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アップルとテスラのサプライヤーDelta ElectronicsがAIチップのKneronに7.6億円投資

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半導体不足の慢性化が世界の自動車産業の邪魔をしているが、投資家は次世代の車両を動かすチップに対して依然強気だ。

Apple(アップル)とTeslaに電源部品を提供している台湾のDelta Electronicsは、米国時間5月5日、エッジコンピューティングでデバイスに人工知能の能力を与える半導体を開発するKneronに資金提供を行った。この700万ドル(約7億6000万円)の投資によりKneronの総資本は合計1億ドル(約109億1000万円)を超える。

取引の一環としてKneronは、Delta Electronicsの子会社Vivotekの一部であるVaticsを1000万ドル(約10億9000万円)のキャッシュで買収することに合意した。この新しい資産はKneronのビジネスをうまく補完することになり、同社は現在ブームとなっているスマートカーの業界に足を踏み入れることになる。

Vaticsは映像信号処理技術のプロバイダーで、SoCとその他の知財を、米国とカナダの監視カメラメーカーや一般消費者、および自動車製品向けに何年も前から販売している。

サンディエゴに本社を置き、台北に開発チームがいるKneronは近年、IntelやGoogleのようなAIチップの既存勢力に対する挑戦者として台頭してきた。そのチップは低電力消費を誇り、独自のソフトウェアによりデータを直接チップ上で処理できる。従来の、データの計算処理を強力なクラウドセンターで行って結果をデバイスに戻すというソリューションからの決別だ。

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このアプローチはKneronに、多くの重量級の支援者をもたらした。その中には戦略的投資家FoxconnやQualcomm、Sequoia Capital、Alibaba、Li Ka-shing(李嘉誠、レイ・カーセン)氏のHorizons Venturesなどの顔ぶれが見える。

Kneronはチップを、製造業やスマートホーム、スマートフォン、ロボット、監視カメラ、決済マシン、自動運転車など多様な分野向けに設計してきた。自動車の分野ではFoxconnおよび、ホンダとトヨタのサプライヤーOtusと提携している。

買収後にVaticsの役員たちはKneronに入り、同社の監視カメラとセキュリティカメラの事業部を指揮する。その合併チームが共同で今後開発するものは、Kneronの監視カメラ向けおよび自動車用の製品だ。映像処理プロセッサーとニューラル処理ユニットが合体すれば、対象物を検出して自動運転車の安全を確保することに役立つ。

Kneronの創業者でCEOのAlbert Liu(アルバート・リュウ)氏は「今回の買収により、現在のクラス最高水準のNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)に加えて、フルスタックのAIソリューションを提供できるようになり、私たちのGo-to-Market戦略を大幅に加速することができます」と述べている。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Delta ElectronicsKneronVatics投資買収

画像クレジット:Kneron

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(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)