ニュース
TikTok(製品・サービス)

YouTubeショートがトップクリエイターに2022年まで報酬、約109億円のファンド創設

次の記事

社員アンケート不要で従業員コンディションを把握可能なHRサービス「Well」が「wellday」へとブランド名変更

YouTubeは、TikTokのライバルであるYouTubeショートに、そのライバルとの競争力を高めるための資金を提供する。米国時間5月11日、、同社は「YouTube Shorts Fund」という1億ドル(約109億円)のファンドを創設した。これはYouTubeショートのクリエイターたちが2021年から2022年の間に最も視聴し、最もエンゲージメントの高いコンテンツを獲得したときに、その報酬を支払うというものだ。ただし、クリエイターがコンテンツ制作のためにこの基金に応募することはできない。その代わりに、YouTubeは毎月、動画が一定のマイルストーンを超えたクリエイターに連絡を取り、彼らの貢献に報いる。

関連記事:TikTokのライバルとなる60秒以内の動画サービス「YouTubeショート」が米国に上陸

報酬をもらえるクリエイターは毎月「数千名」とYouTubeは予想している。クリエイターはYouTube Partner Programの会員でなくてもよい。とにかく、YouTubeショートのためにオリジナル作品を作った者は誰でも、受賞者に選ばれる資格がある。

クリエイターを審査する方法や、報酬をもらえるための資格条件など、このファンドの運営方針の細部はまだ明らかではない。同じ月に同じクリエイターが作った、受賞基準を満たす作品が複数あった場合、その人は複数の報酬をもらえるのか、といったことも不明だ。

同社は受賞資格として「オリジナル作品」であることを強調しているが、そのコンテンツがすでにReelsやSnapchat、TikTokにアップロードされていないことを、どうやってチェックするのか。それもまた明らかにされていない。

画像クレジット: YouTube

現在のところYouTubeは、報酬支払の方法や受賞資格などの詳細は、数カ月後、ファンドの立ち上げが近くなった時点で発表するとしている。また同社は、過去3年間にクリエイターやアーティストやメディア企業などに300億ドル(約3兆2650億円)以上を支払っており、新しいファンドは今後のYouTubeショートの長期的な収益化モデルの構築に貢献するだろうと述べている。

金銭を投じてTikTokの脅威に勝とうとしているのは、YouTubeだけではない。

Snapchatはこれまで、同社のTikTokクローンであるSpotlight上の人気動画のクリエイターに、毎日100万ドル(約1億1000万円)を支払い、そこから数名の百万長者が生まれている。一方、Facebookが所有するInstagramは、2020年のWSJの記事によると、TikTokのトップスターたちに同社の新サービスReelsを使ってもらうために巨額を提示しているという。

関連記事:TikTokのライバルとなる60秒以内の動画サービス「YouTubeショート」が米国に上陸

しかしながら、これらの努力のサイズがどれだけ大きくても、TikTok自身のCreator Fundは負けていない。同社の発表によると、同ファンドは今後3年間で米国では10億ドル(約1090億円)を超え、グローバルではその倍以上になるという。2021年3月には、ファンドをもらえる資格条件をさらに増やし、過去30日間の本当のビューワーが10万以上とした。現在の成功を前提として、さらに相当高い条件を設けているようだ。

YouTubeはこのYouTube Shorts Fund以外にも、いろいろなYouTubeショート対策を行っている。まず、ショートのプレイヤー機能をYouTubeのもっと多くの場所に置き、この短編動画の存在を多くのビューワーに知ってもらおうとしている。またYouTubeショートに広告を掲載するテストを行い、YouTubeショートのクリエイターの全員が、オーディオのリミックス機能を使えるようにしている。

画像クレジット:YouTube

このリミックスは、既存の曲の一部やオリジナルの音声だけでなく、既存のYouTubeビデオからサウンドをサンプリングして、それを自分のYouTubeショートで使えるなど少々物議を醸し出している。YouTube上のクリエイターの一部は、この機能がデフォルトではオプトアウトだと知って驚いている。この機能をいちいち無効にするか、あるいは動画をYouTubeから削除しないかぎり、自分のコンテンツがYouTubeショートで使われるかもしれない。

他にもYouTubeショートは、立ち上げ移行、さまざまな機能を増やしてきた。その中には、キャプションのサポート、ショートのカメラ機能で60秒以内の録画が可能、ショートのカメラで作る録画にスマートフォンのギャラリーからクリップを加えられる、動画の色を修正する簡単なフィルター機能などがある。今後はより多くのエフェクトを提供するそうという。

関連記事:競争が激化する中、TikTokはクリエイター向けに6つの新しいインタラクティブな音楽エフェクトを発表

しかしYouTubeがTikTokに追いつこうといくらがんばっても、TikTok自身のエフェクトも拡張され、また長編ビデオをサポートしてYouTube的にもなっている。たとえばTikTokのクリエイターの一部は、60秒ではなく長さ3分の動画を認められた

YouTubeによると、ファンドの展開は数カ月後で、その後クリエイターコミュニティからのフィードバックを受けて、YouTubeショートのための長期的なプログラムを開発していくという。

関連記事:競争が激化する中、TikTokはクリエイター向けに6つの新しいインタラクティブな音楽エフェクトを発表

カテゴリー:ネットサービス
タグ:YouTubeTikTok

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)