パイプラインへのサイバー攻撃で燃料不足の米国でガソスタアプリ「GasBuddy」が初のApp Store1位に

次の記事

傘シェアリング「アイカサ」のスマホアプリが30分以内に雨が降る場合の予報表示など新機能搭載

普段は近所で最も安いガソリンを見つけるのに役立つモバイルアプリ「GasBuddy(ガスバディ)」が、初めて米国のApp Store(アップストア)で1位になった。これはColonial Pipelin(コロニアル・パイプライン)がサイバー攻撃を受けたことで、米国で燃料不足が起きているためだ。ガソリンが入手できなくなることを恐れた米国人は、2020年のトイレットペーパー不足以来となるパニック買いを始めた。その結果、数千ものガソリンスタンドで燃料が完全に売り切れてしまった。この劇的な状況は、GasBuddyアプリに大きな恩恵をもたらした。GasBuddyアプリには、その地域のどのスタンドでまだガソリンが販売されているかを探し出すのに役立つクラウドソース機能が含まれているからだ。

GasBuddyによると、コロニアル・パイプラインの停止による影響は、米国時間5月12日午後の時点で、米国南東部とワシントンD.C.を中心に、米国の11の州に及んでいる。中でもノースカロライナ州が最も多く、水曜日の米国東部時間午後2時48分時点で、65%のスタンドがガソリンを切らしていると、ユーザーたちから報告されている。最も少ないのはケンタッキー州で、わずか2%に過ぎない。ただし、このデータはGasBuddyユーザーの自己申告によるものであるため、最新の情報を表していない可能性があることは留意しておくべきだ。

GasBuddyアプリのスクリーンショット

この1週間、消費者はどこのスタンドでガソリンを入れられるかを知るためにGasBuddyを利用していた。米国時間5月11日、GasBuddyはApp Storeの「旅行」カテゴリで1位を獲得し、App Storeのトップ総合チャートでも着実に順位を上げていた。

12日の午後になると、GasBuddyはゲーム以外のカテゴリーで1位になっただけでなく、米国のApp Storeで最も総合順位の高いアプリとなった。

モバイルアプリの情報提供会社であるApptopia(アップトピア)のデータによると、11日のGasBuddyの新規ダウンロード数は1万5203件で、過去30日間の1日あたりの平均ダウンロード数である9560件から59%増加している。もっとも、サードパーティによるデータは突然のランクアップには必ずしも正確に対応しているわけではなく、反映されるまでに数日かかることも多い。

画像クレジット:Apptopia

GasBuddyにコメントを求めたところ、同社のダウンロード数はサードパーティーの推測をはるかに上回るものだったと述べている。App StoreとGoogle Play(グーグル・プレイ)の両方を含むすべてのプラットフォームで、11日には2021年の平均的な日に比べて20倍ものダウンロード数を記録したという。過去30日間の1日あたりの平均ダウンロード数が1万5339件であったのに対し、11日は合計31万3001件のダウンロードがあったと、同社はTechCrunchに語った。

プラットフォーム別に見ると、2021年5月11日火曜日にはAndroidで10万4735件、iOSで20万8266件のダウンロードを確認したという。

Apptopiaによれば、GasBuddyがApp StoreのランキングでNo.1アプリになったことは、2015年1月1日まで遡っても一度もないという。しかし、GasBuddyのアプリ自体は2010年にリリースされているため、(可能性は低いものの)2015年1月1日以前に1位になったことはあるかもしれないとしていた。

GasBuddyに確認したところ、それはないことを認めた。2017年9月のHurricane Irma(ハリケーン・イルマ)の際に、トランシーバーアプリに次いで2位になったことはあるが、App Storeのトップになったのは2021年の5月12日が初めてだそうだ。

App Storeのスクリーンショット(Wed., May 12, 2021)

GasBuddyのウェブサイト上では、州全体における燃料の供給停止状況や最高値の場所などを引き続き確認できる。アプリを使えば、ユーザーはスタンドにガソリンか軽油があるかどうかを、現在の価格とともに報告することができる。

湾岸から北東部までの5500マイル(約8850キロメートル)を結ぶコロニアル・パイプラインは、ロシアや東欧が拠点とみられる犯罪ハッキングネットワーク「DarkSide(ダークサイド)」によるランサムウェアの攻撃を受け、米国時間5月7日に停止した。このパイプラインは、東海岸で使用される燃料の約45%を供給している。パイプライン操業停止の報道を受けた米国人がガソリンの買いだめに走ったことから、状況はさらに悪化した。米国エネルギー長官のJennifer Granholm(ジェニファー・グランホルム)氏は、コロニアル・パイプラインは今週中に操業を再開する意向であると語っている。

関連記事:

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GasBuddyアメリカアプリサイバー攻撃App StoreGoogle Pay

画像クレジット:Pramote Polyamate / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)