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東京大学が国内初の「数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム」完全準拠教材を無償公開

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東京大学 数理・情報教育研究センター(MIセンター)は6月8日、数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム(モデルカリキュラム)に準拠したスライド教材・実習用補助教材を開発し、国内すべての大学・高等専門学校などに向けて無償公開したと発表した。この取り組みは、政府の「AI戦略2019」に対応したもので、モデルカリキュラムの内容のすべてに対応した教材の公表は、全国で初めての試み。ライセンスとして、クリエイティブ・コモンズ ライセンスの「CC BY-NC-SA」を採用しており、原作者のクレジット表示、非営利目的での利用、再配布などが可能となっている。

モデルカリキュラムに完全準拠した教材の開発・公開によって、数理・データサイエンス・AI教育の全国的な広がり、教育の質向上が図られるとともに、教育コンテンツなどを直ちに完備することが困難な大学での活用、専門分野の教員の不足の解消などの効果が期待されるとしている。さらに、近年のデータサイエンティストへの期待の高まりを受け、高等教育機関だけでなく、社会人教育の場などに教材の活用が広がることも期待しているという。

同教材の活用により数理・データサイエンス・AIの基礎的素養を持つ人材を幅広く輩出し、デジタル改革やDX推進の一助となることを期待しているとした。

今後、東京大学が幹事校を務める数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムの活動の一環として、同教材を活用したワークショップなどを行い、具体的な活用方法も含めて広く全国に普及・展開する。これらの取り組みによって、国内の数理・データサイエンス・AI教育の底上げを図るとともに、教えることができる教員の不足を解消しデジタル改革の推進の一助となることを期待しているという。

数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム

数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラムとは、国内すべての大学・高等専門学校が参照可能な全国的なモデルとなるカリキュラムとして、数理・データサイエンス・AI 教育強化拠点コンソーシアムが策定したもの。これまでに、「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム ~データ思考の涵養~」(2020年4月公表)および「数理・データサイエンス・AI(応用基礎レベル)モデルカリキュラム ~AI×データ活用の実践~」(2021年3月公表)を公開している。

モデルカリキュラムには、獲得する知識・スキルをキーワードとして列記しており、その数はリテラシーレベルで84、応用基礎レベルで108に及ぶ。

ただこれらは、学修項目や知識・スキルが体系的・網羅的に整理されている一方で、実際の授業に際し内容・構成をどうすべきかわからない、モデルとなる教材がほしいなど意見が多くの大学などからあったという。そこで今回公開の教材では、各大学の課題解決にも資するものとして、モデルカリキュラムを教材に落とし込むことでより一層の理解を図り、数理・データサイエンス・AI 教育の全国への普及に貢献するものとしている。

MIセンターが開発・公開した教材は、前述192のキーワードをすべて取り上げているほか、各大学の利便性を考慮し、キーワードと教材の対応なども掲載している。また、各大学などの授業内容に合わせてスライド教材をページ単位で使用できるなど、条件を設けずに自由に利用できるようにしており、学生の自学自習での活用も期待されるという。今後、教材の利用者アンケートを随時行うことで、意見を反映して適宜改善する予定。

またMIセンターは、コンソーシアムの活動の一環として同教材を使用した模擬授業を含むワークショップを行う予定。2021 年 6月24日に第1回目を開催し、順次拡大していく。詳しくはコンソーシアムのサイトを参照。

AI戦略2019は、2019年6月に統合イノベーション戦略推進会議が決定した政府主導の戦略。具体目標として「文理を問わず、すべての大学・高専生(約50万人卒/年)が、課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得」「文理を問わず、一定規模の大学・高専生(約25万人卒/年)が、自らの専門分野への数理・データサイエンス・AI の応用基礎力を習得」などを掲げている。

数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムは、2016年12月に数理及びデータサイエンスに係る教育強化を目的として幹事校の東京大学を含めた6校(北海道大学、東京大学、滋賀大学、京都大学、大阪大学、九州大学)が文部科学省より拠点校に選定され、各大学内での数理・データサイエンス教育の充実に努めるだけでなく、全国の大学に取組成果の波及を図るため、地域や分野における拠点として他大学の数理・データサイエンス教育の強化に取り組んでいる。

2019年度には協力校として国立大学20校、2020年度には全国展開の活動をさらに加速するために、協力校3校と特定分野協力校7校、公私立大学校および国立高等専門学校機構も連携校となった。2021年4月現在では120校が参加している。

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