自動運転トラックのEmbarkがSPAC合併で上場へ、評価額は約5770億円

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創業5年の自動運転トラックのスタートアップEmbark Trucks Inc.は現地時間6月23日、バリュエーション52億ドル(約5770億円)で特別買収目的会社Northern Genesis Acquisition Corp. IIと合併すると発表した。

Embark(エンバーク)は自動運転トラックに対してまた別のアプローチをとっている。ライバル企業TuSimpleのアプローチである、トラックを生産して運用するというものではなく、EmbarkはAVソフトウェアをサービスとして提供する。運送業者と車両所有者は1マイルあたりのサブスク料金を支払うとソフトウェアにアクセスできる。Embarkのパートナー企業はMesilla Valley Transportation、Bison Transport、Anheuser-Busch InBev、HP Inc.などだ。

運送業者はこのソフトウェアが使えるハードウェアを自動車メーカーから直接購入する。そのため複数の部品やメーカーで「プラットフォーム・アグノスティック」となるようシステムをデザインした、とEmbarkは話す。同社によると、ソフトウェアは1秒あたり長さ60秒のシナリオを最大1200シミュレートでき、走行する他の車両の動きのためにそうしたシナリオを使って適応予測をする。

Embarkは、SPAC取引に関する投資家へのプレゼンテーションで、2023年までに「ドライバー不要」あるいはセーフティドライバーなしでのオペレーションの開始、そして2024年に米国のサンベルト(北緯37度以南の地域)での商業展開を目標としている、と説明した。しかし、Embarkはそれを達成するためのテクニカル上のマイルストーンに到達していない。ソフトウェアはまだ緊急車両とのやり取り、タイヤ破裂や他の機械故障への対応などですべきことがある、と説明した。

合併が完了すれば、Embarkには2億ドル(約220億円)の私募増資を含め、現金で約6億1500万ドル(約680億円)が注がれる。私募増資の投資家はCPP Investments、Knight-Swift Transportation、Mubadala Capital、Sequoia Capital、Tiger Global Managementなどだ。

Embarkはまた、元運輸長官のElaine Chao(イレーン・チャオ)氏が取締役会に加わると明らかにした。まだ24州でしか商業展開が認可されていない自動運転トラックの業界に身を置く企業にとっておそらく大きな恩恵となる。

Embarkは2016年にCEOのAlex Rodrigues(アレックス・ロドリゲス)氏とCTOのBrandon Moak(ブランドン・モーク)氏によって設立された。両氏はカナダのウォータールー大学でエンジニアリングの学位を取りながらともに自動運転に取り組んだ。Y Combinatorを終了したのちにEmbarkはすぐさま計1億1700万ドル(約130億円)を調達した。ここにはSequoia Capital がリードした3000万ドル(約30億円)のシリーズBラウンド、Tiger Global Managementがリードした7000万ドル(約780億円)のシリーズCラウンドが含まれる。

合併取引は2021年下半期に完了する見込みだ。SPAC合併経由で上場する競合社のAVトラックデベロッパーPlusの仲間入りすることになる。TuSimpleは3月に従来のIPO上場を選んだ。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:Embark Trucks Inc.トラック自動運転SPAC

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi