16歳が作ったバーチャル学習ツール「Hours」を高校生向け学習コミュニティのFiveableが買収

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Fiveable(ファイバブル)は高校生のためのオンライン学習コミュニティだ。今週、初めての買収を行った。16歳が作ったバーチャル学習プラットフォームのHours(アワーズ)だ。契約条件は公表されていない。

Fiveableは、高校生のための無料のオンライン学習プラットフォームで、生徒がアドバンスト・プレイスメント(AP)テストに合格するための支援に焦点を当てている。特定の科目に絞った5時間の「cram shop(詰め込みクラス)」をライブストリームし、学習計画を作成し、数千人の生徒が参加するDiscord(ディスコード)を管理する。

「生徒にはDiscordサーバーがあり、subreddit(Redditのスレッド)があり、さまざまなプラットフォームでグループチャットがインフォーマルに行われています」とファウンダーの Amanda DoAmaral(アマンダ・ドゥアマラル)氏は2021年3月に話した。「しかしソーシャル学習が行われる中心となる場所が必要です。生徒が支援を受け、友達を見つけ、目標に向かって成長するための場所です」。

彼女は50万人の生徒がFiveableを毎月使っていると推計している。そして、会社にとって初めての買収が、その同じユーザーたちを注意してみていたことで実現したのは実にふさわしい出来事だ。

彼女はFiveableコミュニティの生徒たちがグループ学習セッションを開催するためにHoursを使っていることに数カ月前気がついた。Hoursを使うと生徒は学習セッションを開き、各自がタスクリストを作り、タイマーとプレイリストをシェアすることができる。ドゥアマラル氏はこれを「マルチプレイヤー体験」と呼び、モチベーションと責任感を高める効果があるという。シングルプレイヤー体験もあり、生徒が「focus mode(集中モード)」を選ぶとチャットやタスクリストのハイライト表示がなくなる。

タスク表示(画像クレジット:Hours)

つまり、Fiveableはコミュニティの感覚を、アクティブなDiscordから学習に特化したツールへと拡張することができる。Hoursは製品化されてからの6カ月間で1万7000人以上の学生が使用しており、スタンフォード大学、MIT(マサチューセッツ工科大学)、ニューヨーク大学など120か国以上の学生がいる。

「Discordのテキストや音声チャットで勉強する体験は、Hoursのマルチプレイヤーモードと似ていますが、Discordにはタスクを管理したり全生徒の進捗を見る方法がありません」と彼女はいう。「Hoursはグループによる学習セッションの柔軟性が高いこと、および生徒がひとりで学習する機能がある点で、より優れた体験といえます」。

同社が、自社で開発するのではなくHoursを買い取る決断をした理由が2つある。生徒たちがすでにこの製品を大いに気に入っていたこと、作ったのが「非常に魅力的な16歳」のCalix Huang(キャリックス・ホアン)氏だからだ。

ホアン氏はベイエリアの高校2年生で、すでにテクノロジーの買収とスタートアップの経験をもっている。2020年10月、彼はパンデミック下の1人勉強体験に対応すべくHoursを創業した。Fiveableによる買収に伴い、ホアン氏はリードプロダクトマネージャーとしてチームに加わり、パートタイムでHoursの作業を行う。

「キャリックス(ホアン氏)は来年、3年生になるので、卒業するまではパートタイムで勤務します。その後、同僚たちと同じように次にどうするかという大きな決断を下します。その中にはフルタイムで働く選択肢もあります」とドゥアマラル氏はいう。若き人材を雇用するのはこのスタートアップにとって新しいことではない。Fiveableのさまざまなチームには118名以上の学生が給料をもらって働いている。学生たちは週に5~10時間パートタイムで仕事をして、Fiveableは時給15~23ドル(約1640〜2520円)払っている。

FiveableはHoursを、同社のガイド、トリビア、Discordとともに無料サービスとしての提供を継続する予定だ。現在同社は2種類の方法で収益を上げている。25ドル(約2740円)のCram-Pass(クラムパス)と5ドル(約550円)のライブイベント、試験前夜の5時間の復習などだ。同スタートアップはこれまでに350万ドル(約3億8000万円)を、Matchstick Ventures(マッチスティック・ベンチャーズ)、Cream City Venture Capital(クリームシティー・ベンチャーキャピタル)、Spero Ventures(スピロ・ベンチャーズ)、最近ではテニスのレジェンド、セリーナ・ウィリアムズ氏など、著名なベンチャーキャピタルから調達している。

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カテゴリー:EdTech
タグ:Fiveableオンライン学習Hours買収

画像クレジット:robuart / Shutterstock

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nob Takahashi / facebook