アマゾンがAppleに対抗して無料でロスレス音楽配信サービスにアップグレード、まずは北米などから

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Apple Musicがロスレス・空間オーディオを2021年6月から提供、追加料金なし

Apple(アップル)が、Dolby Atmos(ドルビー・アトモス)に対応したロスレスオーディオと空間オーディオを提供する次世代音楽サービス発表したのに続いて、今度はAmazon(アマゾン)が自社のストリーミング音楽加入者のつなぎとめを目的とした動きを見せている。同社によれば、今後、高品質のストリーミングサービスであるAmazon Music HD(アマゾン・ミュージックHD)を、すべてのAmazon Music Unlimited(アマゾン・ミュージック・アンリミテッド)加入者に追加料金なしで提供する。

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Amazonが2019年秋に初めて発表したAmazon Music HDは、5000万曲以上の楽曲へのアクセスが可能で、AmazonがHDと呼んでいるビット深度16ビット、サンプルレート44.1kHz(CD相当)のスペックでストリーミングされている。同社はさらに「数百万」曲以上を、Ultra HD、すなわち24ビットで最大192kHzのサンプルレート(CD以上の品質)でストリーミングすることも約束した。

現在、Amazon MusicのHDカタログは7000万曲以上に増え、Ultra HDの楽曲も700万曲以上用意されている。また、Amazon Music HDの利用者は、カタログが充実しつつあるDolby AtmosやSony 360RAなどの3Dオーディオフォーマットでリミックスされた楽曲へもアクセスすることが可能で、それらはAmazon自身の高音質スピーカーEcho Studio(エコー・スタジオ)で再生することが可能だ。

同社よれば、360RA形式の音楽は、Alexa Cast(アレクサ・キャスト)を使用することで、Sony(ソニー)のRA5000およびRA3000のスピーカー上でもAmazon Music HDを介してストリーミング再生することが可能だという。

AmazonのHDストリーミングの開始は、より高品質なストリームでオーディオファンに受け入れられてきた音楽ストリーミングサービスのTidal(タイダル)に対抗する方法であると同時に、AppleやSpotify(スポティファイ)のような大規模なストリーミングライバルとの差別化を図る方法として捉えられてきた。なおSpotifyは、最近独自のハイエンドサブスクリプションであるSpotify HiFi(スポティファイ・ハイファイ)を発表した(価格ならびに開始時期は未発表)。

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これまでAmazon Music HDの価格は、Amazonプライム加入者は月額12.99ドル(日本では税込1780円)、それ以外の利用者は月額14.99ドル(日本では税込1980円)だった。今回Amazonは、Amazon Music Unlimited個人プラン(プライム会員は月額7.99ドル[日本では税込780円]、それ以外は月額9.99ドル[日本では税込980円])またはファミリープラン月額14.99ドル(日本では税込1480円)の、新規および既存の契約者が追加料金なしでAmazon Music HDにアップグレードできるとしており、実質的に月額5ドル(約546円)の値下げとなる(訳注:日本でのAmazon Music HDの取扱変更は現時点では発表されていない、もし仮に米国式の価格スライドが行われるならば日本では実質1000円の値下げとなる)。

この変更は次の請求サイクルから適用され、米国、英国、ドイツ、カナダ、フランス、イタリア、スペインで実施される。

Amazon Musicの副社長であるSteve Boom(スティーブ・ブーム)氏は「Amazon Music HDを立ち上げたときの私たちの目標は、世界中の音楽ファンが、アーティストが意図した方法で音楽を聞けるように、最高品質のレコーディングをストリーミングできるようにして、業界をリードすることでした」と語る。「そして今回、Amazon Music HDをどなたでも追加料金なしで利用していただけるようにできることに興奮しています。すべての音楽ファンがこのクオリティーの音楽にアクセスできるべきたったのです。それがいま実現されました」と彼は付け加えた。

AmazonがHD楽曲を無料でアップグレードするという今回の動きは、米国時間5月17日午前中にAppleが行った、2021年6月から追加料金なしでApple Musicにロスレスオーディオを追加するという発表に続くものだ。Appleは7500万曲以上をロスレスオーディオで提供すると謳っていて、そのアップグレードでは、Dolby Atmosに対応した空間オーディオも実現する。このような市場の変化を受けて、SpotifyもHiFi音楽サービスを競争力のある価格にしなければならないというプレッシャーを感じている。

Amazon Music Unlimitedは、Amazonの人気会員制サービス「プライム」と連携していることで、より大きな規模に発展する可能性を秘めているため、音楽ストリーミングのダークホースとして注目されていた。同サービスは、2020年初頭以来、5500万人の加入者を獲得してきたが、Amazonは現時点での最新の数値の提供を拒否している。ちなみに、Apple Musicは2019年に6000万人の加入者がいることを発表していて、2020年初頭にはその数は7200万人になったと推定され、現在では8000万人以上になっている可能性が高い。一方、Spotifyの有料会員数は1億5800万人である。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:AmazonAmazon Music音楽ストリーミング音楽Apple Music

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Sarah Perez、翻訳:sako)