アフリカ大陸でシードとシリーズAに特化した投資を進めるためSavannah Fundが約27億円の資金調達を開始

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アフリカ全土で事業を展開しているベンチャーキャピタルであるSavannah Fundが、アフリカ大陸におけるアーリーステージのスタートアップ企業への支援を拡大するため、2500万ドル(約27億円)のファンドを組むことを発表した。

2012年の設立以来、Mbwana Alliy(ムブワナ・アリー)氏とPaul Bragiel(ポール・ブラギール)氏が率いるSavannah Fundはこれまでに30社以上のスタートアップ企業を支援してきた。南アフリカの自動車サブスクリプション企業FlexClub、ケニアのオンデマンドの物流企業Sendy、ナイジェリアのフィンテック企業Lidyaなどが有名な投資先の一例である。

ベンチャーキャピタル企業になる前は、同社はケニアにてアクセラレータプログラムとしての活動を行っていた。参加を認められたスタートアップが3カ月間プログラムに参加し、最大3万ドル(約330万円)の資金提供を受けられるというものだ。しかし2016年、同社はベンチャーキャピタル投資に移行し、以来シードステージやシリーズAの2万5000ドル(約270万円)から50万ドル(約5400万円)程度の投資に力を注いできた。

モーリシャスに本社を置く、設立9年目の同投資会社にとって2度目となった今回のファンドの立ち上げ。国際金融公社(IFC)が主導し、Women’s Finance Initiative(WeFi)の参加によりファーストクローズを迎えた。また米国の投資家Tim Draper(ティム・ドレイパー)氏が自身のVCファンドDraper Associatesを通して参加している他、Tencent傘下のSupercell の共同創設者であるVisa Forsten(ビザ・フォーステン)氏も著名な投資家として名を連ねている。

Savannah Fundのマネージングパートナーであるムブワナ・アリー氏(画像クレジット:Savannah Fund)

TechCrunchの取材に対してアリー氏は、ファーストクローズで7社のスタートアップ企業に投資をすることができたと伝えており、残りの資金調達に向け取り組んでいるようだ。

「エンジェル投資家や富裕層から資金を調達し、公式ファンドを立ち上げた際に厳選した企業をファンドに組み入れました。自身の資金での投資実績を示せば、機関投資家からの資金調達も容易になると考えています。実際に我々は順調にその道を進んでいると思っています」とアリー氏はいう。

7社のスタートアップは、フィンテック、EdTech、物流・eコマース、SaaS、ヘルステック、アグリテックなど、Savannah Fundが注力する分野で事業を展開する企業である。公開されている投資先には、南アフリカのアグリテック企業であるAeroboticsや自動車サブスクリプション企業FlexClub、エチオピアのヘルステック企業Orbit Health、ケニアのSafigen、Moringa School、Ando Foodsなどが含まれている。

Savannah Fundはケニア、南アフリカ、タンザニアに拠点を置いているが、コア市場は依然としてケニア、ナイジェリア、南アフリカである。アリー氏によると、同社は東アフリカのルワンダ、エチオピア、ウガンダ、西アフリカのコートジボワール、ガーナなど、アフリカのさまざまな地域や世界規模で事業を拡大していくことのできるスタートアップに注力している。大規模な事業拡大は、同社のポートフォリオ企業としては珍しいことではなく、例えばAeroboticsは最近米国への進出を遂げており、またSendyは東アフリカで確固たる地位を築いている他、FlexClubはメキシコでの事業展開を果たしている。

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「ありきたりな事をいうようですが、私たちのポートフォリオ企業には大きな視野を持って欲しいと思っていますし、私たちもそれを達成するためのサポートをしていきます」と同氏は語っている。

同社は1度目のファンド立ち上げ時と比べチケットサイズを倍増させ5万ドル(約540万円)から100万ドル(約1億900万円)としている。同ファンドはプレシードでは5万ドルという低額の投資を予定しているものの、通常の最初の小切手の額は15万ドル(約1600万円)から25万ドル(約2700万円)になるだろう。より高額になる可能性が高い以降のラウンドは、同社がリードインベスターか否かで変わってくる。

2020年にSavannah FundのポートフォリオはシリーズA、B、Cで1億1800万ドル(約196億円)を調達し、一部は米国、欧州、ラテンアメリカで事業を展開している。アリー氏は今回の新ファンドを活用して2021年のパフォーマンスを向上させ、近い将来ポートフォリオを30から50に増やすことを目指していると述べている。

とりわけ女性創業者が率いる企業の数を増やす上で、Savannah Fundはその支援者であるWeFiが重要な役割を担うだろうと踏んでいる。

「Moringa School、Safigen、Sendyの成功に見られるように、客員起業家(EIR)、特に女性の創業者は、我々の投資戦略の重要な部分を占めています。この3社の女性創業者やCEOは、EIR、アソシエイト、インターンとして同社で働いた経験があります。WeFiとのパートナーシップにより、アフリカ大陸の女性創業者の数をさらに拡大し、サポートできることを誇りに思います。パンデミック中でさえも、2020年にはケニアとタンザニアでバーチャルおよび対面式の3つのインターンシップを開催しました」と声明を発表している。

声明によると、World Bank Group(世界銀行グループ)のメンバーであるIFCは300万ドル(約3億3000万円)を投資し、またWeFiは50万ドル(約5400万円)の小切手を切っている。リードインベスターであるIFCがTechCrunchにその事実を認めている。

「アフリカのスタートアップ創業者がビジネスを成長させ、アフリカにおけるインターネット経済の変革を促進するためには、初期段階での資金調達が不可欠です。Savannah Fundと提携することで、より多くの起業家が資金を得られるよう支援することができます」とIFCのアフリカ南部・ナイジェリア地域担当ディレクターのKevin Njiraini(ケビン・ニジライニ)氏は述べている。

Savannah Fundのゼネラルパートナーポール・ブラギール氏(画像クレジット:Savannah Fund)

同社2度目のファンドは、同社のスタンフォード大学とのつながりの延長線上にある。ゲスト講師としてアリー氏とともに起業家コースを講義しているSRI Internationalの元社長であるSteve Ciesinski(スティーブ・チエシンスキー)氏はSavannah Fundの投資委員会に参加している。

香港を拠点とする投資家で、PagaやOneFiなどアフリカで有望なポートフォリオを持つTommy Chia(トミー・チア)氏もベンチャーパートナーとしてチームに加わった。BRCK、Ushahidi、iHub Nairobi、Savannah Fundなどケニアにある複数の企業の共同創設者であるErik Hersman(エリック・ハースマン)氏は、BRCKをフルタイムで運営しながら上級顧問の役割を担当する。

Unity(ユニティ)、ポケモンGO のNiantic(ナイアンティック)、Zappos(ザッポス)などの数十億ドル(数千億円)規模の企業に投資している同社のジェネラルパートナーであるブラギール氏は、引き続きアリー氏とともにファンドを運営していく。このようにSavannah Fundは、数カ月前にアフリカ大陸全土のスタートアップ企業に特化したファンドを立ち上げた、Knife CapitalやUncovered Fundなどの企業に加わる形となった。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Savannah Fundアフリカ

画像クレジット:Jacek Sopotnicki / Getty Images

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(文:Tage Kene-Okafor、翻訳:Dragonfly)