米FCCがネット接続支援に1.08兆円の緊急支出開始、パンデミックによる悪影響が最も深刻な人々を支援

次の記事

金融会計業界の「標準API」Moneytree LINKのマネーツリーが26億円のシリーズC2調達

FCC(米連邦通信委員会)は数カ月にわたる審議を経て、2つの緊急援助基金を通じて総額100億ドル(約1兆800億円)をインターネットや携帯ネットワークへの接続料金の補助に投じる準備を整えた。家庭にコンピュータが1台しかなく家族で共有することを余儀なくされていたり、ネット料金の支払いに困難を感じていたり、収入が打撃を受けたいたりするならこの補助を受けられる可能性が十分ある。

関連記事:米FCCが生活困窮者に対し緊急時にブロードバンド接続を提供する補助事業を起案

実行されるのは、緊急ネット接続支援ファンド(Emergency Connectivity Fund)と緊急ブロードバンド活用支援プログラム(Emergency Broadband Benefit Program)の2つだ。この2つのプログラムは名称が似ているが実際、内容も似ている。米国でネットへの接続性でハンデを抱える人々、特にパンデミックによる悪影響が最も深刻な人々を支援することを目的としている。

「接続支援ファンド」は個々の消費者ではなく、子どもがいる家庭を対象にしている。FCC委員長代行Jessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンウォーセル)氏の説明によるとこの基金は「自宅学習ギャップ」を解消することを目的としている。つまり適切なデバイスや接続がないためにオンラインでの授業に参加できない子どもたちを対象としている。

この基金は、学校や図書館と協力して、ポータブルWi-Fiホットスポット、タブレット、ノートパソコン、その他の接続関連機器の費用を負担する。これらの機関は自分たちのイニシアチブで支援を必要としている子どもたちや家族を発見し、必要な機器を提供した後で、FCCに請求書を回す。

子どもたちの両親はアンケートに答えたり、子どもが何を一番必要としているかを教師に相談したりする必要があるかもしれない。ただし面倒な事務的な作業は必要ないだろう。このプログラムを知っているか、あるいはすでに参加しているかを学校管理者に尋ねてみるとよい。このプログラムはFCCの既存のE-Rateプログラムの一部なので、学校管理者にとってはE-Rateの名前のほうが馴染があるだろう。

個人のユーザーを対象としているのは、緊急ブロードバンド活用支援プログラムだ。申請には多少手間がかかるかもしれないが、基金総額は30億ドル(約3260億円)の今回限りの事業で全額支出した時点で終了する。FCCはメディアに対する電話記者会見で基金の継続期間がどれほどになりそうか正確な推定を明かさなかった。これはそもそもどれほど人が申請していくるか現時点では予測できないためだった。

このプログラムでは、資格要件を満たしているユーザーに対して、ブロードバンド接続料金50ドル(約5440円)、先住民地区では75ドル(約8160円)を補助し、ハードウェアを1回限り100ドル(約1万880円)割引する。資格要件だが、ペル・グラント(連邦ペル給付奨学金)、無料ないし低価格ランチ支給、メディケイドなどの連邦支援プログラムを受ける資格があればほぼ間違いなくブロードバンド支援プログラムにも参加できるはずだ。また年間収入が9万9000ドル(約1077万円)未満で過去1年間に「相当程度の減収」を経験した人々も対象となる。

申し込みは5月12日からオンラインまたは郵送で受け付ける。ただ最も簡単な方法は現在利用しているネット接続のプロバイダーがこのプログラムに参加しているかどうかを確認し、参加しているのならプロバイダーに登録を依頼することだろう。希望者はプロバイダーが用意する様式に記入を求められるかもしれないが、FCCの金庫に30億ドルのキャッシュが残っているかぎり、ネット接続料が50ドル割引になる。

FCCの担当者に同一家庭が2つのプログラムに参加可能である場合、補完するのか、何らかの制限があるののか尋ねてみた。「何らかの制限が必要になると思うが、具体的な内容は後ほど説明する」ということだった。簡単にいえば1つのインターネット回線や機器に対して2つのプログラムからの補助や割引は受けられない。しかし管理方法が異なるのでそうした心配はないだろう。両親は子どもたちが通う学校にどんな補助があるのか尋ねて、個人としてはブロードバンド補助プログラムに申し込めばよいはずだ。同様に他の連邦補助についてもバッティングの心配はない。

なお、この2つの施策はいずれもFCCで超党派の全委員の一致で承認された。委員たちのコメントを見てもプログラムが実現したことを喜んでいる様子がうかがえる。援助を最も必要としている人たちに100億ドルをプレゼントするというのはすばらしい。実現までにかなりの時間がかかったが大勢の人々の役に立つはずだ。

関連記事:ネット中立性に関するコメント2200万の80%が捏造と調査で判明

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:FCC新型コロナウイルスアメリカ

画像クレジット:FCC

原文へ

(文:Devin Coldeway、翻訳:滑川海彦@Facebook