AWSがオンプレミスソフトウェアをSaaSに変えるツールをオープンソースでリリース

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AWSは米国時間5月12日、AWS SaaS Boostと呼ばれるツールを、Apache 2.0のライセンスで配布されるオープンソースでリリースすると発表した。このツールは2020年のAWS re:Inventカンファレンスで最初に発表され、企業はこれを使って自社のオンプレミスのソフトウェアをクラウド上のSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)に変えることができる。

このソフトウェアの綱領で同社は、ミッションを次のように記している。「私たちのミッションは、SaaSのビルダーのための拡張可能なビルディングブロックの、コミュニティ主導のスイートを作ることだ。私たちの目標は、AWS上のマルチテナントSaaSソリューションを提供し運用する能力を加速する、再利用可能なコードを開発し共有するための、オープンな環境を育むことです」。

ツールが具体的に行うのは、アプリケーションをユーザーをサインアップしてマルチテナントのクラウドというコンテキストで、彼らにそのアプリケーションを使わせるものへと変えるツールを提供することだ。オープンソースであっても、アプリケーションをAWSのシステムへ移動し、AWS CloudFormation、AWS Identity、Access Management(IAM)、Amazon Route 53、Elastic Load Balancing、AmazonのサーバーレスツールであるAWS Lambda、そしてAmazonのKubernetesサービスであるAmazon Elastic Container ServiceといったさまざまなAWSのサービスにアクセスできるようにする。ただし、代わりに他社のサービスを使うこともできるだろう。

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オープンソースなので、この種のサービスを必要とする企業がそのソースコードにアクセスでき、安心感が得られるとともに、ベースプロダクトを拡張してプロジェクトに寄与貢献し結果をコミュニティに還元できる。このような柔軟性が得られるという意味でそれは、ツールをユーザーの勝利としツールの背後のコミュニティの利益になり、長期的にはコミュニティがツールを改良し強化してくれるのだから、AWSにとっても勝利だ。

SaaS Bootをオープンソースにする意図を述べているブログ記事で、AmazonのAdrian De Luca(エイドリアン・デ・ルーカ)氏が次のように書いている。「AWS SaaS Boostの私たちとしての目的は、できるかぎり多くのデベロッパーと企業の手中にある、長年の経験に基づくすばらしいクオリティのソフトウェアを、そのままクラウド上に得られることである。SaaS Boostはオープンソースのソフトウェアであり、誰もがその改良に手を貸すことができる。私たちの希望は、ビルダーのコミュニティによって機能の開発が速くなり、多様なSaaSソフトウェアと統合でき、企業のサイズや位置を問わずに顧客に高品質なソリューションを提供できることだ」。

この発表のわずか2週間前には、同社は、機械学習で動くミニレースカー「Deep Racer」デバイスのソフトウェアをオープンソースにした。とはいうもののAmazonは過去2年間、オープンソースとの関係が複雑だった。その間、MongoDBやElastic、CockroachDBのような企業が彼らのオープンソースのライセンスを変えて、Amazonが自分たちのソフトウェアパッケージの独自にホストされるバージョンを作ることを防ごうとした。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AWSオープンソースSaaSオンプレミス

画像クレジット:Jason Alden/Bloomberg/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)