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電球1つで通信可能、LEDとSIMの一体型IoT電球「HelloLight」でさりげない見守りサービス

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数百億円台のAIラウンドがあってもおかしくない理由

家庭にある電球を取り換えるだけでHelloLightは使えるようになる

LEDとSIMが一体化したIoT電球「HelloLight(ハローライト)」を提供するハローライトは、どの家庭にもある電球に着目し、HelloLightの点灯状況から異常を知らせる見守りサービスを展開している。

HelloLightは一般的な電球と同じ規格となり、明るさは40W形相当で口金はE26となっている。トイレやお風呂、洗面所など、1日のうちに利用する場所の電球と取り換えるだけで使える。Wi-Fiや電源コンセントに繋ぐ必要はなく、特別な設置工事もいらない。

LEDとSIMの一体化

ハローライトが販売する場合、初期コストは税込1万780円で、月々の費用は通信料込で税込み500円以下に抑えるなど、低コスト化を図った。一人暮らしをする高齢者の見守りを気軽に始められる仕組みが全国に広まりつつある。

増える高齢者の1人暮らし

日本社会は高齢化の一途を辿っている。内閣府の高齢化社会白書によると2019年10月時点で、日本の総人口1億2617万人のうち、3589万人(総人口の28.4%)が65歳以上の高齢者となっている。

高齢者の1人暮らしの人数をみると、1980年に男性が約19万人、女性が約69万人だったが、2015年には男性が約192万人、女性が約400万人に増加。また、厚生労働省の調査では2017年に全国で約627万世帯だった高齢者の1人暮らしは、2019年には約737万世帯となった。今後、高齢者の1人暮らしはさらに増えると予想されている。

さらに、過疎化が進む地方などでは地域コミュニティの繋がりが弱まり、高齢者が孤立しやすい状況が問題になっている。介護福祉事業者や自治会といった見守る側の高齢化や人材不足の他、コロナ禍で帰省なども気軽にできなくなり、見守りサービスの重要性は高まっているのだ。

IoT電球「HelloLight」から点灯状況を発信

HelloLightによる通信の流れ

HelloLightは電球内に、SIMとアンテナが内蔵されている。IoT向けの通信技術のLPWA(Low Power Wide Area)に対応し、スマホで電波が通じる場所であれば、電球1つで基地局に点灯状況の通信ができる。

ユーザーはHelloLightのシリアルナンバーと自身のメールアドレスを紐づけるだけで見守りサービスが始められる。見守りサービスの基本機能は、HelloLightの通信から得た点灯状況をクラウド上で管理し、前日の24時間で点灯と消灯の動きがないといった異常があった時に限り、翌日にメールで知らせるものだ。

異常を知らせる仕組み

メールの送信先は事前にメールアドレスを登録した家族らになる。家族らは異常を知らせるメールを受けたら、設置先の高齢者に連絡を取ることで、状況を把握することができる。メールアドレスの登録者はスマホのブラウザから、点灯状況の最終検知時間なども確認可能だ。なお、見守りサービスの契約が切れた場合でもLEDとしてそのまま利用できる。

見守りカメラ・センサーなど用いたサービスでは、高齢者が常に監視されているという状況に慣れないこともあるという。HelloLightであれば、単に電球のON / OFFを検知しているだけなので、高齢者のプライバシーに干渉せずに済む。HelloLightは見守りサービスとしての機能をシンプルにした結果、サービス利用までのハードルを大きく下げることに成功しているのだ。

ハローライトの鳥居暁代表は「電球の点灯状況は、窓から漏れる明かりと同じ。遠くにいてもその家の明かりを知ることができるようにしたのがHelloLightです。さりげない見守りとして、何かあれば気が付くことができます」と語った。

さりげない見守りサービスとして、シンプルなものに

3年半を経てHelloLightを開発

初年度で5000個を出荷

HelloLightは2019年5月に初出荷したが、試作品はその4年前に発表していた。そもそも鳥居氏の別会社でIoT電球を開発し、別の用途で利用する考えで動いていた。その中で、社員から介護支援を行うケアマネージャーの話を聞き、見守りサービスとしてのアイデアが生まれたという。

当時はIoT電球とは別にインターネット通信用の機器が必要で、月々の費用も高価になるという課題があった。鳥居氏は課題解決のため3年半の間、研究開発・実証実験を続け、2018年12月にHelloLightの開発に漕ぎ付けた。月々の費用も従来から10分の1程度に抑えることに成功した。

販売すると市場からの反響は良く、事業可能性があるとして、鳥居氏は2019年6月にハローライトを立ち上げた。初出荷から1年間で約5000個を売り上げ、2021年6月までの2年間で販売個数は約1万個に到達する見通しだ。

HelloLightの全国展開と海外進出への動き

世界80カ国以上に対応

ハローライトは大手事業者とも連携している。同社とヤマト運輸は2020年6月から東京都多摩市で、HelloLightを活用した見守りサービスの実証実験を行った。ヤマト運輸によると、サービスの実効性が得られた他、地方自治体から導入の要望が多く寄せられたという。このため、2021年2月からは全国で同サービスを展開している。

このヤマト運輸との取り組みのように、事業者などにはHelloLightの法人向けサブスク型サービスを提供。HelloLightにプラスアルファで事業者らが持つサービスを付加し、その上で料金設定をして販売できるようにしている。

今回のヤマト運輸の場合では、HelloLightの設置から異常時のメール通知、ユーザーからの依頼時における代理訪問までのパッケージで売り出している。

鳥居氏によると、不動産会社や地域の自治会単位でも利用が多いという。それぞれがHelloLightの運用をよりしやすくするため、HelloLightを一元管理するシステムも提供している。ハローライト単体でHelloLightを売り出すのではなく、販売パートナーを増やしていくことで、HelloLightの普及をさらに進める狙いだ。

HelloLightは日本で広がりをみせているが、製品自体は世界80カ国以上に対応している。鳥居氏は今後の展開についてこう語る。

「我々は中国進出を検討しています。中国の高齢化も急速に進み、2025年に高齢者は3億人になると言われています。2020年に東京都主催のグローバルアクセラレータープログラム『X-HUB Tokyo』の深センコースに採択されました。現在、中国の企業や銀行などの支援により、協議を進めています」。

カテゴリー:IoT
タグ:ハローライトLED高齢者日本

画像クレジット:ハローライト