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JAXAと鹿島建設が月面有人拠点建設のための遠隔施工実験を実施、好成績を確認

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JAXA鹿島建設は、月面での有人拠点建設を目指す「遠隔操作と自動制御の協調による遠隔施工システムの実現」のための共同研究を2016年から続けており、このほど遠隔からの建設機械の操作と自動運転による施工実験を実施し、「高い精度での施工」が可能と確認したと5月18日に発表した。

JAXAと鹿島建設は、2019年3月から神奈川県小田原市に位置する鹿島建設の西湘実験フィールドで自動化建設機械の実験を行っており、今回はそれを発展させ、神奈川県のJAXA相模原キャンパスと、1000km以上離れたJAXA種子島宇宙センターの衛星系エリア新設道路等整備工事現場とを公衆電話回線で結び、相模原からの指令で自動運転に切り替えられた建設機械の操作を試みた。

実験は、遠隔操作と自動運転のそれぞれが行われた。まずは、月面に輸送した建設機械を地球から操作することを想定し、建設現場まで遠隔操作で振動ローラーを走らせた。この「遠隔操作エリア」の広さは幅12m、長さ25m。月面のクレーターなどを模した仮想障害物が設らけれており、それらを避けながら走るというもの。

もうひとつは、建設現場での自動運転。月面の有人拠点建設地を想定した幅15m、長さ25mの「自動運転エリア」で、鹿島建設が開発した自動化施工システムA4CSEL(クワッドアクセル)を使い、振動ローラーによる自動転圧作業を行わせるというもの。

その結果、遠隔操作では「建設機械の操作性や安定性を損なうことなく遠隔操作が行える」ことを確認でき、自動運転ではスムーズな施工が行え、「月面での無人による有人拠点建設の実現につながる成果が得られました」とのこと。

この共同研究は、JAXAが国立研究開発法人科学技術振興機構から受託した「イノベーションハブ構築支援事業」の「太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・活動領域拡大に向けたオープンイノベーションハブ」の一環。月や火星に大勢の労働力を送り込むことが難しいため、有人活動の拠点建設には無人建設機械が活躍することになる。しかし月と地球との間では通信に数秒の遅延が生じる。そこで、そのような通信環境でも滞りなく作業ができるよう、JAXAは機械同士の衝突や干渉を予測して回避しつつ、効率的に作業が行える遠隔操作技術の研究を重ねてきた。一方、鹿島建設は、自動運転技術を活かした独自の建設生産システムA4CSELを開発し、すでにダム工事などに使用している。

これらの技術の協調を目指したこの共同研究の結果は、JAXAの宇宙開発に活用されるのはもちろんだが、鹿島建設の側では、災害復旧現場などで求められる高度な無人化施工技術への応用も予定されている。

画像クレジット:鹿島建設

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カテゴリー:宇宙
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