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電動キックスクーターのシェアサービスを展開するBirdがSPACを介して上場、評価額は約2522億円

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三大陸200以上の都市で電動キックスクーターのシェアリングサービスを展開しているスタートアップ企業のBird(バード)は、米国時間5月12日、特別買収目的会社のSwitchback II(スイッチバックII)と合併することにより、23億ドル(約2522億円)の評価額で株式公開すると発表した。この発表は、今週初めにdot.LAが報じたものを含め、BirdがSPACを介して上場を目指すというこれまでの報道を裏付けるものだ。

関連記事:マイクロモビリティのBirdがSPAC合併で間もなく上場との報道

Birdの発表によると、同社は機関投資家のFidelity Management & Research Company LLC(フィデリティ・マネジメント・アンド・リサーチ・カンパニーLLC)などによるPIPE(Private Investment in Public Equity、投資会社が上場企業の私募増資を引き受けること)で1億6000万ドル(約175億円)を調達できたとのこと。また、Apollo Investment Corp(アポロ・インベストメント・コーポレーション)とMidCap Financial Trust(ミッドキャップ・ファイナンシャル・トラスト)は、さらに4000万ドル(約43億8000万円)のアセット・ファイナンスを行った(注:ApolloはTechCrunchを所有するVerizon Media Groupを買収している)。

Switchbackによれば、統合後の企業は最大4億2800万ドル(約469億円)の現金を純額で保持することができ、3億1600万ドル(約347億円)の金銭信託をもたらすという。また、今回の発表では、2021年4月にBracket Capital(ブラケット・キャピタル)、Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)、Valor Equity Partners(ヴァロー・エクイティ・パートナーズ)が主導した優先社債のコンバーティブルエクイティによって、Birdが非公開で調達した2億800万ドル(約228億円)に関する新たな情報も明らかになった。

BirdがいくつかのSPACから「関心を集めている」と、2020年11月にBloomberg(ブルームバーグ)が報じて以来、Birdがいつ、どのようにして株式を公開するかについては、さまざまな憶測を呼んでいた。

Birdの業績は、時期によって浮き沈みが激しい状態が続いている。2020年には収益が前年比37%の9500万ドル(約10億4000万円)にまで落ち込み、コスト削減のために従業員の約30%にあたる406人を解雇したこともある。今回の新たな資金調達手段によって、同社は欧州事業の拡大を図る他、負債の返済に資金を充てると見られている。

そして最も重要なのは、この新たな資金投入によって、同社はようやく黒字化を達成できるかもしれないということだ。これは経費が嵩むことで知られるスクーター関連のスタートアップ企業としては珍しい。

「私たちは、低炭素交通サービスを世界中のより多くの都市のより多くの人々に提供するために、当社のプラットフォームを拡張するとともに、当社のネットワーク全体でさらなる運用効率の向上を図ることを計画しています」と、Birdの広報担当者はTechCrunchの取材に語った。「また、ガソリンで走る自動車に代わる交通手段をさらに増やすため、自転車などのフォームファクタを追加することも計画しており、これは当社の新たな収益源を開拓することになるでしょう」。

特別目的買収会社(SPAC)は、交通関連のスタートアップ企業が株式公開するための一般的なルートとなりつつある。すでに2021年になってから、欧州と米国でマイクロモビリティサービスを展開するスタートアップ企業のHelbiz(ヘルビズ)が、GreenVision Acquisition Corp.(グリーンビジョン・アクイジション・コーポレーション)との合併により、SPAC経由で株式を公開した。SPACとの統合は、伝統的な新規株式公開を行わずに、企業がNASDAQ(ナスダック)に上場することを可能にする。

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タグ:BirdSPAC電動キックスクーター

画像クレジット:Bird

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)