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Snapが同社のARグラスに技術を提供するWaveOpticsを545億円以上で買収

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米国時間5月20日にAR(拡張現実)メガネ「Spectacles(スペクタクルズ)」の最新バージョンを発表したSnapは、その翌日にさらなるニュースを発表した。それは同社の躍進を後押しする技術を持つスタートアップ企業を買収するというものだ。

写真共有アプリ「Snapchat(スナップチャット)」で知られるこの企業は、ARメガネに使われる導波管とプロジェクターを製造するARスタートアップのWaveOptics(ウェーブオプティクス)を買収する。ARメガネは、それをかけた人が見ている現実世界の景色の上に、バーチャルな画像を重ね合わせて見ることができるというもので、Snapはその最新モデルをWaveOpticsと協力して開発した。

この動きはThe Verge(ザ・ヴァージ)が最初に報じたもので、TechCrunchはSnapの広報担当者に直接その詳細を確認した。SnapはWaveOpticsの買収に、現金と株式交換で5億ドル(約545億円)以上を支払うという。そのうちの半分は、買収が正式に完了した時点で株式の形で支払われ、残りは2年後に現金または株式で支払われる予定だ。

これはWaveOpticsにとって大きな飛躍だ。同社はこれまで、Bosch(ボッシュ)やOctopus Ventures(オクトパス・ベンチャーズ)、そして英国のベテラン起業家で、現在はFiveAI(ファイブAI)に在籍するStan Boland(スタン・ボランド)氏や、初期ARスタートアップのBlippar(ブリッパー)創業者の1人であるAmbarish Mitra(アンバリッシュ・ミトラ)氏などの個人を含む投資家から、約6500万ドル(約70億8000万円)の資金を調達していたが、直近の評価額は1億500万ドル(約114億円)程度にとどまっていた

WaveOpticsはオックスフォードで設立されたが、我々が知る限りでは、今後も英国を拠点に置くようだ。

TechCrunchでは、この会社がホログラム物理学とフォトニック結晶をベースにした導波路という、非常に興味深く、時代を先取りした技術を展示した初期の頃から取材してきた

重要なことは、同社の技術が、画像の処理と表示に必要なハードウェアのサイズと負荷を、劇的に圧縮するということだ。これは、WaveOpticsの技術をベースにしたARハードウェアのフォームファクタが、より幅広く、より適応性が拡大することを意味する。

買収後もWaveOpticsが他の企業と協力を続けていくかどうかは不明だが、Snapにとっては、このスタートアップ企業の技術を自社だけのものにすることが、大きなアドバンテージになることは明らかだと思われる。

Snapはここ最近、同じような買収を繰り返している。1月以降だけでも、eコマースへのAR活用を目指してFit Analytics(フィット・アナリティクス)を買収した他、3Dマッピング技術のPixel8Earth(ピクセルエイトアース)や、位置情報プラットフォームのStreetCred(ストリートクレド)など、少なくとも3社のスタートアップ企業を買収している。

しかし、今回の取引は、Snapにとって評価額の面ではこれまでで最大の買収となる。

これは、基礎的な人工知能技術に依然として高い価値がある(加えて、WaveOpticsを設立した科学者たちのチームは12件の出願済みおよび進行中の特許を保有している)ということを示すだけではない。SnapがARを使用するソーシャルアプリだけに留まらず、ハードウェアにおいても影響力のある地位を築き上げ、その技術を使うだけでなく、どこでどのように展開するかという進行と計画を握る中心的存在でありたいという、財務的な、はっきり言いえば実存的な、コミットメントの表明だ。

これは粘り強い取り組みであり、必ずしも報われるものではないが、しかしSnapは(同社は長い間、自らを「カメラ会社」と表現してきた)、ハードウェアを将来の戦略に不可欠な要素として位置づけている。

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タグ:SnapARグラス買収Snapchat

画像クレジット:Snap

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Hirokazu Kusakabe)