ファストファッション「SHEIN」がアマゾンを抜き米国で最もインストールされたショッピングアプリに

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App Annieが発表したデータによると、米国のiOSおよびAndroidで最もダウンロードされたショッピングアプリは、Amazonを抜いてファストファッションのeコマースアプリ「SHEIN」となり、その静かな成長が頂点に達した。

その上昇が静かだったのは、評価額150億ドル(約1兆6350億円)超と報じられているにも関わらず、異様なほどの低姿勢を維持し、メディアに知られる努力をしてこなかったためだ。中国にフォーカスしているインターネットアナリストのMatthew Brennan(マシュー・ブレナン)氏は、同社に関する詳細記事の中でこのアプリを「eコマースのTikTok」と呼んでおり、多くのアパレルリテイラーと同様、製造を中国で行っている。

違いは、SHEINが独自の生産チェーンを持ち、デザインからプロトタイプ開発、調達、そして生産に至るまで全工程をコントロールしていることだ。その各段階は高度にデジタル化され、他の工程と連結しているため、特定の地域やユーザーの嗜好性に向けて特製した何百種類もの新製品を「日産」というペースで量産できる。そのやり方は、ユーザーの習慣をアルゴリズムを使ってリアルタイムに理解しコンテンツのクリエイターとマッチングするTikTokのやり方と、似てなくはない。

米国時間5月11日にSHEINはAndroid上の最も多くインストールされたショッピングアプリになり、その6日後にiOSでもトップになった。

SHEINは以前の名称である「She Inside」だった際、誰も知らなかった。同社の公式ウェブサイトには、自社の紹介として2008年に創業された「国際的B2Cのファストファッションeコマースプラットフォーム」とある。創業者でCEOのChris Xu(クリス・シュー)氏への言及はない。WeChatにポストされた2018年の企業ブログには、本社は南京にあり、その中国東部の都市は、多くの史跡と中国の家電販売大手である蘇寧電器(Suning Appliance)の本社所在地として知られている、と書かれている。オフィスは中国のその他の大都市と、米国、ベルギー、そしてアラブ首長国連邦にある。

SHEINの低姿勢は、中国と関係のあるテクノロジー企業が世界中でこうむっている地政学的緊張や規制の強化と無縁ではないだろう。SHEINは販売チャネルも自社のものであるため、ユーザーデータも自ら保有している。そこが、顧客の取得をAmazonに依存し、ユーザーデータを自分では活用できないありきたりの消費者ブランドとの違いだ。

2020年6月、インド政府はTikTokやWeChatを含む59のアプリのうち、「インドの主権と整合性、インドの防衛、国家の安全、公共の秩序を害する」と判断したアプリとしてSHEINを禁止した。

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5月17日現在、SHEINは64カ国でトップのiOSショッピングアプリ、13カ国でAndroid上のショッピングカテゴリーのトップだ。

SHEINは投資家を発表していないが、中国のメディアによるとCapital NutsやJAFCO Asia、Greenwoods Asset Management、IDG Capital、Sequoia Capital China、Tiger Global、そしてXiaomi創業者のShunwei Capitalなどだ。

現在、SHEINにはこの記事へのコメントを求めている。Sequoia Capital ChinaはSHEINの投資家であることを認めた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:SHEINファッションアプリeコマース中国

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(文:Rita Liao、翻訳:Hiroshi Iwatani)