米国のGoogle Payユーザーはインドとシンガポールへの送金が可能に、Googleは送金市場に初参入

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米国のGoogle Pay(グーグル・ペイ)ユーザーは、インドおよびシンガポールのGoogle Payユーザーに送金できるようになった、とGoogleが米国時間5月11日に発表した。同社にとって送金市場への最初の進出となる。

新サービスは、Western Union(ウェスタン・ユニオン)とWise(ワイズ)との提携によって実現した。両社とも自社のサービスをGoogle Payと統合している。Googleのプロダクトマネージメント担当ディレクターのJosh Woodward(ジョシュ・ウッドワード)氏はTechCrunchのインタビューに答えて、同社はまずインドとシンガポール向けに国際送金サービスを始め、年内にはこれを全世界に拡張するつもりだと語った。

「当社が多くのGoogle製品で行っているように、私たちはテストと学習を繰り返し、それから規模を拡大していきます」と彼は述べた。

提携の一環としてWestern Unionは、Google Payの国際送金を200カ国以上で支援する。一方Wise(かつてTransferWiseの名前で知られていた)は80か国以上へとサービスを拡大する。

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米国のGoogle Payユーザーがインドまたはシンガポールの誰かに送金しようとすると、受取人が受け取る正確な金額を知らされる。ユーザーはGoogle Payアプリの中で、使用したい送金プロバイダー(WiseまたはWestern Union)と、受取人がお金を受け取るまでの期間を選ぶ。

現在、米国のGoogle Payユーザーがこの機能を使ってできるのは、インドとシンガポールのユーザーに送金することだけで、逆方向はできない。ウッドワード氏は、インドとシンガポールを選んだ理由の1つとして、送金の世界で極めて重要な国々であることを挙げた。

インドは2019年最大の送金受け取り国で、年間800億ドル(約8兆7100億円)が移動したとWorld Bankは伝えている。一方米国は最大の送金国だ。最終的にGoogleは、全世界の完全に国境を超えた送金を可能にするつもりだ。

1つ注意すべき点。今回の国際送金は個人から個人にのみ使用できる(米国のGoogle Payビジネスユーザーは、インドやシンガポールの個人にも企業にも送金することができない)。

Googleとの提携は、WiseとWestern Unionがいくつかの市場で存在感を増し、PayPalなどのライバルと積極的に競争する後押しになる。PayPalは最も広いサービス提供範囲を有している(ただし、インドへの参入には苦戦している)。法的責任とリスクはWiseとWestern Unionが負う。

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全世界で2億5000万人近くが、年間5000億ドル(約54兆4300億円)以上の国際送金を行っている、と2021年4月にCiti(シティバンク)が発表した。しかし、この分野は破壊が起きるべく熟している。「今の手数料は驚くほど高く、この問題を未だに解決できていないことは非常に残念です」とCitiのアナリストは書いた。送金手数料の世界平均は約6.5%だ。

Western Unionは声明で、受け取り側は手数料が不要で、米国のユーザーが選んだ現地通貨の正確な金額を手にすることができると語った。Wiseは、実際の為替レートに送金手数料を加えたものを請求するが、手数料は国ごとに異なるという(「いくらかかるか一番簡単に知るには、Google Payで友達を見つけ、送金プロバイダーにWiseを選んで「Pay」をタップした後、送金したい金額を入力するだけです」と同氏は語った。

いずれの場合も、Googleが顧客から追加で手数料を取ることはない。さらに6月16日まで、Western UnionはGoogle Payを使った送金を無制限に無料で提供する。Wiseは初めての送金(最大500ドル[約5万4000円]まで)を手数料無料にする。

「パンデミックはインドをはじめとするアジアの多くの地域やラテンアメリカで、地域社会や顧客、同僚たちに計り知れない影響を与え続けています。この便利な方法は、世界中でお金を支払ったり送ったりする方法を見直すことで、この試練の時に助け合いを続けている人たちを手助けするでしょう」とWestern Union Product and PlatformのShelly Swanback(シェリー・スワンバック)社長が声明で語った。

この日の発表は、Googleが米国のGoogle Payアプリを大改訂し、Citiなど金融機関の当座預金機能を加えてバンキングサービス参入の名乗りを上げてから数カ月後のことだった。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:GoogleGoogle Payインドシンガポールアメリカ送金

画像クレジット:Smith Collection/Gado / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nob Takahashi / facebook