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Tileがアップルの新しいAirTagを不正競争だと非難

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Apple(アップル)の紛失物発見アプリが公式に発表された現在、それと競合するTileは、Appleの最新製品に対する同社の見解を、米国時間4月21日に行われる議会での証言の前に記録に残そうとしている。同社によると、4月21日には議会でAppleの事業慣習、特に今回の紛失物追跡分野への参入を詳細に検分するよう求めるという。

Tileは、Appleが近くTileがマーケットリーダーである紛失物発見ビーコンの分野に独自のデバイスで挑戦すると知ってから、Appleを厳しく批判してきた。同社はTileに接続している紛失物、財布やバッグ、鍵、自転車、札入れなどを消費者が見つけることのできるBluetoothを利用するキーチェインドングルで、新しい市場を切り開くことに成功した。同社はまた、紛失物が持ち主のBluetoothの圏外にある場合、スマートフォンにTileのアプリをインストールしている者同士が協力してその紛失物を見つける「発見ネットワーク」も導入している。

AppleはAirTagでこれらの能力を再現しているが、もっと精密なウルトラワイドバンドの技術のサポートを加えるとともに、AirTagを同社のファーストパーティーアプリである「Find My」に統合して、紛失物発見にiPhoneの大きなインストールベースを利用しようとしている。こうなると、それはTileにとって強敵となり、Appleの全デバイスに競合するAirTagがあるだけでなく、App Storeのポリシーにより、アプリ内購入によるサブスクの収益の一部もAppleが共有することになる。

AirTagの立ち上げよりも前にAppleは、Find Myアプリへのアクセスをサードパーティーに公開して、反競争的云々の苦情を避けようとした。また同社はTileの競合他社であるChipolo ONE Spotと提携して、AirTagと競合するその他の紛失物発見ツールを不利な扱いにはしない証拠を見せつけようとした。しかしこれまでのTileの主張は、自社独自のiOSアプリで築いてきたユーザーとの直接的な関係を捨ててまで、AppleのFind Myユーザーをサポートしたくはない、というものだ。そして、Appleには最初からファーストパーティーであるという利点と、大きなエコシステムのパワーがあるため、この紛失物発見の市場に参入すると決めただけでも簡単に市場を支配してしまうとTileは主張している。

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Tileは2020年にも、Appleが非難されていた反競争的振る舞いについて議会で証言し、米国時間4月21日にはMatchやSpotifyなどAppleを批判する他社とともにそれを再現するつもりだ。

企業は、Appleが最近、小企業に対しては下げたアプリ内手数料、いわゆる「アップル税」に反対している。大企業の多くは、Appleに一切支払いたくない。売り上げも経費も全部自分で把握し処理したい。また顧客との関係も、間にAppleが入るのではなく、直接的な関係にしたい。そしてTileやSpotifyなどのケースでは、Appleが独自のファーストパーティーアプリで直接競合しているようなビジネスに関して、Appleに金を払わなければならないのはフェアでないと感じている。

またTileは、独自のウルトラワイドバンドデバイスでAirTagと競合する、と2021年初めに発表している。でも、そんなデバイスが動くために必要なAppleのU1チップへのアクセスは、まだもらっていないようだ。Appleはチップセットのメーカーのための仕様書の草案を今春リリースする。

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Appleのイベントの後でリリースした声明で、TileのCEOであるCJ Prober(C・J・プローバー)氏は再び、Tileが作った市場へのAppleの進出を批判している。

弊社のミッションは紛失物や置き忘れた物を見つけるという日常的な悩みの解決であり、世界で最も価値ある企業の1つであるAppleが、Tileが開拓したカテゴリーに参入してその価値を検証していることを誇りにも思っている。

紛失物や置き忘れた物の発見に多くの人びとがTileを選んでいるのは、私たちが顧客に提供している差別化された価値のためだ。iOSとAndroidのデバイスで動く弊社のアプリから業界トップクラスの一連の機能を提供することに加えて、弊社のサービスはAlexaやGoogleなど主要な音声アシスタントのすべてとシームレスの統合されている。またすべてのユースケースと、多様なスタイルに手頃な価格で対応する形状により、万人向けのプロダクトになっている。

Tileはまた、HPやIntel、Skullcandy、fitbitなどのトップクラスのブランドとのパートナーシップを成功させ、弊社の発見技術をノートパソコンやイヤーバッド、ウェアラブルなどの大衆的消費者製品のマスマーケットにも広げている。パートナーは現在30社を超えているが、Tileの利点を数百万の消費者に浸透して、重要な物のすべてを追跡できる体験をさらに広げたい。

競争は、それがフェアな競争であれば歓迎する。残念ながら、自己のプラットフォームのアドバンテージを不正に利用してプロダクトの競争を不公平に制限するAppleの歴史は、多くのドキュメントからも明らかであり、その姿勢は疑わしい。またAppleとのこれまでの歴史から見ても、このカテゴリーへのAppleの進出を議会が詳細に検分することは、完全に適切であると私たちは考える。明日議会の面前でこれらの問題をさらに議論する機会を、私たちは歓迎する。

それに対してAppleは、Find MyのネットワークはTileの創業以前からあると指摘し、Tileも、もし選ぶならばFind Myを利用できると述べている。同社はまた、Tileのマーケットシェアは90%もあり、それに追いつくためには膨大な量のAirTagsを売らなければならないだろう、とも述べている。

Appleの声明は、次のとおりだ。

iPhoneはそもそもの最初からユーザーの位置データのプライバシーを保護し、すべてのアプリによるユーザーの位置へのアクセスと共有に関し、透明性とコントロールをユーザーに提供してきた。AppleがFind Myを作ったのは10年以上前であり、それによりユーザーが紛失したデバイスをプライバシーを確保しながら安全に見つけられるようにしている。その後私たちは、Find Myを拡張して、ユーザーが他の重要な品物も管理できるようにしている。また、位置を友だちや家族と共有して、自転車などのサードパーティー製品も見つけられる。私たちは常に、顧客の体験を向上する最良の方法として競争を歓迎している。そして私たちは、サードパーティーのデベロッパーが栄えるプラットフォームをiOSの中に作るために、懸命の努力をしてきました。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)