企業がサイバー犯罪と戦うためのノーコードプラットフォームを提供するSpecTrustが約4.7億円調達

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企業向けリスク防御を手がけるスタートアップ企業のSpecTrust(スペックトラスト)は、430万ドル(約4億7000万円)のシード資金を調達し、ステルスモードを脱してその技術を発表した。

今回のラウンドは、Cyber Mentor Fund(サイバー・メンター・ファンド)が主導し、Rally Ventures(ラリー・ベンチャーズ)、SignalFire(シグナルファイヤ)、Dreamit Ventures(ドリーミット・ベンチャーズ)、Legion Capital(レギオン・キャピタル)が参加した。

SpecTrustは「不正行為対策の経済性を改善する」ことを目的とする企業で、そのノーコードプラットフォームにより、企業のリスクインフラにかかる費用の90%を削減し「数カ月ではなく数分」で脅威に対応できると、同社では主張している。

「2020年1月、私はAPIに代わって、すべての複雑なオーケストレーションを処理でき、すべてのデータを統合するクラウドベースのサービスを構築することを思いつきました」と、同社のNate Kharrl(ネイト・カール)CEOは語る。同氏はBryce Verdier(ブライス・ヴェルディエ)氏やPatrick Chen(パトリック・チェン)氏とともに会社を設立した。「そして、それはうまく機能しました。しかも、その場で処理しているとは思えないほどの速さで機能しました」。

例えば、SpecTrustは初期の頃でさえ、数秒でIDの行動情報を引き出すことができたという。

「現在では、5ミリ秒から7ミリ秒といったところでしょうか」と、カール氏はいう。「そして、エンジニアは何かをリフトしたり、データモデルを調整したりする必要がありません」。

カリフォルニア州サンノゼを拠点とするこのスタートアップ企業が提供するサービスは、インターネット上で、ウェブサイトやアプリとそのユーザーの間に展開されるため、企業はエンジニアのリソースを消費することなく、不正行為を防止することができる、と同社は述べている。eBay(イーベイ)やThreatMetrix(スレットメトリックス)でリスク管理部門を担当していたチームが設立したSpecTrustは、企業(特に金融機関)がノーコードで提供されるという柔軟性に惹かれることを見込んでいる。

金融機関の多くは、コンプライアンスとオンボーディング、認証リスクと支払い、ユーザーの信頼と安全に分断されていると、カール氏はいう。

「私たちは、これらすべてのツールを組み合わせてすべてのことに対応し、金融機関が応対している相手が顧客本人であり、悪意を持って行動していないことを確認します」と、同氏はTechCrunchの取材に語った。「私たちのプラットフォームは、両者とそのトラフィックの間に入り、リスクと詐欺の担当チームが悪者を発見するために必要なものを確保します」。

画像クレジット:SpecTrust

オンラインビジネスでは、リスク防衛のために何十億ドル(数千億円)もの費用をかけているにもかかわらず、詐欺、不正行為、ID窃盗に多くの金銭を奪われている、とカール氏はいう。また、新型コロナウイルスの流行は、より多くの人々が日々のニーズを満たすためにインターネットに依存するようになり、デジタル経済に世界的な変化をもたらした。

「このような商取引や銀行取引の新たなトレンドに伴い、詐欺、不正行為、ID窃盗が人々や企業を狙う機会が増加しました」と、カール氏は付け加えた。例えば、驚くほど多くのサイバー犯罪者が、ノーコードの攻撃ツールやクリックするだけで展開できる基盤構造を利用して、高度な攻撃を仕掛けてきた。

大規模銀行向けに設計されたレガシーソフトウェアは時間とコストがかかるため、フィンテック企業や暗号資産企業が最も大きな影響を受けていると、カール氏はいう。

「私たちがSpecTrustを開発したのは、現代のサイバー犯罪の脅威に立ち向かうチームに、完全な評価、自動化、施行の機能を迅速に提供するためです」。

同社のプラットフォームを利用すれば、企業のリスク管理チームは、顧客が行った「最初のページビューから最後のクリックまで」すべての動作を、統合された行動、ID、履歴、リスクデータとともに確認および調査することができるという。

技術的な知識を持たないスタッフでも、攻撃行動の特定、顧客の身元情報の確認、支払い情報の検証、脅威の軽減などを、損失を受ける前に行うことができると、カール氏は述べている。

SignalFireのJon Lim(ジョン・リム)氏は、SpecTrustがエンド・ツー・エンドのリスク保護プラットフォームを構築したことで、あらゆる規模とリスクプロファイルの顧客が「最新の革新的なリスク保護ソリューションにアクセスして、進化する脅威的状況に迅速に対応し、そのベストプラクティスや学習内容を顧客全体で共有できる」と述べている。

そしてもちろん、このスタートアップ企業のノーコードプラットフォームと、各ユーザーとのやりとりを独立したイベントとして扱うのではなく、すべてのユーザーとのやりとりを可視化する機能に惹かれて、彼らは投資することにした。

「これは顧客をより強力に保護できるだけでなく、エンドユーザーによりスムーズな体験を提供することにもなるのです」と、リム氏は述べている。

詐欺防止の分野は最近注目を集めている。SpecTrustと同様に、詐欺行為の予測と防止を目的とするSift(スイフト)は、4月の資金調達ラウンドで5000万ドル(約54億7000万円)を調達し、同社の価値は10億ドル(約1090億円)を超えた。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:SpecTrustノーコード資金調達サイバー攻撃

画像クレジット:WhataWin / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Hirokazu Kusakabe)