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量子コンピュータ同士をつなぐ「量子モデム」を開発するオランダのQphoXが約2.6億円調達

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やがて実際に使える現実のものとなったとき、もしそれらが離れ離れに置いてあるだけだったら、量子コンピュータの価値は限られてしまう。インターネットと同じように、価値はネットワークにある。だが現在、これらのパワフルなデバイスをつなぐ技術はほとんど存在しない。

そこで登場したのが、QphoXだ。量子コンピュータを「量子モデム」で接続するオランダの同スタートアップは、このたび200万ユーロ(約2億6000万円)の資金を調達した。

今回の資金調達ラウンドはQuantonation、Speedinvest、そしてHigh-Tech Gründerfondsが主導し、オランダの国立大学であるデルフト工科大学(Technische Universiteit Delft)も参加した。

QphoXは、デルフト工科大学で開発された「Quantum Modem(量子モデム)」を商品化することを目指している。これにより、別々のプロセッサーをネットワーク化し、量子コンピュータの規模を数十〜数百キュービット以上にすることができるという。シンギュラリティの到来となるか……。

QphoXの共同創業者兼CEOであるSimon Gröblacher(サイモン・グローブラッカー)氏は、筆者にこう語った。「量子コンピュータという以外は古典的なモデムとまったく同じです。言ってみれば電気信号やマイクロ波信号をコヒーレントに光信号に変換するので、その過程で量子情報は一切使用しません。その後、再び変換することで、2台の量子コンピュータがお互いに会話できるようになります」。

量子コンピュータは1種類ではないが、と指摘すると、同氏はこう応じた。「どのような量子コンピュータであるかについては、原則として非依存です。現在当社が行っているのはマイクロ波の部分に焦点を当て、超伝導量子ビットやトポロジカル量子ビットなどを扱えるようにすることです。マイクロ波を光信号に変換して、お互いに会話できるようになります。現時点で、私が把握している競合相手はすべて学界にあります。ですから当社が、実際に製品を作り始めた最初の企業ということになります」。

SpeedinvestのDeep TechチームのプリンシパルであるRick Hao(リック・ハオ)氏は次のように述べている。「当社は、未来を形作るシードステージのディープテック新興企業に投資したいと考えており、QphoXは大きなインパクトを与えることができる良いポジションにあります。今後2、3年の間に、量子コンピュータは急速に進歩するでしょう。QphoXが開発した製品であるQuantum Modemは、別々の量子プロセッサを組み合わせることで、量子的な優位性を発揮する量子コンピュータの開発を可能にします」。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:QphoX量子コンピュータオランダ資金調達

画像クレジット:QphoX team

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)