将来の収入で授業料を払う「所得分配契約」オペレーティングシステムBlairがシード資金調達

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所得分配契約(ISA)は、高額になることの多い高等教育の費用に柔軟性をもたらす方法の1つだ。この財政モデルでは、学生が前払費用ゼロで学ぶことが可能になり、将来の収入から一定の割合を支払っていく。

このモデルはさまざまな専門学校や短期集中講座で人気だが、大規模に実施するのは難しい。リスクの高い層の人々の費用の面倒をみる必要があり、それにはお金がかかるからだ。先週、ISA分野大手のLambda Schoold(ラムダ・スクール)が大規模なリストラで従業員65名を解雇した。

それで、2019年にY Combinator(ワイ・コンビネーター)を卒業したBlair(ブレア)のようなスタートアップが役に立つ。このスタートアップは大学が収益分配契約を学生に提供し、そのための資金を支援する。同社にはサービスが2つあり、資金部門であるBlair Capital(ブレア・キャピタル)は1億ドル(約109億円)の債務ファシリティを確保した。また資金のフロー管理を手助けするサービス部門であるBlair Servicing(ブレア・サービシング)も最近規模拡大のための資金を獲得した。

同社はTechCrunchに、Tiger Global(タイガー・グローバル)がリードしたラウンドで630万ドル(約6億9000万円)獲得したことを話した。他に、Rainfall(レインフォール)、468 Capital(468キャピタル)らの投資家や、Teachable(ティーチャブル)のAnkur Nagpal(アンカー・ナグパル)氏、Vouch(ヴァウチ)のSam Hodges(サム・ホッジス)氏などのエンジェル投資家が参加した。このラウンド以前にも110万ドル(約1億2000万円)のプレシードラウンドを実施しており、Blairのこれまでの総獲得金額は740万ドル(約8億1000万円)になった。

獲得したベンチャー資金の大部分は、サンフランシスコのBlairチームを倍増あるいは3倍増するために使用されるとCEOのMike Mahlkow(マイク・マールコー)氏はいう。特に技術部門と製品部門に投資する他、財務、コンプライアンス、およびサービス部門に少数のベテランを雇用する。

画像クレジット:Blair

注目すべきはBlairのチームメンバー8名が全員男性であることだ。性別多様性の欠如は、わずかな従業員しかいないアーリーステージのスタートアップにおいてさえ、競争有利性や候補者の募集、長期的には会社の業績にも影響する恐れがある。約25%がLGBTであり、37.5%が非白人だという。

Blairは、授業料を払うために借金する学生を保証する仕組みとしてスタートした。金額は収益分配契約を通じていずれ返却される。Affirm for Education(アファーム・フォー・エデュケーション)も、前払費用を少額またはゼロにすることで学生を支援している。

「このモデルは2020年3月まで非常にうまく機能していました」とマールコー氏は言った。「そして当時債券市場がほぼ壊滅状態になったので、もっとソフトウェア寄りのアプローチへと焦点を移す必要がありました」。現在Blairは学校向けにISAベースのプログラムを作り、学校の過去の実績に応じて融資の保証を行うことに集中している。

多くの企業は同社のサービス部門(別名、ISAを提供するためのオペレーティングシステム)を利用しているが、ISAを提供する費用の融資でBlairに助けを求める会社もいくつかある。大学や講座はISAを自己資金で用意して自らのバランスシートに載せることも、Blairなどの会社にISAを売って前払金を受け取り、最終的に返済を受けることもできる。

Blair Servicingは、学生が卒業するとISAから一定の割合で手数料を受け取り、Blair Capitalは基本料金に加えてISAの一部を受け取る。

同社は正確な数字を明らかにしなかったが、顧客は2021年2月以来倍増し、売上は3倍に増えたという。もちろんそれは、常に貪欲なTiger Globalの声明に書かれていたことだ。そしてマールコー氏は彼の最新の出資者とは異なり、持続的で控えめな成長を計画している。長期的には、結果に基づく融資が先進的な教育スタートアップだけでなく、さまざまな業界の雇用や斡旋でもはずみが付くことを期待している。現在同社は、従業員のスキルアップや再教育に力を入れているスポーツ団体や大企業と交渉をしている。インセンティブはEdTech(教育テクノロジー)の鍵であり、この分野への注目が高まる中、Blairがアーリーステージのスタートアップとしてこれに注力していることは重要だ。

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カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:Blair所得分配契約資金調達Tiger Global

画像クレジット:Alex Eben Meyer

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nob Takahashi / facebook