GMが高性能なリチウム金属バッテリー開発SESの約150億円資金調達をリード

次の記事

事故の根本的問題解決のため超高解像度レーダーを自動運転車に搭載、中国AutoXがArbe Roboticsと提携

General Motors(ゼネラルモーターズ)は、リチウム金属電池デベロッパーSESの1億3900万ドル(約150億円)の資金調達をリードすることで、大手車メーカーが繰り広げているさらに高性能な電気自動車向けバッテリーの開発競争に加わる。

VolkswagenにはQuantumScapeがあり、FordはSolidPowerに投資し(Hyundai、BMWとともに)、そして今、米国と欧州で最も大きな自動車メーカーであるGMがSESに賭ける。

「当社はR&D開発を超えています」とSESのCEOであるHu Qichao(フー・チーチャオ)氏はTechCrunchとのインタビューで述べた。「この資金調達の主な目的は1つには主要材料である陽極と陰極のリチウム金属電解液の改良を図ることです。2つめに、現在のセルの大きさをiPhoneのバッテリーサイズから車で使えるものへと改善することです」。

そして3つめの要素もあるとフー氏は話した。それは、同社のセルのパフォーマンスを監視・管理するアルゴリズムの能力を高めることだ。「これは当社、そしてOEMパートナーが気にかけていることです」とフー氏は説明した。

GMからの投資は、GMとの6年近くにわたる協業の集大成だと同氏は述べた。「当社は2015年にGMとの協業を始めました。今後3年間で我々は標準の自動化承認プロセスに取り組みます。『Dサンプル』を通じて『A』サンプルから『B』サンプルへと移行するものです」。SESの車載バッテリーの商業化前の最終テスト段階だ。

一方、米国のEV販売で首位を走るTeslaはバッテリーをよりパワフルで効率的なものにするためにバッテリーのフォームファクターに目を向けていて、使っている化学はさほど違わないとフー氏は話した。全固体電池は、バッテリーをよりパワフルでリサイクルしやすく、潜在的に一層安定したものにするバッテリーテクノロジーにおける段階的な変化を示している。

Mark Harris(マーク・ハリス)氏は2021年初めにTechCrunchで次のように述べている

多くの種のSSB(全固体電池)がありますが、 それらはすべてバッテリーの陽極と陰極の間で動く電子(電気)のための液体電解質を欠いています。リチウムイオンバッテリーの液体電解質は電極の構成物質、バッテリーの形やサイズを制限します。液体電解質は通常は可燃性であるため、リチウムイオンバッテリーは熱で暴走しやすく、爆発さえします。SSBはさほど可燃性ではなく、より多くのエネルギーをためて早く動かすために、金属電極や複雑な内部デザインを使うことができます。これにより高パワー、そして急速充電対応となります。

SESの取り組みは、GMからだけではなくバッテリーパック大手SK Innovation、シンガポール拠点の政府系投資会社Temasek、半導体メーカーApplied Materialsのベンチャーキャピタル部門Applied Ventures、中国大手自動車メーカーShanghai Auto、投資会社Vertexなど以前の投資家の注意も引きつけた。

「GMは急速にバッテリーセルのコストを下げ、エネルギー密度を改善しています。SESのテクノロジーとの取り組みは、低コストで走行距離を延ばしたい顧客により良いEVパフォーマンスを提供する、驚くほどの潜在的可能性を秘めています。GMや他企業による今回の投資によってSESは取り組みを加速させ、事業を拡大することができます」とGMエグゼクティブバイスプレジデントでGM Venturesのテクノロジー担当最高責任者兼プレジデントのMatt Tsien(マット・ツィン)氏は述べた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:General MotorsSES資金調達バッテリー電気自動車

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi