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Amazon Alexaの頭脳構築に貢献したチームを擁する住宅関連サービスのHomeXが約98億円調達

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家の所有者とサービスプロバイダー向けのホームサービスプラットフォームを提供するHomeXは、このたびNew Mountain Capital(ニューマウンテンキャピタル)が主導する資金調達ラウンドで9000万ドル(約98億円)を調達した。

ニューヨークを拠点とするNew Mountain Capitalは、300億ドル(約3兆2600億円)以上の資産を運用する投資会社で、今回のラウンドでは、同社の幹部と一緒に投資を行った唯一の機関投資家である。HomeXは、2019年の5000万ドル(約54億円)超の負債による資金調達まで、外部からの投資を受けずに運営されていた。

HomeXはシカゴを拠点として2017年に設立された。業者と住宅所有者をバーチャルおよび対面でマッチングして、住宅関連サービスを「根本的に改善」することを目指している。また、ソフトウェアを構築し、請負業者が需要を「より効率的に」掘り起こし、管理できるようにすることを目的としたサービスも提供している。

注目すべきは、HomeXの共同創業者の1人であるCTOのSimon Weaver(サイモン・ウィーバー)氏をはじめとする複数のチームメンバーが、Evi(イービー)の開発チームに在籍していたことだ。Eviは2012年にAmazonに買収されたスタートアップで、アプリを介して自然言語でコミュニケーションできるAIプログラムを開発。その技術は実質的に、アマゾンの仮想アシスタント「Alexa」の頭脳となっている。

HomeXは、人工知能を活用し、業者が家に出向く前に住宅の不具合をバーチャルで診断し、事前に必要な機材を準備するなど問題をより早く解決できるようにして、顧客のエクスペリエンス向上につなげることを目的としている。

同社の共同創業者で社長のVincent Payen(ヴィンセント・ペイヤン)氏は次のように話す。「私たちは、機械が生成したコンテンツを使用して、住宅所有者の問題に応じたソリューションを作成しています。機械を使って不具合や質問を理解し、実際に診断や提案、解決策を導き出すことは、AIが絶対的に優れているところであり、3年前、5年前には不可能だったことが可能になっています」。

5000億ドル(約54兆円)規模のサービス業界で長年勤務していた創業者でCEOのMichael Werner(マイケル・ワーナー)氏は、住宅関連サービスがいかに断片的であるかを認識していた。特に特定の市場では「需要が非常に高いのに、その仕事をする業者が足りないという不均衡、とんでもない労働力不足がある」と話す(彼の家族はWerner Ladders(ワーナー・ラダーズ)を設立している)。

HomeX Remote Assist(ホームエックスリモートアシスト)は、バーチャル(電話や動画、チャットなど)で住宅所有者とHomeXのライセンスを持つ技術者をマッチングし、住宅の一般的な不具合を診断・修理する。ワーナー氏によると、このビジネス部門は1年足らずで400%以上の成長を遂げ、2020年、同社はプラットフォーム上の請負業者の数を「約5倍」に増やした。収益の数字は明らかにしていない。

画像クレジット:HomeX

「私たちは住宅所有者が家のメンテナンスにかける手間を軽減しています」とワーナー氏。「それと同時に、私たちは請負業者の成功を支援したいと考えています。遠隔医療で医療の提供方法が変化したように、HomeX Remote Assistは住宅のメンテナンスサービスの在り方を変えようとしています」。

HomeXのビジネスではB2Bサービスの分野も急速に成長している。住宅保証会社や保険会社は、リモートサービスを「より効率的なビジネスのための付加価値」と考えているとペイヤン氏は指摘する。

「現在、資本金の一部を使って、パイロットプログラムやさまざまなビジネス開発に取り組んでいます」とペイヤン氏は話す。

ワーナー氏によると、今のところ会社全体では赤字だが、サービス面では利益が出ているとのこと。同社は過去12カ月間だけでも、バーチャルと対面でのやり取りで構成されたプラットフォームで「何十万」もの顧客にサービスを提供してきた。

New Mountain CapitalのマネージングディレクターであるHarris Kealey(ハリス・キーリー)氏は、書面による声明で、HomeXは住宅・商業サービス業界を再構築することができるだろうとしている。

同氏は「この市場は巨大で、変化と革新の必要性は相当なもの」という。

この分野では、最近Thumbtack(サムタック)が動画による住宅診断サービスを開始している。Thumbtackは、改修や修繕などのサービスを地元の業者に依頼できるマーケットプレイスで、2020年12月には、スタートアップのSetter(セッター)買収した。Setterは専門家による動画での住宅診断サービスを提供し、不具合の改善方法を個別に提案していた。

Thumbtackは、主要市場で取引が激減し、2020年3月末に250名の従業員を解雇した。しかしその後、CEOのMarco Zappacosta(マルコ・ザッパコスタ)氏はTechCrunchに対し「住宅に再び焦点を当て、デジタル導入を加速させる」と語っている。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:HomeX住宅不動産資金調達

画像クレジット:DrAfter123 / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)