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新薬発見のために膨大な数の化学合成を機械学習でテストするMolecule.one

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ポーランドの計算化学企業Molecule.oneは、理論的な薬剤分子を現実のものとするための活動を拡大するため460万ドル(約5億円)を調達した。同社の機械学習システムは、有益と思われる分子を合成する最良の方法を予測するもので、新薬や治療法を生み出す上で重要な役割を果たしている。

Molecule.oneはDisrupt SF 2019のStartup Battlefieldに登壇し、彼らは大量の理論的治療法を考え出すが、それらの分子すべてを実際に作ることはできないという創薬業界が直面している難題を説明した。

エキゾチックな化合物を発想しそれを実際に試験したいが、その作り方がわからないとき、同社のシステムの出番となる。それらの分子は科学にとってまったく新しいもので、過去に誰も作ったものがないため、その作り方もわからない。Molecule.oneが作ったワークフローは、まず普通のありふれた化学物質からスタートして、段階的に既知の方法を適用していく。AからBへ、そしてCへ、Dへ、というように。もちろん、実際にはこんな簡単な手順ではない。

同社は機械学習と、化学反応に関する大量の知識ベースを利用してこれらの工程を作っていくが、CEOのStanisław Jastrzębski(スタニスワフ・ヤストルツニェフスキ)氏の説明によると、同社はそれを逆方向で行っていく。

「合成計画はゲームに似ています。このゲームの1つ1つの動きにおいて、私たちはボード上のピースを移動するのではなく、1対の原子を結びつけている科学的なボンドを外します。そのゲームの目標は、ターゲットの分子を、市場で一般的に手に入れることができそれらからターゲットを合成できるような分子へと分解することだ。私たちが使っているアルゴリズムは、DeepMindが合成手筋を見つけて碁やチェスをマスターするために使ったものと似ています」とヤストルツニェフスキ氏はいう。

共同創業者のPiotr Byrski(ピオトル・ベルスキ)氏とPaweł Włodarczyk-Pruszyński(パヴェウ・ヴウォダルチク・プルシェンスキスキ)氏によると、有機反応を予測することは決して容易なことではなく、これまで彼らは、システムを効率的かつ検証可能なものにするために大量のリソースを投じてきた。Molecule.oneは良いアイデアだけではなく、実行可能なアイデアを提供していると企業から評価されるように、定期的に社内でテストを行っています。

ベルスキ氏によると、Disruptでデビューしてからは年契約の顧客も増え、同社プラットフォームの機能も多くなった。また、ヴウォダルチク・プルシェンスキスキ氏によると、仕事の効率も上がったという。

画像クレジット:Molecule.one

「システムは成熟し、プラットフォームの拡張により1時間に数千種の分子の合成を計画できるようになりました。大量の分子合成機能を、膨大な量の候補薬剤分子を生成する創薬用のAIシステムと組み合わせると、すごく便利になります。多くの改良によって業界の信頼度も上がり、有意義な企業などとのコラボレーションもできるようになりました」。

確かに、顧客がひと握りではなく何十万もの治療用分子の経路について尋ねるようになると、問題はスケーリングになる。彼らにとって、製造コストを負担するのであれば、検討している化合物の1つが、同様の効果を持つ他の化合物よりもかなり容易に製造できるかどうかを確認するために、最初に出費を行う価値がある。はっきりとは言えないプロセス全体をシミュレーションすることなく、Molecule.oneにリストを送って数日後にレポートを受け取ることができる。

画像クレジット:Molecule.one

成功事例もあると思われるが、企業秘密が関係するケースも多いため、同社は顧客の成功例を明らかにしていない。しかし同社によると、他のバイオテック企業と同じく、現在は新型コロナウイルス治療関連の研究開発が多いという。

「私たちは、新型コロナウイルス関連の創薬に取り組む対象となる研究者にプラットフォームの一部を無料で提供しました。これにより、Yoshua Bengio(ヨシュア・ベンジオ)教授が顧問を務めるMILAのLambdaZeroプロジェクトとの永続的な協力関係が生まれました」とベルスキ氏はいう。

そのようなプロジェクトでは候補分子を、効果だけでなく製造のしやすさでも評価しなければならないため、同社の新たなスケール拡大方法をテストする機会も生まれている。

ベルスキ氏によると「まだ合成されていない薬を探すという意味では、非常に有望な化学空間の新領域を横断することができるため、この分野には非常に期待しています」という。

今回の投資ラウンドをリードしたのはAtmos Venturesで、参加した投資家はAME Cloud Ventures、Cherubic Ventures、Firlej Kastory、Inventures、Luminous Ventures、Sunfish Partners、そしてBayerの役員であるSebastian Guth(セバスチャン・グス)氏などの個人だ。

同社は、資金をチームの拡大と今後の拡大の継続に充てる計画だという。また今後もポーランドの企業でありながら、米国や西ヨーロッパにもオフィスを開きたいとのことだ。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Molecule.one資金調達ポーランド機械学習創薬計算化学

画像クレジット:Molecule.one

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Hiroshi Iwatani)