グーグルがアプリ開発プラットフォーム「Firebase」を改訂、パーソナライズ機能、セキュリティツールなどを強化

次の記事

ユーザーをだます「ダークパターン」デザインを集めて企業の恥を晒す通報窓口ができた

Google(グーグル)は米国時間5月18日のI/Oデベロッパーカンファレンスで、デベロッパープラットフォームのFirebase(ファイアベース)の数多くのアップデートを発表した。同社はFirebaseが300万以上のアプリに使われていることも明らかにした。

主要なアップデートがいくつかあり、その多くはFirebase Remote ConfigやFirebaseのモニタリング機能など既存ツールの改善に関わるものだが、まったく新しい機能もある。Android App Bundleを作成する機能や、App Checkと呼ばれる新しいセキュリティツールなどだ。

「デベロッパーの成功に役立つことがFirebaseの成功です」とFirebaseのプロダクトマネージャーであるKristen Richards(クリステン・リチャーズ)氏がこの日の発表に先立って私に話した。「そのために、有用性とデベロッパーに役立つことを私たちのすることすべての中心に据えています」。彼女は、パンデミックの中でGoogleは、初心者からプロフェッショナルまで多くの人達がアプリ開発に集中するようになったのを見てきたという。同時に彼らは、新しいアプリを早く公開にしようとする多くの企業が同社のプラットフォームに移行するところも見た。

おそらくI/Oで最も注目を集めたFirebaseの発表はRemote Configだろう。デベロッパーにとって、新しいバージョンをリリースすることなく、公開中のアプリに変更を加えられるという機能は、常に非常に強力だ。A/Bテストから、特定のユーザーグループ向けにカスタマイズされたアプリ内体験を提供することまで、さまざまな場面で利用できる。

Googleはこのアップデートで、Remote Configコンソールも改訂し、デベロッパーがツールの利用状況を把握しやすくするとともに、パブリッシングのフローを改め、A/Bテストの結果ページのデザイン変更も行った。

画像クレジット:Google

しかし最も重要なのは、GoogleがRemote Configを一歩前進させて、デベロッパーが個々のユーザーのユーザー体験を自動的に最適化するPersonalization(パーソナライゼーション)機能を追加したことだ。「この新機能は、Googleの機械学習を使って、個人ごとに独自のアプリ体験を作り出します」とリチャーズ氏は説明した。「設定するだけで、ユーザーごとに仕立てられたパーソナライズド体験を自動的に作り出すので実に簡単です。人によって好きなものは違うでしょう。体験をカスタマイズすることで、最近のユーザーが本当に期待しているものを作ることができます。おそらく今は、誰もが以前よりもっとカスタマイズされた体験を期待していると思います」。

画像クレジット:Google

GoogleはFirebaseの分析およびモニター機能にもいくつか改善を施していて、アプリがクラッシュした理由を解析するCrashlystics(クラッシュリスティスク)サービスがその1つだ。たとえばゲームデベロッパーにとって、それはUnityプラットフォームを使って書かれたゲームのサポートがよくなることを意味しているが、全デベロッパーにとって、Firebaseの性能モニタリングサービスがリアルタイムにデータを処理するようになったことは、性能データが(特に公開日に)半日近く遅れてやってくる現在と比べて大きな改善だ。

FirebaseはAndroid App Bundlesのサポートをようやく追加した。アプリのコードとリソースをパッケージにまとめるGoogleの比較的新しいフォーマットで、Google PlayがAPKを作る際にインストールされるデバイスの種類に応じて正しいリソースを使って最適化できる。これによってダウンロードサイズが小さくなりインストールも速くなる。

セキュリティ面では、App Checkのベータ版が公開される。App Checkはデベロッパーがアプリを外部の脅威から守るのを助けるツールだ。たとえばFirebaseのCloud StorageやRealtime Database、Cloud Functions(その他も近くサポートされる)などのオンライン・リソースに対する有効な認証情報をもたないトラフィックを自動的にブロックする。

画像クレジット:Google

もう1つ紹介しておくべきアップデートは、Firebase Extensionsに関するもので、かなり以前に公開された機能だが今回拡張機能がいくつか追加された。Algolia(アルゴリア)、Mailchimp(メールチンプ)、およびMessageBird(メッセージバード)から新たな拡張機能が提供され、たとえばAlgoliaの検索機能やMessageBirdの通信機能をプラットフォーム上で直接利用できるようになる。Google自身も新しい拡張機能として「人々を会話から離れさせるような乱暴で無礼で理不尽な」コメントを検出する仕組みをデベロッパーに提供する。

関連記事
グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始
Chromeに漏洩パスワードを自動的に修正する新機能、グーグルのAIテクノロジー「Duplex」を利用
事前トレーニングなしでより自然に会話できる新AI言語モデル「LaMDA」をグーグルが発表
今、Androidは30億台のアクティブデバイスに搭載されている
グーグルが「折りたたみ式」にフォーカスしたAndroidディベロッパー向けアップデートを追加
グーグルが次世代カスタムAIチップ「TPUv4」を発表、1ポッドでエクサフロップ以上の処理能力
グーグルの「Wear OS」とサムスンの「Tizen」が統合、アップルのwatchOSに対抗
Googleがオンラインショッピング拡大でShopifyと提携
グーグルがクロスプラットフォームUIツールキット「Flutter」をアップデート
グーグルの「Workspace」アプリが相互連携を強化し12の新機能を追加、囲い込みがさらに進む
Android TV OSの月間アクティブデバイスが8000万台に到達、新機能も発表
グーグルがWear OSの大規模アップデートを発表、Fitbitの「健康」関連機能も導入
グーグルが実物大の相手がすぐ向こう側にいるかのような3Dビデオ通話ブースを開発中
Google CloudのVertex AIは機械学習を果てしないパイロットから価値を生む実用技術にする

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleGoogle I/O 2021Firebaseアプリ

画像クレジット:Westend61 / Getty Images

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nob Takahashi / facebook