ソフトウェア
Spotlight(製品・サービス)
Apple / アップル(企業)

iOS 15でSpotlightが大幅強化、アプリのインストールも可能に

次の記事

復活したばかりの老舗音楽共有アプリTurntable.fmのそっくりライバル「tt.fm」がiOS・Androidベータ版アプリ発表

Apple(アップル)はモバイルデバイス向けオペレーティングシステム「iOS 15」のリリースを控え、標準検索エンジンのSpotlight(スポットライト)を大幅に機能強化する。これは「Siriからの提案」の導入以来最大のアップデートになるかもしれない。新バージョンのSpotlightは、いくつか重要な検索場面でGoogle(グーグル)に取って代わる可能性がある。ウェブ画像、俳優、ミュージシャン、TV番組、映画などに関する情報などだ。さらに、ユーザーのフォトライブラリを探したり、連絡先の詳しい情報を知らせたり、アプリやそこに含まれる情報とより直接的に繋がれるようになる。App Storeのアプリを、Spotlightの外に出ることなくインストールすることも可能だ。

また、Spotlightはかつてないほどアクセスしやすくなった。

数年前のiOS 7で、Spotlightはホーム画面の左側の位置を離れ、どの画面を下にスワイプしても利用できるようになり、多くのユーザーが利用するきっかけになった。iOS 15ではiPhoneのロック画面からでも同じ下向きスワイプで利用できるようになる。

Appleは先日のWWDCの基調講演で、Spotlightの改善点をいくつか披露した。たとえば検索機能の新しいカードから俳優、映画、テレビ番組、ミュージシャンの情報を調べることができる。この変更だけでも、ウェブ検索のかなりの部分をGoogleやIMDbなどの専用アプリから奪える可能性がある。

この数年Googleは、Knowledge Graph(ナレッジグラフ)を通じてよくある検索結果をクイックアクセスできるようにしている。ナレッジグラフは、さまざまなソースから情報を集めた知識ベースで、それを使って標準の検索結果の上や横の情報パネルを表示することができる。俳優、ミュージシャン、番組、および映画のパネルも用意されている。

しかし、今iPhoneユーザーは、この情報をホーム画面上で見ることしかできない。

新しいカードには、Wikipediaの経歴や背景情報で見られる以上のものが入っている。対象のアーティストや俳優、映画、番組などのコンテンツを聴いたり見たりするためのリンクも掲載されている。ニュース記事、ソーシャルメディアのリンク、公式ウェブサイト、さらには探している人物や話題がユーザー自身のアプリにあるかどうか指示することもできる(例えば「Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)」を検索すると、SeatGeek(シートギーク)や彼女がゲストだった回のポッドキャストに誘導されることもある)。

画像クレジット:Apple

ウェブ画像検索でも、Spotlightは人物、場所、動物などをウェブで探し、ここでもGoogleが提供している検索分野に侵食している。

OS 15のスクリーンショット

iOS 15では、検索結果がリッチになってカスタマイズ検索もアップグレードされる。

連絡先を検索すると、名前と連絡方法を表示する以上のことを行うカードが出てくる。さらに、相手の現在の状態(これもiOS 15の新機能による)や、Find My(探す)から得た位置情報、メーセージの最近の会話、シェアした写真やカレンダーの予定、メール、メモ、ファイルなども見ることができる。

関連記事:アップルがiOS 15で「通知」を改良、新機能「フォーカス」「サマリー」でよりパーソナルに

画像クレジット:Apple

パーソナル写真検索も改善された。SpotlightはSiriの知識を使って、自分の写真の中から人物、景色、物体などを検索できるようになる。そしてiOS 15の新しいLive Text機能を使って、写真の中にあるテキストを検索して、関連する結果を求めることができる。

関連記事:アップルのiOS 15新機能「Live Text」は写真内の文字を自動認識してテキストデータ化

レシピのスクリーンショットや買い物のレシート、手書きのメモからでもテキストを簡単に取り出せるようになるかもしれない、とAppleはいう。

画像クレジット:Apple

Spotlightのアプリへの統合に関連するいくつか機能については、基調講演で言及はなかった。

Spotlightは、検索結果のマップにアクションボタンを表示して、店舗がユーザーを自社アプリに誘導することもできるようになる。これでは新機能が、サードパーティ製アプリをダウンロードやインストールすることなくすぐに作業できるApp Clips(アプリ・クリップ)を活用している。例えばSpotlightの中でレストランのメニューを開いたり、チケットを買ったり、予約を撮ったり、テイクアウトを注文したり、ウェイティングリストに加わったり、駐車料金を払ったり、価格を調べるなどさまざまなことができるようになる。

この仕組みが働くためには、企業や店舗がApp Clipsに対応する必要がある。

iOS 15のスクリーンショット

もう1つ、目立たないけれども重要な変更が、SpotlightからApp Storeのアプリを直接インストールできる機能だ。

これはアプリのインストール増加につながる可能性がある。検索してダウンロードする手順が省略される他、App Storeの検索をオペレーティングシステム全体でアクセスしやすくなるからだ。

またデベロッパーは、自分のアプリに数行書き加えるだけで、アプリ内のデータをSpotlightで発見可能にすることができるようになる。これはSpotlightがアプリ内コンテンツを検索するツールとして使えることを意味している。これもまた、ユーザーを従来のウェブ検索から転換させるAppleのやり方だ。

しかし、ウェブをクロールしてデータをインデックスしているGoogleの検索エンジンと異なり、Spotlightのアプリ内検索が働くためには、まずデベロッパーが採用する必要がある。

いずれにせよ、AppleがSpotlightをウェブ検索エンジン(Googleを含む)の潜在的ライバルと考えていることは明白だ。

「Spotlightは、あなたの『すべての』検索をスタートする共通の場所です」とAppleのソフトウェアエンジニアリング担当副社長であるCraig Federighi(クレイグ・フェデリギ)氏が基調講演で話した。

もちろんSpotlightは「すべての」検索を扱えるわけではまだないが、どうやらそのゴールに向かって着実に進んでいるようだ。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:AppleWWDCWWDC2021SpotlightiOS 15Siri

画像クレジット:Apple

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook