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アマゾンの物流戦略に対する中国の回答、JD Logisticsが約3712億円調達に向けIPO準備中

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14年間にわたって赤字経営を続けてきたJD.com(ジンドン、京東商城)の物流子会社が、香港でのIPOに向けて準備を進めている。JD Logistics(京東物流)は、1株あたり39.36香港ドル(約553円)から43.36香港ドル(約610円)の間で価格を設定し、最大で約264億香港ドル(34億ドル、約3712億円)の資金を調達する可能性があると、新たな申請書で述べている。

中国におけるAlibaba(アリババ)のeコマースのライバルであるJD.comは、2007年に独自の物流・輸送ネットワークの構築を一から始め、2017年に同部門をスピンアウトした。これは、JD.comのヘルステック部門やフィンテック部門など、同テック巨人の主要部門が独立したパターンに倣ったものだ。JD.comは現在JD Logisticsの最大株主であり、後者の株式を計79%保有している。

JD.comは、サードパーティパートナーのネットワークに依存して注文を処理するAlibabaとは異なり、Amazon(アマゾン)のようなヘビーアセットなアプローチをとり、倉庫センターを構築し、多数の配送スタッフを雇用している。2020年の時点で、JD Logisticsは配送や倉庫業務、その他の顧客サービス部門で、24万6800人以上の従業員を擁していた。同社の2020年の総従業員数は25万8700人だった。

JD Logisticsが独立後に行った大きな戦略的決断は、JD.comの自社需要の範囲を超えて外部顧客に技術を開放し、Skechers(スケッチャーズ)のような小売業者の物流業務の最適化を支援することだった。その結果、外部顧客からの収益に占める割合は、2018年の29.9%から2019年には38.4%に、2020年9月に終了した9カ月間では43.4%に上昇した。

「当社の成長戦略は、サプライチェーンサービスのアウトソーシング化の傾向が継続するという前提に一部基づいています」と同社は目論見書で述べている。

「当社のようなサードパーティサービスプロバイダーは、主に当社の専門知識、技術、より低く柔軟な従業員のコスト構造の結果として、一般的に『社内』で提供されるよりも効率的にそうしたサービスを提供することができます」とも。

しかし、小売業者がサードパーティサービスプロバイダーに依存することにリスクを感じる場合には、彼ら自身がサプライチェーンオペレーションを自社で行うことに切り替える可能性もあると、同社は付け加えている。

JD Logisticsの最大のセールスポイントは、最終消費者の近くに同社が所有している倉庫を利用して、当日または翌日に配達することだ。2020年には、同社が処理した総注文数の約9割が当日または翌日に届けられたという。

このようなユーザー体験はJD Logisticsにとってかなりのコストをともなうが、損失は縮小している。同社は2018年、2019年、2020年9月30日までの9カ月間に、それぞれ28億元(約475億円)、22億元(約373億円)、1170万元(約2億円)の純損失を計上した。

同社の売上総利益率は、スケールメリット、運用効率の向上、新型コロナウイルスパンデミック期間中の雇用者が拠出する社会保障費の削減や通行料の免除に関する政府の補助金などにより、2019年9月30日に終了した9カ月間の8.5%から2020年の同期間には10.9%に改善した。

JD Logisticsは、中国のラストマイル配送サービスであるDada(達達)と提携し、中国語で「JDが家に届く(京東到家)」を略したJDDJ(JD-Daojia)を設立することで、インスタント配送に参入した。JDDJは、2016年からWalmart(ウォルマート)の中国におけるオンデマンド配送サービスのプロバイダーとなっている。

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タグ:JD LogisticsIPO中国物流JD.com資金調達

画像クレジット:JD Logistics

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)