ドライバーモニタリングのSmart Eyeが感情検知ソフトウェアAffectivaを約80億円で買収

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ドライバーのモニタリングシステムを自動車メーカー12社に供給しているスウェーデンの上場企業Smart Eye(スマートアイ)が、感情検知ソフトウェアスタートアップのAffectiva(アフェクティヴァ)を現金と株式合わせて7350万ドル(約80億円)で買収した。

MIT Media Labから2009年にスピンアウトしたAffectivaは人間の感情を検知して理解できるソフトウェアを開発した。このソフトウェアはSmart Eyeが自社のAIベースの視線追跡テクノロジーと合体させたがっているものだ。両社の創業者たちは、ドライバーの覚醒度を追跡・計測するための高度なドライバーアシスタンスシステムによく使われているテクノロジーであるドライバーモニタリングシステム以上の機会を目にしている。両社が一緒になることで、そのテクノロジーは新たに生まれている「インテリアセンシング」マーケットに参入するのに役立つかもしれない。インテリアセンシングは車両の乗車空間全体をモニターし、乗車している人の感情に応じたサービスを提供するのに使われている。

買収取引条件に基づき、6750万ドル(約73億円)が新規発行されるSmart Eyeの235万4668株で支払われることになっており、うち201万5626株は取引完了時に発行される。残りの33万9042株は取引完了から2年以内に発行される。そして2021年6月の取引完了時に約600万ドル(約6億5000万円)が支払われる。

AffectivaとSmart Eyeは競合していた。2020年のテクノロジー展覧会CESでのミーティングが合併につながった。

「マーティンと私は、両社が互いに競うために同じ道を歩んでいて、もし力を合わせればさらに良くなるのではないかと気づいたのです」とAffectivaの共同創業者でCEOのRana el Kaliouby(ラナ・エル・カリウビー)氏は米国時間5月25日のインタビューで述べた。「一緒に取り組むことで、OEM企業のインテリアセンシングに関する要求のすべてを満たし、我々は競争で優位に立ちます。個々にやるよりもずっとうまく、そして早く達成する機会を手にします」。

ボストン拠点のAffectivaは感情検知ソフトウェアを買収取引に持ち込み、これによりSmart Eyeは既存の自動車業界のパートナーにさまざまなプロダクトを提供できるようになる。Smart EyeはAffectivaが開発やプロトタイプ作業を超えて生産契約に移れるようサポートする。Smart EyeはBMWやGMを含むOEM13社から生産契約84件を獲得した。スウェーデン・ヨーテボリ、デトロイト、東京、中国・重慶市にオフィスを置いているSmart Eyeは忠実に再現できる人間工学研究のためのアイトラッキングシステムをNASAのような研究組織に提供する部門も抱える。

Smart Eye創業者でCEOのMartin Krantz(マーティン・クランツ)氏は、ラグジュアリーでプレミアムな車両を製造している欧州のメーカーがドライバーモニタリングシステムの変化をリードした、と話した。

「インテリアセンシングでも同じパターンが繰り返されています」とクランツ氏は述べた。「初期の契約の大半はMercedes、BMW、Audi、JLR、Porscheといった欧州のプレミアムなOEMになるでしょう」。そしてCadillacやLexusなどを含む欧州外の地域でターゲットにする他のプレミアムなブランドも数多くある、と付け加えた。

まずは人間が運転する乗用車に照準を当て、高度な自動運転がマーケットに導入されるにつれゆくゆくは拡大する。

ボストンとカイロのオフィスに従業員100人を抱えるAffectivaは感情検知ソフトウェアをメディア分析に応用する別の事業部門も擁している。買収取引に含まれ、別に運営されるこの部門は収益をあげているとカリウビー氏は話し、世界の大手広告主の70%がメディアコンテンツへの感情反応を測定して理解するのにこのソフトウェアを使っているとも指摘した。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Smart EyeAffectiva買収インテリアセンシング自動車

画像クレジット:Smart Eye

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi