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ロンドンの電動キックスクーター実験にDott、Lime、Tierの3社が選ばれる

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ロンドン交通局およびロンドン市議会は、Dott(ドット)、Lime(ライム)、Tier Mobility(ティア・モビリティ)の3社を、電動スクーターの賞金付きパイロットの勝者として発表した。これで各社の求人広告に基づく疑惑が裏づけられた。

2020年、英国政府は地方行政による電動スクーターのレンタル試験を合法化したが、個人所有の電動スクーターの利用は未だに違法だ。この法律はロンドン交通局とロンドン市議会による運用会社候補の開かれた競争調達プロセスの実施に拍車をかけた。パイロットは最大12カ月続き、カナリー・ワーフとシティ・オブ・ロンドンを含む複数のロンドン特別区で2021年6月から始まる。今後他の地域も加わる予定だと交通局は言っている。ランベスとサザークも参加を検討している。

乗車の開始と終了は参加地区内でのみ可能で、指定されたスクーターの駐車場所は運用者によるジオフェンシング機能によって管理されている。ただし、利用者は対象の区と「ライドスルーエリア」の間を自由に行き来できるが、現時点ではタワーハムレッツのみのようだ。参加する区ではそれぞれ60~150台の電動キックスクーターがレンタル可能だ。ロンドン交通局は、規則遵守にすぐれた運用者に対して徐々にスクーターの追加を許可する。規則を守らないところは台数を減らされる可能性がある。

安全とデータ共有が参加スクーター会社の主要な要件だ。交通局は運用者が共有するデータをロンドンおよび英国の将来の電動キックスクーター政策に役立て、ロンドンのパンデミックからの持続可能な復旧の有力な選択肢として電動キックスクーターを検討したいと考えている。ロンドン市長は2030年までのゼロカーボン都市という目標を掲げており、内燃機関車への依存を減らすグリーンな移動手段は不可欠だ。

「私たちはロンドンの新型コロナウイルスパンデミックからの安全で持続可能な復旧を支援するためにできることはすべてやっています。そして電動スクーターが自動車と比べて革新的でよりグリーンな選択肢になることは明白です」とロンドン交通局の電動スクーター試験の責任者Helen Sharp(ヘレン・シャープ)氏が声明で述べた。「この新たな試験は、今以上にグリーンで健康なロンドンの未来に向けた私たちの戦略における、電動スクーターの長期的役割を決めるために必要なデータと見識をもたらすものです」。

ロンドン交通局はスクーターの安全要件を以下のように定めている。

  • 最大速度を20 km/hに下げる
  • ライトは前後に装備しレンタル中は常時点灯している
  • 利用者がハンドルを握る手を持ち替えずに使用できる警告音装置
  • 新規利用者のEラーニングによる安全講座受講を必須とする「初回利用ポリシー」
  • 歩道の走行を禁止する規則

あらゆる行政組織と同じく、道路の渋滞はロンドンにとって特に深刻な問題だ。厳格なジオフェンシング規則に加えて、車両が不正駐車、損傷、あるいは妨害した場合、運用者には通報義務時間が決められると交通局はいう。

「電動キックスクーターの利用者および他の道路利用者や歩行者の安全は、絶対的に最重要なものであり、高い基準を満たすためにこの厳格な方法で試験することが大切です」とロンドンの徒歩・自転車交通コミッショナーであるWill Norman(ウィル・ノーマン)氏が声明で述べた。

Dott、Lime、Tierの3社はそれぞれのレンタル価格を設定するが、エッセンシャルワーカー(必要不可欠な労働者)や低所得者のニーズに配慮して適切な割引を提供する必要がある。Limeはすでに、運用地域でLime Access Program(ライム・アクセス・プログラム)実施しており、生活保護を受けている人やパンデミックの影響を特に受けている人々に50%割引を提供する。

最近、ニューヨークとパリでパイロットに選ばれたLimeは、電動キックスクーター、自転車およびベダル付きオートバイのレンタルをヨーロッパ、東南アジア、米国、韓国、オーストラリア、およびニュージーランドの130都市以上で提供しており、大都市における支配を強固にするばかりだ。現在、ロンドンで電動アシスト自転車を運用している同社は当選確実だった。

ドイツ、ベルリン拠点のTier Mobilityは、こちらもパリで運用している2番目の強打者だ。最近進出したポーランドのクラコフは同社100番目の都市であり、今後もヨーロッパ、中東、および新たな市場へ進出するとともに、電動アシスト自転車も隊列に加える計画だ。

電動キックスクーターの他に、Tierは利用者が交換できるバッテリー事業をロンドンで実施する予定だ。ライダーはロンドン各地の地域店舗が管理する充電ステーションでバッテリーを交換できる。利用者は無料乗車距離を得られるとともに、パンデミックからの復活を目指す店舗の客足を伸ばすことが期待できる。また、こうしたクラウドソーシング的アプローチには、充電のために電動スクーターを集めて倉庫へ輸送することによる混雑を緩和する可能性もある。

どこの大都市スクーター契約でも見られるように、有望新人が1人はいる。ロンドンの場合、それはオランダ、アムステルダム拠点のDottで、最近シリーズBで8500万ドル調達した同社は、ヨーロッパの約20都市で運用している。ロンドンはDottにとって初の英国都市になる。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:DottLimeTier Mobilityロンドン電動キックスクーター

画像クレジット:Lime

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook