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スタートアップにとって今年はアツい夏になるかも

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スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。
準備OK?ここではお金の話、スタートアップの話、IPOの噂話などをお伝えする。

スタートアップたちにとって、忙しい夏になるかもしれない。

現在、経済が改善しつつあるからだ。失業率は低下しつつあるし、金利は低く保たれたままだ。市場にはたくさんの資金が溢れ、第3四半期には第1四半期のようなIPOの波が戻ってくることが期待されている。予防接種が広範囲に及んで、元に近い生活に戻ることで、ビジネスの世界も一気に加速できるようになるかもしれない。

もちろん、注意すべき点もある。多くの人々がこの復興から取り残されているのだ。そして、ワクチン接種へのためらいが、驚くほど一般的に見られるが、致命的に愚かな態度だ。しかし、期待される夏の経済状況、好調な市場、デジタルトランスフォーメーションの加速が続くという一般的な見方から、ハイテク業界はこれから(より)ホットな季節を迎えることになるだろう。

これは、スタートアップ企業にとっては朗報だ

すでにそうした動向を先取りした報告も始まっている。Wired(ワイアード)による、VCがスタートアップたちに迅速な投資を呼びかけているという最近の記事は、一読の価値がある。このことは、私が毎週のように話をしているスタートアップの多くが、順調な第1四半期を終え、第2四半期については心配していないようにみえることからも裏付けられる。もし私が、偶然にもうまくいっている創業者たちとばかり話していて、苦労しているスタートアップ企業を見落としているというわけではないなら、技術系の会社を作るにはかなりいい時期だと思われる。

先週初めに行われたPlaid(プレイド)のラウンドは、私が述べていることをよく表している。Plaidは、APIを活用したコンシューマー向けフィンテック企業だ。同社のCEOであるZach Perret(ザック・ペレット)氏は、TechCrunchの取材に対して、2020年1年間で金融サービスの世界のデジタル化がどれほど加速したかを語った。その通りだ。より平常なときならば、うまくやっていただろうスタートアップ企業たちも、彼らの市場が自分たちの方向に動いていることに気がつき始めた。それも急速に。だからこそPlaidには、現在2020年初頭の約3倍となる、130億ドル(約1兆4000億円)を超える価値があるのだ。

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好調なスタートアップには、十分な資金が提供される。Ramp(ランプ)の最新のラウンドは、その点を明確にしている。そのため、経済全般や技術分野が加速すれば、投資家の財布の紐がさらに緩むことになる。暖かい季節になるにつれ、ビジネス環境も暖まっていくだろう。

つまり、それ以外には、Clubhouse(クラブハウス)のニュースTopps(トップス)のニュースを説明できないのだ(Toppsは有名なベースボールカード提供企業)。TechCrunchは、みんなが大好きなベースボールカードとNFTとお菓子の間の領域をカバーしなければならなかった。

来週のThe Exchangeでは、世界各国のベンチャーキャピタルの、2021年第1四半期の数字を掘り下げる予定だ。2021年のスタートがどれほど大きなものだったかはすぐにわかるだろうが、私たちにはなんとなく予想がついている。

Kudo、Coinbase、Canva

技術系スタートアップの成長や、暑かったり、暖かかったりする状況というテーマに立ち返って、先週の話題にいくつかのデータを追加しよう。

先週Kudo(クド)のCEOにインタビューしたのは、同社が2100万ドル(約23億円)のシリーズAラウンドの資金調達を発表してから数日後のことだった。私はこの「サービスとしての翻訳」(translation-as-a-service)企業を2020年行ったシードラウンド後に取材している。同社のCEOであるFardad Zabetian(ファーダッド・ザベティアン)氏によれば、2020年3月の時点では従業員数は14名だった。それが現在は150名となり、さらに50名以上の人材を募集中とのことだ。普通数回の増資だけでは、このような成長を目にすることはない。まあそれが成長というものだ。

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Coinbase(コインベース)の絶好調の第1四半期は、過去10年間に開発された技術が成熟し、利益を生むようになっていることを示している。この会社の驚異的な収益の伸びと、ほとんど笑ってしまうような利益率は、間近に迫った直接上場を、私の予想以上に大きな出来事にしてくれるだろう。米国時間14日を心待ちにしておこう(その他のCoinbaseについては こちら)。

関連記事:上場間近のCoinbase、絶好調の2021年第1四半期決算を読み解く

そして、Canva(キャンバ)だ。7100万ドル(約78億円)の2度目の調達を経て、評価額を変えた。Crunchbaseのデータによれば、このクラウドデザイン企業の評価額は、2020年6月の約60億ドル(約6583億円)から150億ドル(約1兆6457億円)に上昇している。さらに、同社は共有する価値のあるいくつかの成長指標を発表した。

  • Canvaは年商5億ドル(約549億円)を突破した
  • 2020年Canvaは130%成長し、利益を出した(ただし、どのような内容かはわからない)
  • Canvaの月間アクティブユーザー数が5500万人になった

そして、株式公開は予定していない。はい、笑ってよし。その理由を同社のCEOであるMelanie Perkins(メラニー・パーキンス)氏に聞いてみたところ、次のような答えが返ってきた。

急ぐ必要はありません。当社は利益を上げていますし、非常に幸運なことに当社のビジョンや価値観に賛同してくれる投資家をまだ見つけることができます。私はよく「Canvaではまだ1%しか達成できていない」と言っています。私たちは、ビジュアルコミュニケーションを通じて、すべてのチームが目標を達成できるようにするという大きなビジョンを持っています。まだまだ達成しなければならないことがたくさんあるので、すぐに上場する予定はありません。とにかく今は急ぐ必要はないのです。

まあ、これだけは言っておきたいが、公開しなければならないのは、急がなければならない理由があるときだけではない。ただ単に、報道に関わる私たちを、新しい数字を発表して張り切って働かせるためだけに公開することもできるのだ。

その他のことなど

先週は充電のために少し休んでいたので、今回のニュースレターに期待されていたニュースやメモがいくつか落ちているかもしれない。だが休養したことで、The Exchangeはもっと大きく、もっと良く、もっとデータ満載で、ジョークも増えることになるだろう。私たちの小さなチームに加わる人もいるようなので、大きな計画を立てている最中だ。

では今回はこの辺で。

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:The TechCrunch Exchange

画像クレジット:Nigel Sussman

原文へ

(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)