アフリカでの暗号資産の利用急増でLunoの顧客リーチは700万規模に

次の記事

遠隔地でも仮想空間でも釣りができる小型ロボット「TeleAngler」、ロボティクスのRe-alが2021年内販売へ

暗号資産(仮想通貨)は、価値の保存手段としてBitcoin(ビットコイン)を受け入れ出した機関投資家の参入による強烈な刺激を受け、全体として力強い成長の年を迎えた。2020年に起きたビットコインの急騰も、2020年第3四半期には1億人を突破した世界中の暗号資産ユーザーが、国際的にそれを受け入れ始めたことで加速された。

2013年、Marcus Swanepoel(マーカス・スウェインポール)氏とTimothy Stranex(ティモシー・ストラネクス)氏によって創設された英国の暗号資産取引企業Luno(ルノ)の場合、2020年1月から2021年1月の間に顧客が600万人に膨れ上がった。だが、それ以後さらに700万人に増えている。現在、ロンドンに本社を置く同社は、南アフリカ、マレーシア、インドネシア、ナイジェリア、シンガポールにも400人近い従業員を擁し、世界40カ国に顧客がある。

CEOのスウェインポール氏によれば、Lunoの数字はこの7年連続で前月比を上回る増加を見せているという。しかし、これだけの勢いの加速を経験するのは初めてのことだ。

Lunoの数字が急増した理由はいくつかある(どの暗号資産取引スタートアップも同じだが)。一般的に、ビットコインは暗号資産愛好家が日常的に使っているとか、BNY Mellon(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)、Mastercard(マスターカード)、Tesla(テスラ)などの機関投資家が興味を示しているといった話とは裏腹に、それが主流になるのはまだまだ先の話だ。

今のところ、暗号資産は主に投資目的で使われている。このたった1つの要因が、アフリカ人の間で大きな人気を呼んでいるのだ。彼らが、Lunoの成長と強大なトラクションの大半を支えるユーザー層となっている。

2020年、同社は現在の事業の対象となっている市場でアンケート調査を実施し、南アフリカ、英国、フランス、イタリア、インドネシア、マレーシア、ナイジェリアから1万5000件の回答を集めた。これによりLunoは、現在の金融システムにパンデミックがどれだけの影響を及ぼしたかを理解できた。調査の結果、アフリカ人の54パーセントは、すでに国際的なデジタル資産を1つ利用していた。これに対してアジアでは41パーセント、ヨーロッパでは35パーセントだった。

アフリカの優位性は、その数字にも現れている。同社が世界で有している700万人の顧客のうち、470万人がアフリカにいる。この数は、2020年1月には230万人だった。アフリカ大陸全体でのLunoアプリのダウンロード数は同じ期間内に271パーセント増加した。取引数は21倍に跳ね上がり、5億550万ドル(約607億円)から70億ドル(約7660億円)に拡大した。そこからわかるのは、Lunoの取引高は83億ドル(約9077億円)に達しているということだ。

だがこの成長は、市場でのLunoの初動によるところが大きい。この数年間、それまで暗号資産市場に対応できていなかった世界各地のインフラは、大幅に改善された。Lunoは、最初のプラットフォームの1つとして、現地の通貨を採り入れることで暗号資産市場の体験を向上させるという大きな役割を果たしている。また、人々にデジタル資産啓蒙のための下地作りにも貢献した。

「前回、2020年のようにビットコインが高騰したのは2017年と2018年でした。ほとんどが小売りによってもたらされましたが、そのころはまだ暗号資産の購入が困難でした。当時は信頼性の問題があり、アカウントの承認や、ウォレットの準備にさえ数日かかったものです」とスウェインポール氏はTechCrunchに話した。「今では、この3年の間に、私たちのような企業が、特にアフリカにおいて、インフラ、KYC、新しい決済方法、顧客エクスペリエンスとサポートを確立しました。エクスペリエンスはずっと向上し、教育レベルもうんと上がりました。私に言わせてもらえれば、これがあの大陸での暗号資産の受け入れに大きく貢献したと思います」。

2020年9月、Lunoはブロックチェーン企業の創設、買収、投資を行うDigital Currency Group(DCG、デジタル・カレンシー・グループ)に買収された。同社のポートフォリオ企業には、Coindesk(コインデスク)、Genesis(ジェネシス)、Grayscale Investments(グレースケール・インベストメンツ)なども含まれている。Lunoを買収する前に、DCGは2014年のシードラウンドで始めてLunoに投資した。そして2020年、とてつもない成長とプラットフォームでの取引量を目の当たりにして、Lunoの規模拡大の機会を感じたとスウェインポール氏は話している。

「最初の5年から6年は小規模な事業でしたが、今は大きく出たいと思っています。そこでDCGのようなグローバルなプラットフォームの力が役に立ちます。彼らには豊富な資本があり、他の大陸と同様に、アフリカへの投資にも取り組んでいるからです」と彼は述べた。

さらにスウェインポール氏は、DCGは暗号資産業界とそのトレンドに明るいと話す。この買収は、Lunoにとれば、単にDCGの見識を利用して時代を先取りするためのものであり、その努力は報われたように見える。買収以来、Lunoのアクティブユーザー数は167パーセント増加した。1月の時点で、ユーザーは平均してウォレットに7000ドル(約77万円)以上入れている。これは2020年12月から56パーセントの伸びだ。

永遠に続くものなどない。しかし、もし暗号資産市場の突進が続けば、暗号資産はかつて思われていたような一時的な流行などでないことがわかる。2021年第1四半期、Coinbase(米国時間4月14日に上場予定)やRobinhood(ロビンフッド)などの企業は怪物のような数字を示し、力強い成長予測が立てられた。急成長の継続を期待するLunoの場合、その軌道は2030年に顧客数10億人という大台に定められている。

関連記事:
上場間近のCoinbase、絶好調の2021年第1四半期決算を読み解く
Robinhoodの暗号資産取引が急増、2021年第1四半期で170万から950万に

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Luno暗号資産アフリカ

画像クレジット:Dan Kitwood / Getty Images

原文へ

(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:金井哲夫)