企業で構成されている。代表的な案件としては、TikTok(ティックトック)の親会社であるByteDance(バイトダンス)が急成長する中で2018年に30億ドルの資金調達を共同で主導したことや、2020年にReliance Jio(リライアンス・ジオ)に15億ドル(約1647億円)の資金提供を行ったことなどが挙げられる。

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KKRのアジアパシフィックプライベートエクイティ部門の共同責任者である平野博文氏は「アジア太平洋地域におけるプライベートエクイティ投資のチャンスは驚異的です」と語る。「各市場にはそれぞれ特徴がありますが、地域の成長を支える長期的なファンダメンタルズは一貫しています。消費のアップグレードに対する需要、中産階級の急速な成長、都市化の進展、破壊的技術の登場などです」。

今回のAsian Fund IVは、KKRが2021年1月に行ったアジアに特化した他の2つのファンド、39億ドル(約4308億円)のAsia Pacific Infrastructure Investors Fund17億ドル(約1878億円)のAsia Real Estate Partners Fundに続いて組成されたものだ。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:KKRアジア

画像クレジット:owngarden/Getty Images

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(文:Rita Liao、翻訳:sako)